Google、「Gmail」のリニューアルを発表。メールをはじめとした「コミュニケーションハブ」へ進化
米Googleは現地時間の15日、Webメールアプリケーションである「Gmail」のリニューアルを発表しました。1つのアプリケーションからメールは勿論、ファイル共有、チャット、進捗管理、Webミーティング(ビデオ会議)等ビジネスで必要なツール・チャネルへワンストップでアクセスできるプラットフォームへの進化を志向したもので、ビジネス利用の促進に資するアップデートとして注目されています。
新型コロナウイルスの感染拡大により「アプリの統合」を推進
今回の統合により、Gmailと、自社で提供している「Meet」(ビデオ会議ツール)、「Chat」、「Room」(グループチャットツール)等のコミュニケーションツールがGmailの受信トレイから直接アクセスできるようになります。リリースの中で、GoogleのJavier Soltero副社長はGmailの受信トレイについて「多くの人にとって仕事のスタートとなる地点」と位置づけ、コミュニケーションツールのハブとしての役目を持たせるのに相応しい場所であるとしています。
また同氏は、米国をはじめ全世界で拡大する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響に触れ、「柔軟な働き方が採り入れられる中、メール、チャット、ビデオ会議などチャネルが変わる毎にアプリを切り替えることが生産性の妨げになっている」というユーザーの声を紹介。オンライン上でのコラボレーションにあたっては、シームレスなアプリ体験が重要であると考え、今回の統合を行ったと説明しています。
「受信トレイ」をホームとすることで、メール利用に追い風?
「ニューノーマル」の追い風を受け、グループチャットやビデオ通話等のオンラインコミュニケーションツールが爆発的に普及する一方で、それらのツールを利用するためには個別にアプリをインストールしたり、ログイン操作を行ったりと手間が必要でした。今回の統合により、業務効率の改善は勿論のこと、プラットフォームの集約によりGmailの受信トレイにアクセスするユーザーや回数が増えることが想定され、メールマーケティングの追い風となることも考えられます。
当社の調査では、1日当たりのメルマガ受信数は最大で「59通」というデータがあります(EC事業者を対象とした調査結果)。日々多くのメール・メルマガが飛び交う時代にあって「読んでもらえるか」「開いてもらえるか」より先に、受信者に「見つけてもらえるか」かどうかが重要な時代となりつつあると言えるでしょう。
そうしたトレンドを鑑みると、今回の統合はGmailの受信トレイが「コミュニケーションハブ」として進化することを意味し、ユーザーがまずログインして目に触れるのも、そして戻ってくるホームポジションも受信トレイということになります。着目する回数が増えるほど新着メールとの接点も自ずから増えるため、メールによるコミュニケーションやプロモーションの有用性・効果の向上に繋がる期待があります。
(図1)Googleが実装した「AMP for Gmail」のユースケースに基づくイメージ。動的コンテンツの表示が可能となり、リアルタイムでの予約や空室状況などが確認できるようになった。
Googleでは以前から、Gmail上で動的コンテンツの閲覧が可能になる「AMP for Gmail」の実装や「Meet」メニューの追加など、ユーザーの直接的なリアクションをより容易にする改善が断続的に行われてきました。今回はメールの枠を超え、あらゆるチャネルを束ねることによるユーザー体験の進化を狙ったものでありますが、メールの受信トレイが「仕事のスタート地点」として位置付けられたことの意義は大きく、今後のさらなる展開・進化が注目されます。
おわりに
今回のアップデートは、ビジネス向けグループウェアである「G Suite」の一部ユーザーに試験的に導入され、その後本格展開が予定されています。Google、そしてGmailがもたらすコミュニケーション体験の進化と合わせ、メールコミュニケーションのさらなる活性化が期待されます。
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