2017年はインタラクティブメールの時代が到来
※この記事は、David Bailcy氏が執筆した『2017 will be the year of interactive email』を翻訳した内容です。翻訳を許諾をいただいたDavid Bailcy氏の善意に感謝いたします。
インタラクティブメールは、まだそれに触れている人はあまりいないものの技術として画期的な分野です。
またモバイルアプリのビジネスモデルは堅調とは言えず、なおかつ開発者たちはメッセンジャーアプリに夢中になっているため、そのことについてあまり知られていないのです。
モバイルアプリよさよなら
筆者は3年前にモバイルアプリの事業を開始しました。その頃アプリ自体は物珍しく、スマートフォンを持っている人は定期的に新しいアプリを試していました。
しかし今日では新しいアプリが氾濫しているため、市場は飽和状態です。
さらにひどいことに、多くのスマートフォンユーザーは新しいアプリをダウンロードすることを完全にやめてしまっていることもあります。
最後に新しいアプリをダウンロードしたのは「正確に」いつだったのか、自問自答してみてみれば、それを実感いただけるはずです。
モバイルアプリは「幻滅の谷底」というべき場所に位置しています。
メッセンジャーアプリは歴史を繰り返す運命
中国のネイティブモバイルアプリは、米国とは違う道をたどります。その代わりに、開発者はWeChat(微信)のようなインスタントメッセージ機能を含んだ多機能なアプリケーションを構築します。新しいアプリをダウンロードする必要はありません。メッセンジャーで連絡先を追加するような要領で追加します。
FacebookはMessengerやWhatsAppで、そのモデルに追随しました。これは額面通りに受け取ると良いニュースです。しかし、プラットフォームがユーザーを所有している状況下において、ユーザーの喚起の競争が生じてくる場合、ビジネス的にプラットフォームとしての利益率を抽出する必要性が出てきます。
WeChatも例外ではありませんでした。メッセンジャーアプリ以前にはGoogleの検索エンジンでも同じでした。またネイティブモバイルアプリでも起こっており、実際Apple社が(筆者が本記事を執筆した)数週間前にApp Store広告を開始しました。
そしてFacebookのMessengerにおいても同じ道をたどるとされており、Messengerをプラットフォームとして収益化する計画があると見なしてよいでしょう。
メールはダークホース的存在
ほとんどの企業がメールの可能性を過小評価しているのではないでしょうか。
しかしメールの可能性を信じたほうが良いです。
メールは他のコミュニケーション・チャネルへ媒介する長所に注目すべきでしょう。
1.モバイル用に(最適な)設計ができる
実際問題、私はモバイルでメールをチェックするのを好みます。2.エンゲージメントに優れている
平均的な測定で、モバイルアプリよりもメールの開封率のほうが遥かに優れている。3.OSを問わない
iOSやAndroidのために再設計する必要はありません。4.カスタマイズが迅速かつ容易に行える
ボタンが必要と感じた時に、HTMLの記述をすればボタンを追加できるのです。5.AIのための重要なチャネルとなりうる
要求文に対して自然な言語で回答がなされます。6.利用するのにインストールは不要
開いて中身を確認するだけでOKです。8.メールは基本的なインタラクティブ性を有しています
実はメールがインタラクティブなメールが技術的に実現可能であることを認識している人はいません。
メールはJavaScriptを始めとしてWebインタラクティブ機能を実現するプログラム言語を持っていないので、メールを「読み取り専用」「片道のみの一方通行チャネル」としてとらえがちです。「メールはユーザーをWebサイトへ来るための起爆剤とするのには有効なツールだけれどもね・・・」と考えているのではないでしょうか。
もしそう考えているのであれば、認識を変えることを強くおすすめしたいです。
CSS3はタブ切り替えのような基本的なインタラクティブ機能も動作はJavaScriptありきです。Rebal Mail社のマーク・ロビンズは「パンチカードコーディング」と表現していますが、CSSを単独で使用した際にボタンを押すと画面に表示されているものを変更したり、タブの順番を変更したりすることが可能なのです。
以下で表示するGIFアニメーションでは、メールの受信トレイ内でショッピングカートのインタラクティブ機能をご覧いただけます。
「今すぐ購入」ボタンを押せば、すぐにオンライン決済が行われます。これは本当に大きな出来事です。別々のアプリをわざわざダウンロードしてインストールする必要はありません。アカウントにサインインする必要もありません。
必要なのは、この受信ボックスのメールに送られてくるメールアドレスのみなのです。
スタートアップ企業はメールに焦点を当てることが成功の秘訣
マーケティング担当者にメールについて尋ねると、「リストがお金を生み出す」という回答が返ってくるでしょう。スタートアップ企業で最も成功した事例のいくつかは、現在ではエンゲージメントを高めるツールとしてメールを活用しています。
Product Hunt社は初期の頃からメールのリストを活用し、現在もチャネルとして大きな役割を果たしています。また、私がアドバイザーをしているBody 2 Body社では、ユーザーの誕生日に基づきEメールを用いて、妊娠中の女性や新しく母親となる女性のためのサービスを構築しました。現在では、アプリのインストールと比較してメールのサインアップを取得するほうが10倍安価です。「Inside.com」は、モバイルアプリをやめてメールのニュースレターに変更し、その結果エンゲージメントがアプリよりも大幅に向上しました。
これらの例によって、メールに対する一般的な誤解が明確になりました。
メールをたくさん受け取ることが問題ではないのです。問題なのは、芳しいとは言えないメールをあまりにも多く受け取ることです。そして、実際はマーケティング目線でも消費者目線でも良いと言える、素晴らしいメールを作成する機会は非常に多くあるのです。
メールを活用してネクストレベルへ
筆者はインタラクティブなメールを習得してずっと、モバイルサービスをユーザーのためにどのようにすれば、さらに良いユーザー体験を提供できるのかを考えてきました。 いくつかの企業に対して、ネイティブアプリが良いとはいえないということを啓蒙しようとしています。
最後に、たくさんのスタートアップの起業家の皆さんへ。
モバイルアプリを構築することを追わずに時代を先取りし、アプリケーションのようなインタラクティブ性を持ったメールを構築していきましょう!
※記載されているシステム名、製品名は各社及び商標権者の登録商標あるいは商標です。
キューノート エフシー
メール配信システムCuenote FC(キューノートFC)は、会員管理やメール配信後の効果測定をグラフィカルに表示。システム連携用APIなども提供しており、一斉配信からメールマーケティングまで行えます。独自開発のMTA(配信エンジン)とノウハウで、月間のメール配信数42億通・時間700万通以上(※)の高速配信を実現し、スマートフォンや携帯にもストレスなく高速・確実にメールを届けます。
※クラウド型サービス(ASP・SaaS)の実績値