メルマガの配信スケジュールの立て方とは?メールの再利用も
メール配信システムでメルマガ運用を効率化!メリットや最新機能、サービス比較時の注意点とは?
メルマガ配信は多くの場合、曜日や日にちを決めてルーティーンで運用している企業が多いのではないのでしょうか?ネタ探しからコンテンツ作成、配信設定に効果測定と、メールマーケティングは「ただ送るだけ」では済まないことは実担当の方や運用部門の責任者となっている方ならご存知かと思います。
一方、こうした定型作業の中で、時間のかかる部分は少しでも効率化を図りたいもの。少しの手間でも、毎回の積み重ねは大きな時間・手間・コストの削減効果を生みます。今回は、メール運用に欠かせない「メール配信システム(サービス)」の機能や特性を活用して、配信業務の効率化と効果アップを両立させるためのヒントについて見ていきます。
目次
1.メール配信システムの役割-「メールソフト」との違い
2.システムを導入するメリットは効率化だけじゃない!
3.最近のメール配信システムに搭載されている便利な機能とは?
4.メール配信サービス比較時の注意点・ポイント
5.おわりに
メール配信システムの役割-「メールソフト」との違い
一度に大量のメールをメールソフトで送ろうとすると、そのほとんどがエラーになって返ってきてしまいます。個人向けのメールソフト(Webメールサービス・アプリ、デスクトップクライアント)では1対1、あるいは複数向けの配信と言ってもビジネス的に想定される人数(数人程度)へのCc、Bcc送信を行う前提で構築されており、これを超える大量の宛先アドレスへの配信はスパム判定を受けることが大半だからです。
例えばGoogleの「Gmail」では、世界中で毎日飛び交うメールの中から、上記に挙げた送信形態はもちろん、ビッグデータを活用し「文体」「件名・本文に使われている表現」「リンクの設置傾向」等から疑わしいものをピックアップし、「迷惑メール」フォルダに振り分ける処理をしています。その精度は年々向上し、Googleによれば誤判定の割合は0.1%未満(2018年時点公表データ)とされています。
こうした取り組みを背景に、迷惑メールの総量・割合は年々減少している(下図参照)ものの、未だに全体の流通量の約4割を占めています。そのため、各事業者では迷惑メールを効率的に排除するために様々な対策を講じています。
(出典)日本データ通信協会「迷惑メール白書2018」
https://www.dekyo.or.jp/soudan/data/anti_spam/2018/HB18_07_chs.pdf
メール配信システムは、一度に大量のメールが送信される前提で宛先への接続を行えるよう構築されています。いわば「1通1通のTo送信を並列して行う」イメージです。これにより、メールサービスや通信事業者からスパム判定を受ける可能性を低減しています(もちろん、コンテンツに問題があるなど送信形態以外の理由によるスパム判定は防げません)。
メール配信システムの導入相談を頂く中で、運用開始当初は無料で使えるメールソフトでメルマガ配信をしていたが、件数の増加に伴い不達・未着が増えたため、システムの導入を検討するようになったという方も多くいらっしゃいます。このように、「メールソフト」と「メール配信システム」ではそもそも利用の想定が異なること、またそれぞれの目的に適したサービス利用を心掛ける必要があります。
システムを導入するメリットは効率化だけじゃない!
メール配信システムを利用することで、配信自体が高速・確実に行えるようになることはもちろん、宛先管理やコンテンツ作成が楽になり、作業の効率化を実感するシーンも多いはずです。しかしながら、メール配信の目的は反応してくれるユーザーを増やすこと、そしてその先に様々なターゲット(受注、購入、来訪etc.)があるはずです。そのための支援機能が充実していることも、システムのメリットと言えます。
例えば、代表的なものの一つに「配信効果の可視化」が挙げられます。
(図)メール配信システムにおける効果測定メニューの一例。表の様に「開封率」や「クリック率」がデバイス別で取得できるものもある。
いわゆる「効果測定」と呼ばれ、システムによって様々ですが「開封率」や「クリック率」が取得できるものが多いです。その配信にどのくらいの反応があったのか、またどのコンテンツがヒットしたのか、振り返ることでコンテンツなどの改善に繋げられるとともに、読者の反応する傾向や志向性を把握することにも繋がります。
システムの中には、「誰が」開封・クリックしたかや、メールからのサイト流入でコンバージョンに至った数を把握できるものもあります。自社の展開サービスやメルマガに求めるKPIを勘案し、選定・活用してゆくのが良いでしょう。
また、セキュリティ対策、及び昨今厳正な取り扱いが求められる「個人情報」の管理にも、システムの活用が役立ちます。
IPアドレスによる配信システムへのアクセス制限をかけることで外部からの不要なアクセスを防ぐ、宛先情報は特定ユーザーしか閲覧・編集できないよう権限を設定する、など運用レベルに合わせてセキュリティ対策を柔軟に採用できるシステムもあります。また、アプリケーションにおけるセキュリティホールチェックの脆弱性診断や、ネットワークへの不正侵入を検知・遮断する仕組みなど、ベンダー側でも独自にセキュリティ対策を行っているケースもあります。
当然のことながら、PマークなどITサービスベンダーとして最低限の管理体制が確認できることが前提ですが、配信システムの側のセキュリティ対策も進化しており、選定の際のチェックポイントとなり得るでしょう。
最近のメール配信システムに搭載されている便利な機能とは?
先述の通り、最近のメール配信システムには様々な機能が搭載されています。中でも、作成に手間がかかるHTMLメールの作成が直感的・効率的に行えるエディターを搭載しているものが増えており、運用負荷の軽減に大きな役目を果たしています。
(図)メール配信システムのHTMLメール編集機能の例。ドラッグ&ドロップで画像やテキスト、ボタンの挿入が行えるものも
また、対象となる条件や配信間隔を予め指定し、一定期間ごとの対象抽出と配信を自動で行えるようにする機能(フォローアップ、ステップメール等と呼ばれます)や、ECサイトの買い物カゴ情報と連動し、カートに残ったままで決済に至っていない商品を検知し、購入のリマインドを自動で行える機能など、追客、機会損失の回避といったよりコンバージョンに近い領域でのマーケティング支援を行える機能を新たに搭載するシステムもあり、より効果的なメール運用が可能になってきています。
(図)メールによるカート放棄リマインドの例。一斉配信に比べ高いCVRが期待できる
メール配信システム比較時の注意点・ポイント
現在、国内でメール配信のサービスを展開する事業者は大小合わせて100はあると言われています。メルマガをはじめとしたメールマーケティング全般に対応したものもあれば、リターゲティングやステップメール等、単一の機能に特化したものもあります。まずは、自社がメール運用を通じて「どんなアクションをしてほしいか」「何を最終成果として定めるのか」の方針を立てたうえで、自社にとって最適なシステム選びの第一歩とするのが良いでしょう。
その上で、一見機能が充実しているように見えても「やりたいことが出来ない」「オプションで追加料金が必要」等といったこともあります。多くの事業者は、問い合わせフォームやメールなどで案内窓口を持っているので、機能や料金のことなど不明な点は気軽に尋ねてみましょう。自社がメールでどのような運用を想定しているのかなどを基に相談すると、活用法のアドバイスや機能の要・不要など、より具体的な検討に役立つ情報が得られることもあります。
また、システム上でのセキュリティ対策や、ベンダーの個人情報保護体制などについても、各種認証の取得状況や具体的な取り組みなどに触れている事業者もありますので、チェックするのがオススメです。自社でのシステム導入に際して「セキュリティチェックシート」等の指定様式を提出する必要がある場合、ベンダー側担当で対応できるパターンもあるので、まずは相談してみましょう。
おわりに
簡単なように見えて実は難しく、考慮すべき点が沢山あるのがメール配信。システムを選んだことがゴールではなく、あくまで運用を手助けするツールの一つであることは言うまでもありませんが、自社が目指すメール配信、運用はどんなイメージなのかを明確にした上で、その手助けになるシステムを選ぶことは、メールマーケティング成功の入り口と言っても過言ではないでしょう。
本記事でご紹介したポイントが、皆様のサービス選びの一助になりましたら幸いです。