多くの方に愛用され、今やフリマアプリの代名詞である「メルカリ」。同社がメールリレーサービス・メール送信API「Cuenote SR-S」を導入したのは2019年。そのきっかけは更なる成長を目指してのものでした。現在は飛躍的な会員数の伸びを達成し、約2,345万人にまで至っています。その過程で、メール配信量も年々増加してきました。ここでは「Cuenote SR-S」導入の背景や、導入後の感想、成果などを伺った。
なお、システム導入・検討については、エンジニアリング・マネージャーの大野 晋氏。実際の運用については、2019年の導入から4年間管理されてきた中村 晃大氏、配信全般を現在管理しているファンデーション・バックエンドチームのアディ氏、エンジニアリングマネージャーのピエール氏に伺いました。
大野:メルカリのサービスは2013年にスタートしていますが、当初はシステムをインストールした上で、配信に関するすべてを自分たちで運用していました。その後、サービスが急成長をするにあたって業務の負荷が高くなり、2018年よりメールリレーサービス・メール送信APIの導入を検討するようになりました。
主なものとしては、エラーメールです。エラーが増えると、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)が付きっきりで対応する必要がありました。とくに夜間の対応が続くと疲弊が大きくなります。その負荷を軽減させることが主な目的でした。
決済に関する通知やコメントのやりとりなどのトランザクション・メールが月間約200~250万通ありました。また、毎日配信していた商品の新着通知が1日約500万通。月2~3回のお知らせが5時間で数百万通という状況でした。
導入にあたっては5~6社の製品を検討しました。重視したのは、大規模配信の実績があるか、トラブルの原因になりやすいモバイルキャリア宛のメール配信に対応できるか、DR(ディザスタリカバリ)のような分散環境が取れるかといったことです。
あとはサポート体制ですね。エラーメールが発生した際に、原因の追跡をお任せできるかどうかということです。これまでは自分たちでやっていましたので、そこに対応いただければ負荷が減るだろうと考えました。
中村:「Cuenote SR-S」は、それらの要件を満たしていただけでなくコスト面でも優位性がありました。導入後も定期的に他社サービスと比較検討していますが、やはりユミルリンク様が良いという結論に至ります。
そこも大きいですね。分散しながらサーバーのメンテナンスを実施していただけるので、配信できない時間帯というのがありません。私たちが導入してからサービスは一度も止まったことがないですし、安定して稼働できています。
先ほど、導入前は1日約500万通と申しましたが、その後も順調にサービスが伸びたことで、現在はピーク時で1時間約300万通といった量になりました。それでもまったく問題なく遅延も起きていません。最大で月間約4億通というときもありましたが、問題なく配信できました。
また、運用開始以来「Cuenote SR-S」側の問題で送信できなかったことがありません。送信先である事業者に問題があった場合でも、ユミルリンク様が事業者とやりとりをしてくれ早急に報告してくれます。そこは、かなりの負担軽減につながっています。
大野:当初はSREの負荷を下げることが目的でした。それが、現在は通知全般を見るチームで管理することができています。SREは貴重な人材ですので、彼らがほかの仕事に集中できるというのも大きなメリットだと感じています。
中村:メール配信に関する最新のトピックスに関しても、事前に連絡をいただけるので、問題が起きる前に対応することができ、その面でも安心して利用できます。
エラーメールのアドレス管理ですね。「Cuenote SR-S」のダッシュボードを見ると、エラーの理由や頻度がわかるのです。それ自体はよくある機能ですが、弊社のカスタマーサポートと情報統合できるので、お客様からの問い合わせにすぐに対応できる。これにより、カスタマーサポートチームの負荷も下がっていると思います。
アディ:良い点は、「Cuenote SR-S」はサポート体制が素晴らしく、何かあってもすぐに対応していただけることです。業務上、早めに確認しておきたいころがあるので、その点はとても助かっています。
メール配信においては、インフラのコスト面だけでなく、その管理にも目を向ける必要があると思います。「Cuenote SR-S」を使えば、インフラ管理に時間をかける必要がなくなります。
ですので、お客様の対応をしっかり行い、事業価値を創出していこうと考えているのであれば必要なサービスだと思います。とくに会社の規模が大きくなるほど、信頼性の高いメールインフラの重要性は増していくでしょう。
性能はもちろん、サポートについても大変満足しています。今後は、メールの種類によってプライオリティを指定するようなことができれば嬉しいですね。優先度の高いメールを素早く遅延なく配信できる。すぐに必要なわけではないですが、今後さらに配信量が増えていくと、そういった需要も出てくるかなと考えています。
ピエール:私からはとくにありません。日頃から優れたサービスを提供いただき感謝しています。私たちにとって、障害が発生しないということはとても幸せなことですから。