メールマーケティングとは?基礎知識やメリットの解説、2024年最新トレンドも紹介
メールマーケティングは、メールを活用して顧客とコミュニケーションを図り、集客や見込み客の受注などコンバージョン達成や、顧客満足度向上などを目指すマーケティング手法の1つです。
SNSなど様々なメッセージングツールが増えている現在もメールマーケティングは企業にとってROI(投資利益率)やCVR(コンバージョン率)が高いマーケティング手法として、重要視されています。
メールは、プライベートでのコミュニケーション用途が減少していますが、メールマーケティングにおいては、2024年、そして2025年も引き続き重要な手法です。
当記事では、メールマーケティングの初歩から最新トレンド・事例なども踏まえて網羅的に説明いたします。また当社ではさらに詳しく解説している メールマーケティング完全ガイドブックを公開しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご確認ください。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、メール配信を通じてユーザーにアプローチし、コミュニケーションを図って集客やコンバージョン、顧客満足度向上など目的達成へとつなげるマーケティング施策です。
手法の種類はメールマガジン(メルマガ)や、ステップメール・シナリオメール・ターゲティングメールなど、さまざまあります。
一度接点のあった顧客・見込み顧客のみに送る点が特徴で、1通のメールで行動を促すことも出来る効率のよいマーケティング手法です。
歴史あるメールは、SNSが主流の時代も進化をしている
1990年代からパソコンや、ガラケー(フィーチャーフォン)が普及するとともに、メールもコミュニケーションツールとして普及しました。スマートフォンが登場して久しい昨今では、さまざまなSNSが定着・台頭してきており、コミュニケーションツールとしてはマイナーになりつつあります。
一方、販促・マーケティングツールとしては、ネットショップなどWebサービスの普及や、MAツールなどメール送信ができるマーケティングツールの増加に伴い拡大しつつあります。
そして、メールマーケティングの手法は進化しています。例えば、Webサイトのような見た目を実現でき、効果が高いとされているHTMLメールが簡単に作成できるようになりました。ステップメール・ターゲティングメール・シナリオメールといった、より一人一人にあった内容を自動で送る手法も普及しています。
このようにさまざまな用途・可能性のあるメールマーケティングは、ビジネスには欠かせない1つの手法として定着・拡大しています。
メールマーケティングとメルマガは違う?
メルマガは、メールマーケティングの1つの手法です。
メルマガの特徴は1対多数の一斉メールを定期的に送る手法です。ステップメール・シナリオメールなど状況に応じて1対1のように送るメールとは異なります。
主な目的は配信したメールにて売上や問合せを増やすことが一般的ですが、顧客への接点を途切れさせないよう定期的に配信することで、ニーズが高まった時に想起されやすくなる効果もあります。また継続して情報を送ることで、顧客の商品理解・ブランド好感度を上げファン化につなげることが期待できます。そのため、メルマガは継続的に配信することが大切で、メールマーケティングの中でも特に重要な手法です。
メールマーケティングの4つの効果とメリット
メールマーケティングは用途によりさまざまなメリットがありますが、大きく分けると4つあります。
コストが低く、費用対効果が高い!
ほかの広告媒体に比べてコストは低い傾向にあります。メール配信システムでは月数万アドレスに対してメールを送る場合でも、月額コストは数万円程度で収まります。
効果の面では、メールマーケティングは一度何らかの接点があった顧客に対し送るため、すでに商品・サービスの認知があり、関心も一定程度あるため行動につながりやすい(CVRが高い)傾向にあります。
コストが低く売上などに繋がりやすいメールマーケティングは、費用対効果が高い手法です。
適切なアプローチで、機会損失の防止
顧客が最も興味や関心のあるタイミングでアプローチができれば購買や成約につながります。しかし、そのタイミングがいつ訪れるのかは分かりません。定期的な接点を作れるメルマガや、行動を起点に送るシナリオメール・トリガーメールなどを使用することで、ニーズが高まった時にメールを送ることができるため、アプローチができなかったために失注してしまう機会損失を防止することが期待できます。
以前まではタイミングに合わせた分析・アプローチの機能はMA(マーケティングオートメーション)ツールが得意とする内容でしたが、今ではメール配信システムでも利用できるため比較的簡単に始めることができます。
効果測定や分析ができるため、科学的な効果の改善や他施策にも
メールマーケティングでは、開封率・クリック率・コンバージョン率などのデータを取得することができ、ABテストもできるため、数値に基づいた分析・改善ができます。Webサイトでの閲覧状況を追うなど、その他のツールも併用すればさらなる効果測定もできます。
例えば、季節代わりのタイミングのメルマガで、「時期の過ぎた商品のセール」か、次の季節に合った「新着商品のメルマガ」どちらが良いのかをABテストにて検証することで、メルマガの改善だけでなく、店舗でどちらを売り出すべきかの参考調査となり、メールに限らない施策の改善に繋がります。
顧客属性・状況に合わせて訴求することができる
マス広告では顧客属性・状況に合わせた訴求はほぼできません。ターゲティングの精度が高いWeb広告でも、クッキー規制などにより限界があります。
対してメールマーケティングでは、持っている顧客データを活用することができるため、細かい顧客属性・状況に合わせて訴求ができます。
例えば「男性の旅行好きの人だけ」のようにセグメントを絞った配信や、開封の有無などメールの閲覧状況に合わせたシナリオメールにて顧客属性・状況に合わせた訴求をすることができます。
メールマーケティングのデメリット
費用対効果は高いが、メール1回の売上インパクトは大きくない
メールマーケティングは、アドレスを知らない非認知層へのアプローチはできないため、送信できる数に上限があります。そのため、テレビCMや大規模なWeb広告と比べ、1回のメールで大きな売上を上げることは難しいです。
しかし、週1回など高頻度で送るメルマガや、条件にあった人に対して送る手法など、継続して送信していくことでトータルの売上は大きくなるでしょう。
またBtoBではメールを送った後に架電するなど、各施策を連携することで間接的な効果を上げることができます。それぞれの役割・特長を踏まえて施策を行うとよいでしょう。
メール内容の検討・制作に手間がかかる
定期的に送るメルマガでは、毎回のメール内容の検討・制作を行う必要があり、ネタ切れを起こさないような工夫が必要です。特に送ることが目的となり、内容の質が落ちてしまうことで迷惑メールと感じる人が増えてしまう懸念もあります。
またフォローメールやシナリオメールは、一度メール文章を考えれば自動で配信されますが、定期的な内容の改修で、効果維持・改善する必要があります。
ただし、毎回どのようなコンテンツが顧客にとって有益かユーザー視点で考え、テストできるという面では、社内に知見が溜まり他の施策へもよい影響を与えることができるでしょう。
個人情報を送るため、セキュリティ対策をしなければならない
メールマーケティングは、多くのアドレスや名前などの個人情報を取り扱います。そしてメールは誤送信が度々起こるツールであるため、セキュリティ対策をしっかり行う必要があります。
特にヒューマンエラーが起きやすいBCCを活用した送信や、アドレスをExcelやスプレッドシートなどで管理は特に注意が必要で、極力避けたほうがよいでしょう。
一方、メール配信システムを活用すれば、顧客関係管理ツールであるCRMとAPI連携を行うことや、送信時の承認機能・ログイン時の2要素認証など、セキュリティ対策がしっかり行われているツールも多くあります。
メールマーケティングの手法種類は?
メールマーケティングといってもどのような種類があるのでしょうか。
目的や状況により手法が異なってきます。代表的な5種類をご紹介します。
- メールマガジン
- ステップメール(フォローアップメール)
- シナリオメール
- ターゲティングメール(セグメントメール)
- リターゲティングメール(トリガーメール)
①メルマガ:ファン化・常連化につなげる
メルマガ(メールマガジン)はニュース・キャンペーンなど発信側が届けたい情報を対象の顧客に対して定期的に一斉送信するメールのことです。送信時間や頻度は発信側が自由に決められ、時間は早朝から夕方まで、頻度は週1回程度から毎日送るなど、企業によってさまざまです。
定期的に送ることで受信側の企業・商品への理解が深まり、ファン・常連化につながることが期待できることや、ニーズが高まった際に想起される確率が上がります。
一方で、1通のメールを多数に送るため、求めていない情報の提供や送りすぎにより、迷惑になってしまう場合もあります。どういう情報を、どういう頻度、タイミングで送るか受信者側の状況も踏まえて送信するとよいでしょう。
②ステップメール:自動で適切なフォローを
会員登録・商品購入など、特定の行動を行った顧客に対し、設定しておいたステップに沿ってメールを自動配信することです。顧客1人1人の状況に合わせたタイミングの良いメールを自動で行うことで効率的なフォローアップが可能です。
送付日 | 内容 |
---|---|
1日後 | XX商品をご購入頂き、ありがとうございます。 |
3日後 | XX商品をご購入された方へオススメ商品をご紹介します。 |
7日後 | XX商品の優待情報です。 |
購入や問合せ後の想定されるタイミングに合わせて、他商品の購入や、再購入を促すメールを送ることで次のアクションに繋げます。同条件であれば同じステップメールを送ることになるため、定量的な効果検証・改善が可能です。
③シナリオメール:one to oneメールでキメ細かい提案を
シナリオメールとはメールの閲覧状況(開封・クリック)に応じて事前に作成したメールを自動で配信する手法のことです。より顧客の状況にあったメールを送ることができるため、1対1で送っているような私信感を出すことができます。
ステップメールとの違いは、行動が発生した後の流れです。ステップメールは、あらかじめ決められたステップに沿って複数のメールが送られるのに対して、シナリオメールはユーザー行動によって送るメールの内容や数が変わる配信手法です。そのため、ステップメールより、きめ細かいメール訴求が可能です。
またユーザー行動に併せたシナリオ配信機能により、退会・解除者を下げ、高い開封・クリック・コンバージョン率を期待することができます。
④ターゲティングメール(セグメントメール)
ターゲティングメールとは条件に合致したターゲット(セグメント)に対してのみメールを送る手法です。例えば以下のような活用方法があります。
- 東京に住んでいる人に対して、東京限定のセール情報のメール
- アクション映画が好きな人に対して、新作のアクション映画の公開情報を送る
一部の人にオススメの情報を訴求する場合、関係ない・興味のない人に送ってしまうと迷惑メール扱いや、解約・ブランド毀損につながりかねないため、セグメントを絞った配信が重要です。
特に2024年2月よりGmail宛てに送るメルマガなどの広告メールのうち、迷惑メール報告をされる率が0.3%を上回ると、Gmail宛てのメールが正しく届けられなくなる可能性があります。対象が限定されるメルマガを配信するときには、なるべくセグメントを分けて配信しましょう。
⑤リターゲティングメール(トリガーメール)
ユーザーの自社サービスサイトの行動状況など一定の条件(トリガー)に達した人に対して送るメールのことを指します。カゴ落ちメールや、休眠顧客の掘り起こしメールなども含まれます。
具体的には以下のようなケースで使用されます。
- ある商品ページを見た人に、キャンペーンメールを送る
- ECサイトでカートに商品を入れたまま離脱した人に購入を促すメールを送る
- 解約ページを訪れるなど解約を検討した人などに対して、解約防止するためのキャンペーンなどを送る
- 久しくアクセスしていない人に対して、掘り起こしメールを送る
適切なタイミングで適切な内容を送ることができれば高い効果を発揮できるかもしれません。ただし、過度に送りすぎると受信者側は監視されているような不信感を与えてしまいますので配慮が必要です。
シナリオメールとトリガーメールの違いは?
シナリオメールと似ていますが、起点が異なります。シナリオメールは主にメールの閲覧状況を起点にして再度メールを送る手法です。対してリターゲティングメール(トリガーメール)は、Webサイトの閲覧状況を起点としてメールを送る手法です。そのため、リターゲティングメールの閲覧状況に応じて、シナリオメールを送るなど、手法をミックスすることで効果を上げられます。
効果的なメールマーケティングの始め方(実施方法)
これからメールマーケティングを実施するにためには、以下の順番が必要です。
- 誰に、何のために、どんな内容
- 使用するツールを決める
- 目標を設定する
- 配信リスト作成・集める
- メールを作成する
- メール送信後の検証
①「誰に、何のために、どんな内容」を明確にする
メールマーケティングを行う前には「誰に(ターゲット)、何のために(目的)、どんな内容を送るか」を明確にしましょう。
ターゲットを明確にすることで、より購読者が興味をひく内容を送ることができます。目的を明確にすることで、「読まれたらOK」「週1回送っていればよい」など目的がブレることを抑えられます。またメルマガを中心にネタギレを起こすと方向性がブレやすくなるため、あらかじめ送る内容を決めることが大切です。
- 誰にメール配信をするのか
自社製品を導入する企業はどのような業界でどのような人?商品を購入してくれる人はどのような人? - 何のためにメール配信をするのか
認知拡大・資料請求・セミナー参加・商品購入 - どんな内容?
新商品の案内、キャンペーン案内、商品紹介、セミナー開催情報など
②使用するツールを決める
メールマーケティングを行う場合には、メール配信システムなど専用のツールの導入が必要です。
普段ビジネスで使用しているメーラーでもメール配信することは不可能ではありません。ただし、1日に配信できる上限がある可能性や、配信停止を受け付ける仕組みがないため、特定電子メール法に準拠する機能を1から作成する必要があります。またBCCではなくCCに入れてしまうことによる個人情報流出のリスクがあるため、ツール導入はほぼ必須と言えます。
ツール選定時には、使いやすさや機能の豊富さだけではなく、セキュリティの安全性・メールの配信速度・到達率の高さ、そしてサポート対応の状況を確認しましょう。
メール配信は、送る数が増えると遅延の発生や、到達しないケースが増えます。またメールアドレスを含む個人情報を取り扱うため、使用するサービスのセキュリティ体制は重要です。
メール配信システム比較!機能やサービス比較、目的別の選び方。
③目標を設定する
メールマーケティングは、PDCAを回して改善することで効果を最大化できるため、目標の設定は重要です。
まず、売上をどの程度上げたい・増やしたいかの数字を決めましょう。
その数値を達成するために逆算して以下の数値考えます。ただし、最初は平均的な水準を目指すところから始めましょう。配信できるメールアドレス数に対して、平均的なクリック率やコンバージョン率に売上単価を掛け合わせた数字を目指すと良いでしょう。
- コンバージョン率(問合せ率):メルマガ経由で購入・問合せなどをした数
- クリック率:メルマガを受信した人のうち、メール内のURLをクリックした数
- メールの開封率:メルマガを受信した人のうち、開封した数
メルマガのKPI設定と運用・改善方法について
④配信リスト作成・集める
送信するリストを作成します。ここで注意したい点が特定電子メール法です。「迷惑メール」を規制するために、広告や宣伝を伴うメールを送る場合には、受信者より承諾を得なければなりません。
そのため、顧客リストなどアドレスを多く所持していても、承諾がない場合には送ることはできません。今後、購入・問合せ・資料請求などを行うフォームには、メルマガ購読の同意・承諾を得る表示をして配信できるアドレスを集めましょう。
メルマガ登録してもらうフォームでは、入力項目が多いほどセグメントメールなどに役立てることができますが、登録することが面倒になってしまう機会損失が発生する可能性があります。最低限どのような情報が欲しいかを検討して取得するとよいでしょう。
特定電子メール法とは?メルマガ運用で注意すべきポイントを解説
⑤メールを作成する
文字だけの内容であるTEXTメールと、画像や見た目のデザインができるHTMLメールがあります。昨今では、HTMLメールを使用したメールマーケティングが一般的になっています。
TEXTメールと比べ、開封率を取得できることに加え、画像を設置することにより伝えられる情報量が飛躍的に上がります。メール配信システムでは、専門知識不要でHTMLメールを作成できるエディター機能が搭載されていますので、できるかぎり活用することをオススメします。
多くの企業がHTMLメールを活用!
HTMLのみ | 57.9% |
---|---|
HTML/テキスト併用 | 34.2% |
TEXTのみ | 7.9% |
2024年秋に国内EC(ネット通販)事業者の売上高上位50社を対象に調査を行った当社の独自調査では、HTMLメールを送っている割合はテキスト併用を含めると全体の90%以上に達しております。これは年々増加傾向で、特にEC関連を行っている企業にとっては、HTMLメールを送ることは当たり前の時代と言えます。
また2023年の同調査ではHTML/テキスト併用が30.8%となっており、4%ほど増えています。HTMLメールが基本であるものの、私信感を出すことに向いているテキストメールを併用する動きもあります。
メールは、タイトル・件名が重要!
メールは読まれなければ意味がないため、「タイトル・件名」は非常に重要です。
件名は一瞬で内容を理解し読むメリットが伝わるよう、なるべく冒頭の14文字以内に重要な内容を記載しましょう。14文字は内容を認識できる文字数と言われています。
例えば「〇名様限定」「〇日まで開催中」「〇%OFFクーポン」など数字を含めることや、「〇〇が好きな方必見」といったパーソナル感や「速報!」など新鮮感を出すのもよいでしょう。
【メルマガのテンプレート】成果につながる作成方法は?
⑥メール送信後の検証・PDCAを回す
内容を工夫してメールを送って終わりではありません。送信後の検証も重要になってきます。
そもそも送信がきちんと成功されたのか、送ったメールの開封率、リンクのクリック率、などの数値を確認しましょう。
最終的にはコンバージョン率=売上の向上ですが、その前に至る数値を確認・改善することでメールの質をあげていくことができます。ABテストで、タイトルの書き方を変えてみたり、どちらのメール内容が良いのか、配信日時や属性によって効果が変わるのかなどを検証するとよいでしょう。
メールマーケティング確認すべき、KPIとは?
メールマーケティングで確認できる指標は多々あるものの、実際に見るべき指標=KPIは、以下の5つで十分でしょう。
到達率
到達率とは、送ったメールの総数における、送信先のメールサーバーに届いた割合で、 目安は90%以上です。メールは相手に届かなければ意味がないため、限りなく100%を目指す必要があります。
到達率が低い場合には、宛先をランダムに送っているスパム業者と認識されてしまう可能性があります。到達率の高いメール配信システムを活用することや、送信先のアドレスが変わっているなど、到達しない場合には配信リストから除外するなど、到達率を上げる工夫が必要です。
開封率
開封率は、送信したメールのうち開かれたメールの割合です。
開封数 ÷ 有効配信数(ユーザーに届いたメールの数)×100(%)
開封率の目安は20%ですが、業界や送る内容により大きく変わります。開封率を改善するためには、「メールの件名」が非常に重要です。効果の良いとされるメルマガを参考にしたり、ABテストを繰り返し、改善していきましょう。
クリック率
クリック率は、送信したメールのうち、メルマガ本文に記載されたURLをクリックされた割合です。
URLがクリックされた数÷総配信数×100=クリック率
クリック率の目安は2%です。ただし、開封率と同じく業界や送る内容によって大きく変わります。クリック率を改善するためには、メールの中身を魅力的にすること、メール内のリンクの場所が明確であること、リンク先が安全でありどんなサイト・ページなのかメールでわかることが大切です。
コンバージョン率
コンバージョンとは変換・転換のことで、サイトに訪れたうち、購買や資料請求など行った数を指すことが一般的です。メルマガのコンバージョン率は、メルマガ経由で購買や資料請求などを行った率で、出し方には主に2通りあります。
メルマガを送った人数からのコンバージョン率
コンバージョン数÷総配信数×100 =コンバージョン率
クリックした人数からのコンバージョン率
コンバージョン数÷クリック数×100 =コンバージョン率
メルマガのコンバージョン率の目安は、メルマガを送った人数から割るとおおよそ1%です。コンバージョン率を上げるためには、メルマガ内容とリンク先の内容が一致していることに加え、リンク先のページ内容が大きく影響します。
解約率・購読解除率
メルマガなど広告メールの送付に対して停止希望や解約対応を行った率のことです。
解除率(%)=配信停止数÷メール到達数×100
目安は0.1~0.5%程度です。解約率を下げるためには、購読者にとってより有益な情報を伝えること、確実にメルマガ登録したことを認識してもらうようにすることです。
ただし、解約率は0.5%以上だとしても、全体に対してはごく少数です。過度に気にしすぎる必要はありません。一方、解約ではなく迷惑メール報告やフォルダに移動される割合が多い場合には、スパム認定をされてしまうため注意が必要です。
メールマーケティング成功のコツ・ポイント
Webサイトに訪れさせることを心掛ける
メール経由ではなく「メールのみ」で購買してもらうことや、行動を起こしてもらうことは基本的にできません。 そのため、メールマーケティングで送るメールは、クリックしてもらうことが非常に重要です。
良い内容メルマガを目指すのではなく、クリックしてもらえるメルマガを目指すことをオススメします。クリックした先のページで、より理解してもらうためのコンテンツ作りや、購買に誘導しやすい設計を考えていきましょう。
効果測定を確実に行うこと
メルマガを中心にメールマーケティングで送ったメールは、開封率・クリック率・コンバージョン率など主要なデータは必ず測定し、分析・改善を行っていきましょう。
分析するときは、単に数字でよかった・悪かっただけではなく以下のポイントで確認しましょう。
- メールの内容そのものはどうだったか
- メールの件名の書き方はどうたったか
- 送るタイミング・時間はどうだったか
特にメールの内容は良くとも、メールの件名に課題があり、内容の良さが伝わっていない場合があります。「開封率が低かったから=メルマガ自体が悪い」ではなく、その先のどのポイントが悪かったのかも分析してみましょう。
メールマーケティングでよくある質問
メルマガの配信頻度はどうすればよい?
一般的には1週間に1回程度が良いでしょう。ただし、BtoBビジネスを行っている企業では1日1回、また1日数回送っているような企業もあります。
大切なのは、送る頻度ではなく内容です。読者にとって有益な情報が多いのであれば、配信頻度を上げても良いでしょう。一方で、ただ商品を売る・知ってもらうためで、似たような内容を連続で送るなど読者にとって有益ではない場合、1か月に1回でも多いと言えます。
メルマガの配信時間はどうすればよい?
基本的な考え方として「読者がメールを確認できるタイミングにおいて、メールフォルダの一番上=最新になる時間」です。最初に目に留まるため、開封されやすくなります。
例えば、電車通勤のビジネスマンであれば、電車に乗るタイミングが良いでしょう。朝7~8時頃か、夕方17~20時などでしょう。メルマガ購読者のうち、一番多いタイプに合わせて検討してみましょう。
メルマガはネタ切れしてしまう。どうすればよい?
メルマガを継続的に行う場合の代表的な悩みに「ネタ切れ」があります。読者への有益性を維持することや迷惑メール率を上げないためには、無理に送る必要が無いという前提はあります。
しかし、定期的に送りたいという場合には主に2つあります。
- ・ランキングや新商品情報など、内容を差し替えるのみの特集を作る
- ・効果の高かったメルマガを再利用する
人気商品ランキング、よく読まれた記事ランキングなど更新されていくものは、内容を修正するのみで継続的に使い回すことができます。ただし、内容が全く変わらない場合には読者が飽きてしまう可能性があるため、注意しましょう。
また1年前などで効果の良かったメルマガを、再利用することもオススメです。効果が良い=読者にとって有益であったことから、改めて送ることで似たような結果を得られる可能性があります。
メールマーケティングでの事例
1回のメルマガでホワイトペーパーのDLが20名以上!
メール配信システム「CuenoteFC」含めたCuenoteシリーズを提供している自社でもメールマーケティングを行っています。
その中で、当記事も紹介しているメールマーケティング完全ガイドブックというホワイトペーパーの案内をメルマガでアナウンスしたところ、1回のメルマガで20名以上のダウンロードを頂きました。その後も、数回のメルマガで100名以上のダウンロードを頂いています。
弊社のメルマガを購読いただいている方は、そもそもメルマガやメールマーケティングに関心がある方が多いからこその反響と言えます。このようにメルマガは、既に自社の商品・またそのカテゴリに興味がある人に対して集中的にアプローチができるため、高い費用対効果を出すことができます。
メール配信経由でのWebサイトへのアクセスが約2.5倍に
Cuenote FCの運用を開始してからちょうど1年経ちますが、HTMLメールを作成しやすくなった結果、テキストメールだけ送信していた頃に比べ、メール配信経由でのWebサイトへのアクセスが約2.5倍に増えました。Web経由の問い合わせ件数も前年比2倍ほどになっています。掲載する情報量もHTMLメールの方が多く伝わっている実感があり、ホワイトペーパーのダウンロード件数も増えています。
引用元:株式会社クエスト 様事例
HTMLメールは、画像を配置することで視覚的情報を送ることができます。特に飲食やアパレルなど見た目が重視されるものは、文章を読まずとも内容を伝えられるため、高い効果を得られます。
HTMLメールに設置すべき画像は、Youtubeやブログバナーなどにあるサムネや図を参考にすると良いでしょう。
メルマガ経由での登録が従来の約2倍
数ヶ月前から、新規顧客獲得施策としてステップメールの利用を始めたのですが、メルマガ経由での登録が従来の約2倍、月によっては4倍程度になるなど、大きな効果を実感しています。申し込みから7日後、10日後、14日後とステップメールを行うことで機会損失を防ぎ、獲得すべきお客様をフォローできるようになりました。新規会員獲得は売上に直結するため、非常に満足しています。
また、これまで新規獲得に力を入れざるを得なかった状況がありましたが、ステップメールの導入によって効率化されたことで、既存会員様への情報提供といったサービスの拡充ができると思っています。
引用元:株式会社新学社様事例
ステップメールは、営業では行うことが大変な、素早くキメ細かい連絡を行えるため非常に有効です。問合せ後、電話がつながらず時間が立ってしまうケースでも、ステップメールがフォローの役目を果たします。また電話で伝えられないことを伝えることもできます。
メールマーケティングを行うためのコスト(費用)は?
メールマーケティングのコストに関しては、主に3つに分類されます。
①メール配信コスト
メールマーケティングを行うためには、さまざまな機能・効果検証が必須です。
そのためには、メール配信システムなど専用のツールの導入が必要です。
特にメールは届かない問題や、遅れて届いてしまう遅延の問題があります。大量のメールを高速に送り、確実に届けるためにはシステムの導入が不可欠です。
- メール配信なら、月額5,000円~程度から
- MAツールなら、月額10万円~程度
②リスト生成コスト
メルマガ登録をしてもらうための販促費用です。登録フォームに誘導する広告であったり、イベント実施費用等です。ECサイトなどでは購入・問合せと合わせてメルマガ登録の誘導を行うことで、コストを抑えられます。
③メール運用コスト
メールを実際に配信するコンテンツ作成や人件費です。
メールコンテンツを外部に委託するのか自社で作成するのかでも運用コストが変わってきます。どこでコストを抑えられるか、闇雲にコスト削減をするのではなく効果をだせるポイントを洗い出して精査するのが良いと思います。
メールマーケティングを実施するために必要な機能
メールマーケティングの種類や手法について触れてきましたが、実施するためには配信するために伴った機能、管理するツールが必要です。
今回はメール配信システムをはじめとする、配信ツールの代表的な機能について紹介します。
HTMLメールエディター機能
Webサイトのように、装飾や画像を組み込んだデザイン性の高いHTMLメールは、本来HTMLというコードを書く専門知識が必要で、作成には時間がかかります。
しかし、HTMLメールエディターがあれば、専門知識不要で感覚的にHTMLメールを作ることができ、コードを書くより時間短縮につながります。
グルーピング機能
性別・年齢などセグメント(属性)を分けることや、該当する属性を抽出したメールを送るときに必要です。
またグルーピング機能があった場合に、and条件・or条件両方使用できるのかもポイントです。and条件は、「30代かつ(and)男性」のような抽出です。or条件は、「東京在住、もしくは(or)神奈川在住」などの抽出です。
1to1のようなキメ細かいマーケティングが求められる時代において、セグメントの精度によって、メールマーケティングの効果も大きく変わります。
分析機能
シナリオメールを送る際には、開封やクリックに応じて配信内容が変わるので条件となる開封率やクリック率などを分析する機能が必要となります。送ったメールに対して、ユーザーがどのように反応してくれているか把握できるのでマーケティングデータとして蓄積することができます。
ツール導入時に確認しておきたい2つの性能
メールマーケティングを行う上では、確実に速く届けることが求められます。そのうえで以下2つの性能は確認しましょう。
メールの到達率の高さ
メールの到達率の高さは、メール配信するシステムに影響する面も多くあります。そして、メールの到達率を上げることは、その後の開封数・クリック数を増やすことにもつながるため、メールマーケティングの効果にも影響を及ぼします。
送信するツールやシステムによって到達率が変わる理由とは
メールは、本来1対1などでメッセージのやり取りを行うツールです。そのため、大量にメールを送ることは、悪意のあるメール=スパムメールと認識され、受信者側のメールサーバーにてブロックされ届かなくなる可能性があります。
しかし、メルマガなどは大量に送る必要があるため、スパムと認識されないよう対策や配慮しながら高速で送る必要があります。
ただし、メール配信システムを選定するさいには、到達率は相手のアドレスの状況などシステム以外も影響することから数字として公表している企業は少ないため、導入実績などを見て確認しましょう。
配信リストのクリーニング機能もチェック
また定期的に発生するエラーアドレスを配信先のリストからクリーニングする機能があるか確認しましょう。メールにはIPレピュテーションと呼ばれる送信元のドメインが信頼できるか評価をされています。エラーアドレスに対して大量にメールを送っていると評価が下がり、本来届く人に対しても届かなくなる可能性があります。
配信スピード
高速道路にたくさんの車が走っていると渋滞するように、メールも大量に送ると遅延が発生します。
キャンペーンやイベントの情報はタイムリーに顧客に届けなければ意味がありません。
配信に時間がかかれば顧客体験が低下するだけでなく、クレームに繋がるリスクもあります。配信性能は確認しましょう。
また配信までに要する配信アドレスのアップロード、読み込みも早いツールを使うことでマーケティング業務の負担も軽減されます。
おすすめのメール配信システム
メールマーケティングには、前述した通り優れた配信機能とマーケティング機能が必要になります。
メール配信システムは多数ありますが、その中でも「CuenoteFC」は、月額5,000円~利用でき、メール配信スピードと配信実績は国内最大クラスです。簡単な操作性と使いやすいダッシュボードを備えており、顧客のリスト管理、カスタマイズ可能なテンプレート、追跡機能、A/Bテスト、分析ツール、キャンペーンスケジューリングなどの機能があります。
また、競合他社と比較してリーズナブルな価格帯も魅力のひとつです。CuenoteFCは、継続的な顧客エンゲージメントの確保と、ROIを最大化するための効果的なメールマーケティング戦略の実現において、おすすめのツールのひとつです。
メルマガとLINEやSNSとの役割の違いは?
2024年11月に当社で行ったSNSとメルマガの閲覧状況を調査の中で、「企業のメルマガ登録・SNSのフォローをしたいと思うのはどんな時か教えてください。※複数回答可」という質問を行いました。その結果の一部ですが、以下の通りになっています。
セール・クーポンなど の情報がある | 新製品・サービス・新着ニュースなど の最新情報がある | |
---|---|---|
メルマガ | 63.2% | 50.5% |
X | 38.4% | 47.9% |
LINE | 52.8% | 36.6% |
29.4% | 40.9% | |
27.0% | 37.8% | |
TikTok | 26.7% | 35.6% |
Youtube | 23.5% | 34.7% |
ブランド・商品の特徴やこだわりの投稿 | おもしろい投稿が多い | |
---|---|---|
メルマガ | 23.4% | 18.0% |
X | 21.6% | 25.1% |
LINE | 18.2% | 17.2% |
32.7% | 30.7% | |
29.7% | 27.0% | |
TikTok | 28.2% | 38.6% |
Youtube | 27.1% | 41.9% |
※N数 メルマガ:410 X:630 LINE:743 Instagram:462 Facebook:222 TikTok:202 YouTube:472
セール・クーポン情報や、新製品サービス情報など、売上に直結しやすい項目においては、メルマガが突出して多い結果になりました。セール・クーポンではLINEも多い傾向にあります。一方、ブランドや商品の特徴などより詳しく知りたいという点においては、Instagramが高い結果になっています。
各SNSでは、ブランド力向上やより商品を知ってもらうための認知活動を行うことが良いものの、一度接点を持った顧客に対して商品などを提案する場合にはメルマガが一番効果が出やすい可能性があります。
当データの調査:メルマガ・SNSユーザー実態調査のダウンロードはこちらから
メールマーケティングの2024年の振り返り
なりすまし防止のための認証がより求められた
受信者が安心してメールを購読してもらうために、なりすましメールを防止することが必要です。そのため、メールが確実に正しい送信元から送られているかを確認するSPF認証やDKIM認証に加え、DMARCと呼ばれる対応がほぼ必須となってきました。
現時点で使用しているメールマーケティングツールが対応されていない場合には対応するか、対応しているツールに変更を検討しましょう。
Gmail送信者ガイドラインでは、メールを送信する送信者に対して、SPF・DKIM・DMARCなどのドメイン認証の対応を求める記載もされました。
2025年以降は、BIMIと呼ばれるDMARCで認証成功したメールにロゴを表示させる認証技術も普及する可能性があります。メールマーケティングの効果を最大化するためには、セキュリティ面の情報も取り入れていきましょう。当サイトでも新たな情報は掲載していきます。
【メルマガ担当者は対応必須!】Gmail送信者ガイドラインについてはコチラ >>
迷惑メールフォルダに移されないよう解約し易さを高める必要も!
同じくGmail送信者ガイドラインでは、迷惑メールと報告される率を以下のようにすることを求めています。
Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.10% 未満に維持し、迷惑メール率が決して 0.30% 以上にならないようにします
引用:Gmailメール送信者のガイドライン
これは送信したメルマガを迷惑メールに分類された件数の比率です。人数ベースにすると1,000人に1~3名という水準のため、達成するためには「不用意なメルマガ登録をさせない」「解約方法を分かりやすく」「有益なメルマガにする」など、よりユーザー目線に立ったメルマガ運営が大切です。
迷惑メールフォルダに入れたり報告するのは、登録の覚えがない時
2024年4月に当社が行った迷惑メールに伴う調査にて、「メールマガジンを迷惑メールフォルダに入れたり報告したりするのはどんな理由ですか?(複数回答可)」と全国の291名に調査したところ、「登録した覚えのないメールマガジンだったから」の理由が最も多い結果に。
アカウント作成と同時に登録の承諾を得るときは、分かりやすくしましょう。またどんなメールを送るのか登録画面に明記しましょう。その他、配信停止ができないことや面倒な場合にも迷惑メールフォルダに入れられてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
メールマーケティングの2025年は生成AI活用が広がる
近年、ChatGPTやGeminiなどAIの技術が飛躍的に高まり、テキストや画像の生成では高いパフォーマンスを発揮してきています。
メールマーケティングは、メールの件名や中身など文章を多く扱うため、生成AIとの相性が非常に良い状況です。またHTMLメールで使用するキャッチ画像なども生成AIの活用もできます。メールマーケティング担当者は必須のツールになっていくでしょう。
生成AIは案出しとして活用がオススメ
AI技術は発展しているものの、人間の心を動かす訴求ができるかは、まだ怪しい一面があります。そこで利用方法としては、送りたい内容からメールの件名・内容の案を出してもらうことをオススメします。案を元に、当記事にも紹介したメルマガ件名や内容のコツを担当者の目で微調整し調整します。そうすることで、効率的にメールを作成することができるでしょう。
他にも誤字脱字の確認などにも利用できます。
プロンプト(指示)の例
生成AIを活用する時は、目的やターゲット・どんな内容を伝えたいか具体的な前提情報を伝えたうえで、案を複数もらうことをオススメします。プロンプトの例は以下の通りです。
#メルマガの目的
-セミナー詳細ページに飛んで、登録してもらいたい
#ターゲット
-BtoB企業でメールマーケティングを行っている担当者
#紹介したいセミナーの内容
-〇〇に対する〇〇についての〇〇講座
#その他条件
メールマーケティングのまとめ
メールマーケティングについての概要やトレンドについてご紹介しました。
一度接点を持った顧客に対し、あらゆるタイミングでアプローチできるメールマーケティングは、唯一無二の役割になりつつあります。2024年も健在で今後もより活用が進んでいくことでしょう。今回紹介した事例やノウハウを積極的に取り入れ活用することで、高いメール配信効果を期待できます。
メールマーケティングはCuenoteFCで!
導入コスト、分析機能、HTMLメール、シナリオメールなど必要なことが多いように見えますが、必要な機能がすべて揃って始められるのがメール配信システム『Cuenote FC(キューノート エフシー)』です。月額5000円~利用できるので、気になる方はお問い合わせフォームよりご相談ください。
またメールマーケティングについて「もっと深く知りたい!」という方は下記のオレンジバナーより「メールマーケティング完全ガイドブック」のダウンロードをお願いします。フォームの入力が必要ですが、無料でダウンロード頂けます。
より具体的なメールマーケティングの改善方法など解説しています。