一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(以後、A-PAB)は、放送事業者をはじめ、テレビ受像機メーカー、アンテナメーカーなど、放送技術に関連する各社の代表が集まり組織されている業界団体。主な業務としては、技術に関する連携を中心に、放送サービス高度化に向けた各委員会や会議体、それらを支えるタスクフォースやワーキンググループを運営・管理している。
同団体では、2016年の発足以来、活動報告や業界関連ニュースをメールマガジンとして会員向けに発信。2023年4月より業務の効率化を目指し、メール配信システム「Cuenote FC」を導入した。その背景やシステム選択の決め手、実際の運用について広報・企画部 統括部長の南里憲孝氏、部長の挙市隆司氏に話を伺った。
挙市:「Cuenote FC」導入以前は、227社(2024年5月現在)の会員社約2,400名に、メールソフトを使いBccで直接配信していました。しかし、配信エラーが起きた際などに、発信元のinfoメールアドレス宛に毎回通知がいくつか来てしまうのです。当団体など、同アドレスを登録している関係者にも届いてしまいます。それが業務の妨げになっていました。
また、メールマガジンを配信する際も、システムの都合により一度には送れないので300~500人に分けて送信しなければならず、非常に手間だったことがあげられます。
挙市:導入にあたり、計4社にお声がけをしました。当初は、コスト面から外資系のサービスに決まりかけていたのですが、最後にネックになったのが個人情報保護法の問題です。当団体は、個人情報保護方針が厳しく定められていました。その側面では当初検討していたサービスでは要件を満たすことができませんでした。
そこからは対応可能な日本の会社に絞り、信頼性や価格面の優位点から「Cuenote FC」を導入することに決めました。また、ユミルリンク様のホームページに大手企業や自治体・官公庁の導入事例が数多く掲載されていたことも信頼性が高く、理事などの承認が得られたことに繋がっていると考えています。
挙市:とても使いやすいです。導入当初はうまくいかないことも多かったのですが、「Cuenote FC」はサポート窓口の対応が素晴らしいです。IT関連に限らず、サポート窓口といえば「ただいま電話が混み合っております」のアナウンスが流れることが多いですよね。そうはならず、電話をするとすぐに出て答えていただけます。わからない場合は、調べてから折り返してくれるので助かっています。
挙市:従来はテキストのみの記事が多かったですが、導入後はHTMLエディタを活用し、写真や図解を加えるなど、読みやすくなるための工夫をするようになりました。記事ごとにレイアウトを変えたいというご相談をしたときは、「ブロックごとにカラムの構成を自由に設定できる(以下、画像参照)」ということも教えてもらいました。そういう発見があるたびに、クリエイティビティが向上しているように感じます。
挙市:まず、メールマガジンに要する時間が、1/3以下になりました。
南里:現在は10程度の記事をまとめ、月に1回配信しています。以前は月2回だったのですが、「Cuenote FC」で「開封率」を分析した結果、前半と後半で開封率に乖離があることが分かったのです。それを踏まえて、2024年4月からは読まれる可能性が高い、月1回のタイミングのみ送ることになりました。
というのも、これまでは月の前半と後半に送っていましたが、開封率を見ると前半が約50%、後半が約30%という結果が続いたのです。つまり、内容ではなく時期が要因であると判明し、レスポンスの良い前半に絞ることにしました。結果的に業務の効率化にも貢献してくれましたし、現在も開封率50%という水準を維持しています。
私たちのメールマガジンでは、会員にとって必要な情報や知っておいてほしい情報が盛り込まれています。プロモーションではないですが、受信者のフォルダには一般的なプロモーションのメールマガジンも数多く届いているという前提を考えると、嬉しい結果です。
A-PABという組織が会員社に伝えなければいけないこと、伝えた方が良いことをしっかり届けられる媒体に成長したと感じています。
南里:サポート体制の充実もあり、ITリテラシーが高くない方でも使いこなせるシステム
であることがわかりました。そういった意味で、Webマーケティングに人員もお金もかけられないけれど、何かしらデジタルでリーチしたい会社におすすめです。当団体は平均年齢が高いのですが、何かあればサポートしていただけるという安心感で問題なく使えているので、そういう会社や団体にもおすすめしたいですね。挙市:現在はメールマガジンでのみ使用していますが、今後は各委員会の議事録の配信など、数十名の担当者向けのメールにも活用できればと考えています。
また、メルマガ購読を希望された方の受付をおこなう関係で、現在は配信リストの追加・削除を手作業で行っていますが、API連携をすれば一部作業が自動化できることが分かりました。今後も必要なタイミングで打合せを行い、より便利に、効率的にシステムを活用できればと思います。