龍谷大学は、浄土真宗の精神を基盤に「共生(ともいき)」を重んじる総合大学として、京都・滋賀の3キャンパスに2万人を超える学生が在籍している。
同大学では、全学的に業務効率化やDX推進を進めており、その取り組みの一環として、学生への各種連絡業務の効率化に着目した。特に入学予定者への連絡は、従来、電話中心であった学生連絡を「Cuenote SMS」の導入により効率化し、コスト削減と職員の業務負担軽減を実現。本記事では、Cuenote SMSがもたらした具体的な成果について、業務改善推進室の瀧下 昌学氏にお話を伺った。
瀧下:龍谷大学では、これまで学生へのリマインド連絡や通知手段として、電話を主軸に運用していました。しかしこの手法は職員の業務負担となっている点が課題でした。特に年間約5,000名の新入生を迎え、その3倍以上に及ぶ出願者に対応する入試・入学手続きの時期には、学生や保護者に対する重要連絡を約500件おこなう必要があるなど、業務負荷がかかっていました。
重要な入学手続きや履修登録に関する連絡は、厳密な期限が設定されているため、学生の将来を左右しかねない極めて重要性・緊急性の高い情報です。これらが伝達されないことのリスクは非常に大きいため、より確実に連絡を取る手段として1件ずつ架電するという方法をとっていましたが、職員の時間外労働や休日出勤が必要なこともあり、業務効率化が課題となっていました。
このような状況を受けて、さまざまな手段を検討する中で案の一つとして挙がったのが「SMS配信サービス」の活用でした。
SMS配信サービス導入にあたり最も重視したのは、学生への重要な連絡を迅速・確実に届けられる手段であることです。届かなければ意味がないですし、そのうえで着眼率が高いツールを選びたいと考えていました。本学では学籍情報の管理において、携帯電話番号を必ず登録させています。メールアドレスは変わる可能性がありますが、携帯電話番号はそうそう変更されることはなく、SMSなら確実に届くと考えました。
さらに、コスト面も重要な選定基準でした。1件あたりの単価が電話連絡と比較して安価である点は、大規模な学生数を持つ大学にとって無視できないメリットであり、費用対効果の高さに繋がると考えました。
SMS配信サービスの導入を検討していたころ、他社も含め2~3社に資料請求して話を伺いました。同時期に学内の別部門で奨学金関連の連絡手段としてCuenote SMSが活用されていることを知り、ユミルリンク社のことも知りました。
運用のしやすさと機能面、コストパフォーマンスのバランスかなと考えています。
まず直感的に操作できるユーザーインターフェースは、マニュアルがなくてもスムーズに利用できる点で評価しました。
また、「ワークエリア機能(複数部門管理機能)」という機能もメリットを感じました。
本学には約70の部署が存在し、それぞれが異なる窓口で学生対応を行っているため、同一契約内で各部署が独立して連絡業務を管理・運用できる環境が望ましい形でした。
ワークエリアを分ければ、部署ごとに承認フローを設定することができるため、各部の責任者が適切な情報を確認できる点も良かったです。
そのように必要な機能が備わっており、コストも現状の運用よりも抑えられる見込みがあったので、導入に至りました。

連絡の到達率が非常に高く、学生からの反応も早くなりました。特に入学手続きの不備者への連絡については、対応完了までの時間が大幅に削減されました。
これまで手続きに不備があった入学予定者への電話連絡は約500件ほどで、その対応に5日を要していました。Cuenote SMS導入後は、1時間程度の配信作業で完了するようになりました。これは、連絡業務にかかる時間が98%削減されたこととなります。
またコスト面でも電話料金と比べてSMSは1件あたり2〜3円ほど削減できています。さらに、職員の時間外勤務や休日対応が削減でき、ワークライフバランスの改善に大きく寄与しています。
入学手続きが始まる3月以前には運用を開始したいと考え、2024年11月頃にユミルリンクから提案を受けました。学内で運用ルールの整備などを含め、約2ヶ月のテスト運用を経て、翌年2月から新入生の手続きや受験対応で活用を始め、本格稼働に至りました。
導入前後のサポートも手厚く、困ったことはすぐに確認できたため、運用開始までスムーズに進みました。
「簡単に使える」「学生からの反応が早くなった」「確実に連絡できるので安心」といった評価が多く、マニュアルもわかりやすいと感じています。時折、操作方法や仕様についての質問がありますが、それ以外の問い合わせはほとんどありません。
現在、主に教学部門と経理部門が教学、入試、経理の連絡にCuenote SMSを活用していますが、今後はキャリアセンターや学生対応を行う他の部署にも横展開していきたいと考えています。また、災害発生時の安否確認や緊急時の連絡体制にも活用できればと思っています。今後は利用状況を踏まえ、年度末に向けて予算確保や他部署への横展開をさらに推進していく予定です。
大学では学生に対する連絡手段として、SMSは確実で早い連絡手段として非常に有効です。特に緊急性の高い事項の連絡や不備対応については、職員の負担を大きく軽減してくれます。電話に比べてコスト面と業務効率面の双方で効果を実感していますので、学生対応の改善を検討している大学にはCuenote SMSは強くお勧めできるツールだと思います。