中国 シングルデー商戦の起爆力
米国では、11月末からクリスマスシーズンを控えた商戦が始まります。
感謝祭(11月第4木曜日)の翌日にあたる金曜が「ブラックフライデー(Black Friday)」。各ショップが割引セールを始め、店舗は買い物客で大賑わいとなります。日本でも、大手流通グループのイオンが「ブラックフライデー」と称した大特価セールを2016年に実施して話題になりました。
そして、「ブラックフライデー」の直後の月曜日が「サイバーマンデー(Cyber Monday)」。オンラインショップのセールが始まり、各ECサイトがネット上で大々的なキャンペーンを始めます。
売り上げ総額は約1兆9,400億円
ここ最近、注目されているのが、中国で生まれた「シングルデー」です。「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」を上回る規模の商戦として、日本でも注目されるようになりました。
11月11日は、1が4つ並ぶことから、中国では「独身の日 (双汁一)」と呼ばれています。2009年に、中国のネットショッピングの最大手、アリババが、独身者にオンラインショッピングの楽しみを提供しようとバーゲンセールのキャンペーンを仕掛けたのが始まりです。その後、「シングルデー」という呼び名で中国全土に広がりを見せ、ECサイトが大幅な割引を行い競い合う大商戦の日になりました。
昨年(2016年)、アリババは、深夜0時からスタートするセール開始直後の最初の1時間だけで、353億元(約5,530億円)もの売り上げを達成し、このニュースは世界中に報道されました。
「シングルデー」の商戦においても、やはり、日本製品は人気があるようです。人気のあるブランドの1位は、衣料品のユニクロ、2~4位は、パナソニック、シャープ、ソニーと家電メーカーが並び、5 位には女性向け高級化粧品ブランドのSK-Ⅱが登場します。
日本・中国・米国 3ヶ国間の市場規模
中国は、Eコマースの市場においても、今後、さらなる拡大が見込まれています。
経済産業省が調査した、日本、中国、米国、3ヶ国間の越境EC市場規模(2016年)によると、中国が日本から購入する市場の規模は10,366億円、米国から購入する市場の規模は11,371億円です。
越境EC市場の伸び率も目覚ましく、2015年と比較すると32.6%もの伸び率を見せています。
中国における越境ECの売れ筋商品は、家電に限りません。1位に「化粧品」、3位に「食品、飲料、アルコール」、8位に「ベビー用品、子供向け商品」、10位に「健康関連商品、市販薬、絆創膏」がランクインしており、安心で安全な日用品を海外から購入しようという需要があることが分かります。
ECの市場規模は、世界のどの地域においても拡大傾向にあります。スマートフォンなど従来のパソコンよりも安価に手に入れられるデバイスが普及し、まず、インターネット人口そのものが増加しています。
そして、ネットのアクセスポイントの増加やネットワークスピードなど、オンラインショッピングが楽しめるインフラも世界各地で改善され続けています。
さらに、売る側の努力も見逃せません。物流システムを改善したり、決済機能の多様化に対応したり、単に購入者の利便性を計るだけの配慮に留まってはいません。例えば、シングルデーにおいては、リアル店舗で買い物しているような仮想現実 (VR) 体験を提供するなど、オンラインショッピングそのものをエンターテインメント化させた仕掛けが用意され、ショッピングの楽しみを膨らませています。
オンライン販売のヒントが満載のシングルデー。今年も見逃せない規模の商戦になりそうですね。
出典:経済産業省 電子商取引に関する市場調査報告書(平成29年4月)
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