SPFレコードとは?正しい書き方やDNSへの設定・確認手順を解説
SMTPリレーとは?仕組みとメリット、導入手順までわかりやすく解説

- 顧客に送ったメールが遅延して、支障が出てしまっている
- 顧客に送ったメールが届かない・迷惑メールに入ってしまう
アカウント作成時に送った通知メールや購入完了メールなど、重要で確実に届けたいメールが遅延することや未達になってしまうと、顧客の信用を失うことなど、大きな支障をきたします。
それを回避する方法の1つが「SMTPリレー」です。当記事では、SMTPリレー・そもそものSMTP、そしてSMTPリレーサービスのメリットや注意点、導入手順と選び方まで分かりやすく解説します。
この記事の要約
- SMTPリレーは送信専用のサーバーを経由させ、メールを安定・高速・確実に届ける仕組み
- レンタルサーバーやプロバイダー経由の直送は1時間や1日の送信数に上限があり、大量配信に向かない
- 主なメリットは到達率の改善、大量配信時の遅延回避、サーバー構築と保守の削減、不達理由の追跡
- 導入後もドメイン評価と宛先リストの判断は自社に残り、共有IPでは他社の送信品質に左右される
- 導入は送信ドメイン登録、SPF・DKIM設定、送信先切り替え、少量からの増量という4工程で進む
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そもそもSMTPとは?
SMTPは「Simple Mail Transfer Protocol」の頭文字を取ったもので、電子メールの送受信に使用される手順などを定めた規格・規約(プロトコル)です。
メールは送信すると、メール送信サーバーに届き、相手の受信サーバーに届いたのち、受信者のメールボックスに届きます。この流れを含めた規約がSMTPです。

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SMTPリレーとは?

SMTPリレーとは、メール送信サーバーから相手の受信サーバーにメールを受け渡す間に、メールの送信専用のサーバーである「SMTPリレーサーバー」を経由(リレー)することです。
電車で例えると目的地にたどり着くまでに停まる駅が1つ増えることになるため、より時間がかかりそうですが、SMTPリレーサーバーが潤滑油の役割となるSMTPリレーは、安定してメールを高速、より確実に送ることができるようになります。
SMTPリレーを提供している「SMTPリレーサービス」の使用は、主にトランザクションメールと呼ばれる購入通知、アカウント作成通知など、ユーザーの行動に応じて送るケースで活用されます。
メルマガなどのメールマーケティングにおいては、メール配信システムと呼ばれるメールを作成する部分も含めたツールを使用することが一般的です。

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なぜ、SMTPリレーをすることで「安定・高速・より確実」に送れる?
SMTPリレーを行う場合には、基本的にSMTPリレーサービスを活用します。これは送信に特化した専用サーバーと、その運用に関わるノウハウ・技術を利用できるため、安定・高速・より確実に送ることができます。
本来、メールは1対1のコミュニケーション手段であり、同一内容を大量に送信することは想定されていません。そのため大量にメールを送ろうとすると、受信サーバー側で迷惑メール扱いをし、受信をブロックされるなど、正しく届かないという事態が発生します。
レンタルサーバーやプロバイダーなど、多くのメールサーバーを提供している「送信する側のサービス」においても、迷惑メール対策として1時間や1日の送信数に上限があり、大量のメールを送信することには向いていません。
上限がない場合でもSMTPリレーをせずに大量のメールを届けることは、迷惑メール扱いされる可能性が非常に高く厳しいのが現状です。
一方、SMTPリレーサーバーは送信に特化しているため、レンタルサーバーやプロバイダーのような厳しい送信数制限を受けにくく、大量配信にも対応しやすくなっています。また提供している企業は高速かつ迷惑メール判定されないためのノウハウ、そして実行する技術を要しているため、安定・高速・より確実に送ることができます。
自前でSMTPリレーサーバーを用意することはできる?
自前で用意して導入することはできます。
ただし、現状の業務に加えて、SMTPリレーサーバーのメンテナンスや到達率改善のためのIPレピュテーションの管理、そしてセキュリティ対策など業務の負担が増えるでしょう。また、一定のノウハウなどがない場合で高速配信をしようとすると、用意するサーバー台数が増えるなどコストもかかります。
自前で用意しなければならない理由がない限りは、なるべく当社含めたメール配信に特化した事業を行っている企業のSMTPリレーサービスを利用したほうがよいでしょう。
SMTPリレーサービスの具体的なメリット
SMTPリレーの導入で得られるものには、到達率の改善、配信速度の安定などがあります。以下にて順に整理します。
実績あるIPで到達率が上がる
リレーサービスを経由する利点として分かりやすいのは、到達率の改善です。提供事業者は配信実績のあるIPを運用し、SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証に対応した基盤を用意しているため、自社ドメイン側の設定を整えれば、正当な送信元として評価されやすくなります。自社の新しいIPで送り始めた場合と比べ、受信側にブロックされる確率は下がりやすいです。受信側の制約に応じて経路や送信速度を調整する仕組みを備えるサービスもあります。
ただし、この恩恵の受け方は共有IPか専用IPかによって変わります。共有IPのプランでは他社と同じIPを使うため、同居する送信元の送信品質が自社の到達率に影響する場合があります。専用IPであれば他社の影響は切り離せますが、その分費用が高くなります。

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大量配信でも遅延しにくくなる
配信の遅延は、送信を分散できる基盤に載せ替えることで起きにくくなります。リレーサービスは複数のリレーサーバーでの並列運用や、受信側ドメインごとの送信制御によって処理を分散するため、大量配信時でもキューが詰まりにくい設計です。パスワード変更の通知と会員登録の確認メールが同じ時間帯に集中しても、一方だけが待たされる事態を避けやすくなります。ただし受信側のスロットリングは残るため、どれだけ送っても即時に届くわけではありません。
サーバー構築と保守が不要になる
自社でSMTPサーバーを構築・維持する工程は、リレーサービスの利用で切り離せます。大量配信に耐える環境を自前で整えるには、高性能なサーバーの用意、セキュリティ設定、障害対応、IP評価の維持まで幅広い作業が発生し、担当者の時間を継続的に消費します。外部に預ければ初期投資と保守の負担が軽くなります。料金は、月間配信数に応じた従量型のプランと、配信数無制限の定額型のプランがあり、自社の配信量に合わせて選べます。TLSによる暗号化やSMTP認証、不正送信の監視といったセキュリティ機能も、サービス側の実装に含まれることが多いです。
送信ログで不達理由を追える
リレーサービスを使うと、なぜ届かなかったのかをログから追えます。宛先不明や受信拒否、一時的なエラーなどのバウンス理由が記録として残るため、リストの精査や設定の修正につなげやすくなります。エラーアドレスの履歴やキューの状況を管理画面で確認できるサービスもあり、配信のたびに手作業でログを掘り起こす手間がなくなります。自社サーバーのログだけでは受信側の判断理由まで読み取りにくく、差が出やすい部分です。
SMTPリレーサービスの注意点
SMTPリレーを導入しても、送信ドメインの評価と宛先リストの品質は自社の管理範囲として残ります。IPの割り当て方式と料金体系も、契約前に確認する観点です。以下にてSMTPリレーサービスの注意点について、解説します。
ドメイン評価は自社に残る
中継サーバーを経由しても、受信側が評価するのは差出人のドメインです。SMTPリレーで借りられるのは送信インフラとIPの実績までで、Fromに使うドメインの信頼度は自社の運用で積み上げていくことになります。認証を整えても、迷惑メール報告が増えればドメイン評価は下がります。配信頻度や本文の作り方、購読解除の導線まで見直せるのは、送信元である自社だけです。
宛先リストの精査を続ける
到達率は、送信基盤の切り替えだけで決まるものではありません。宛先リストの鮮度も同じくらい大きく影響します。存在しないアドレスへの送信が続くと、受信側は無効な宛先へ配信を繰り返す送信元として扱います。ハードバウンスした宛先を次回の配信対象から外し、反応のない宛先を一定期間で切り離す運用が有効です。エラーが一定回数を超えた宛先を自動的に配信対象から除外する機能を備えたサービスもありますが、反応のない宛先をいつ切り離すかといった判断は、顧客データを持つ自社側でしか行えません。
共有IPは他社の影響を受ける
前述のとおり、共有IPのプランでは、同じIPを使う他社の送信品質が自社の到達率を左右します。同居する送信元が迷惑メール報告を多く集めると、IP単位で評価が下がり、自社の正常なメールまで巻き込まれるケースもあります。影響を切り離す手段としては専用IPの契約がありますが、その場合はウォームアップと送信量の管理を自社で担う前提です。配信規模が小さいうちは共有IP、規模が育った段階で専用IPという切り替えも現実的な選択肢と言えます。
配信量に応じて費用が増える
リレーサービスの料金体系は、月間の配信可能数でプランを分け上限超過分を追加課金とする従量型と、配信数無制限の完全定額型に大別されます。従量型では通数が増えるほど費用も上がるため、想定配信数に合った体系を選ぶ必要があります。自社サーバーの運用では人件費と保守費が固定的に発生する一方、リレーの従量型プランでは配信量がそのままコストに反映されます。キャンペーン時の一時的な増加を見込む場合は、超過時の単価とプラン変更の条件を契約前に確認しておくと、想定外の請求を避けられます。
SMTPリレー導入から配信までの手順
SMTPリレーの導入は、送信ドメインの登録、認証設定、送信先サーバーの切り替え、配信量の調整という4つの工程で進みます。設定作業そのものは短時間で終わりますが、到達率が安定するまでには一定のウォームアップ期間が必要です。
| 工程 | 実施内容 |
|---|---|
| 手順1 送信ドメインの登録 | 配信に使うドメインを登録し、DNSレコードで所有権を確認する |
| 手順2 認証設定 | SPFに送信元を追加し、DKIM鍵をDNSへ公開する |
| 手順3 送信先の切り替え | SMTPホスト、ポート、認証情報を差し替える |
| 手順4 配信量の調整 | 少量から始め、エラー率を見ながら段階的に増やす |
手順1 送信ドメインを登録する
最初の作業は、配信に使う送信ドメインをリレーサービスに登録し、所有権を確認することです。多くのサービスでは、指定されたTXTレコードやCNAMEレコードをDNSに追加する方式で所有者を確認します。ここで登録したドメインが以降のSPF・DKIMの設定対象とFromアドレスの基準になるため、部門ごとに分けるのか全社で統一するのかを先に決めておく判断が有効です。配信専用のサブドメインを切り出す構成なら、日常の業務メールとドメイン評価を分けられます。
手順2 SPFとDKIMを設定する
認証設定では、SPFレコードにリレーサービスの送信元を追加し、DKIMの署名鍵をDNSへ公開します。SPFレコードに自社ドメインの送信元がすべて含まれていないと、その送信元からのメールは迷惑メールとして扱われやすくなる点に注意が必要です。DMARCレコードまで公開しておくと、認証の失敗状況をレポートで確認できるようになります。

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手順3 送信先サーバーを切り替える
設定が済んだら、アプリケーション側のSMTP送信先をリレーサービスのホストへ変更します。差し替えるのはSMTPホスト名、ポート番号、認証用のユーザー名とキーの4項目が中心で、送信処理のロジックには手を入れません。切り替え前にテスト用のアドレスへ送信し、受信メールのヘッダーでSPFとDKIMがpassになっているかを確認します。このとき、SPFで認証されるエンベロープFromはリレーサービス側のドメインになる場合があり、ヘッダーFromのドメインと一致せずDMARCのアライメントに失敗することがあります。自社ドメインでのDKIM署名(作成者署名)や、エンベロープFromを自社ドメインに変更する設定に対応しているかを確認しておくと安全です。
手順4 少量から配信量を上げる
切り替え直後は少量から始め、エラー応答と迷惑メール報告率を確認しながら段階的に通数を増やしていきます。Googleも「送信量を徐々に増やす」ことを求めています。送信実績のないIPやドメインから急に大量配信を行えば、レート制限や一時的な拒否は避けられません。
SMTPリレーサービスの選び方
SMTPリレーサービスは、配信性能と実績、エラーの解析と自動除外、セキュリティ、稼働率とサポート体制の4点で違いが出ます。いずれも到達率と運用負荷に直結する項目です。以下ではSMTPリレーサービスの選び方について、解説します。
能力性:配信性能・実績を確認する
SMTPリレーサービスを導入する目的は、大量のメールを正しく送ることです。そのため、配信性能や実績を確認することは最優先と言えます。業界で一般的とされる到達率95%の基準を満たしているサービスであっても、到達率99%以上など、より高性能なサービスが存在する場合があります。
エラー解析・自動除外
。エラー率が高い状態が続くと、送信元が迷惑メール送信者として判定される場合があります。
なぜなら、メールアドレスは英数字など、推測しやすい文字列で構成されるため、ランダムで送っても届いてしまう仕様を悪用する迷惑メールが多いためです。そのため、エラー率が高い場合には、ランダムで送っている=迷惑メールと判断されてしまいます。
SMTPリレーを行う際には、使われなくなったアドレスを除外するなど、エラーを正しく受付・確認・対応し、エラー率を下げる必要があります。
安全性:セキュリティ状況を確認する
セキュリティとは主に3つあり、SPF・DKIMなどなりすましメール対策やTLSという暗号化対応など、メール送信そのものに対してのセキュリティが担保されているか。
2つ目は、SMTP AUTHや2要素認証など、利用時のアクセス制御が安全に設計されているかです。3つ目は、Pマーク取得の有無など、提供企業側のセキュリティ体制がしっかりしているかです。
特にSMTPリレーサービスを必要とするメールは、個人情報を多く含んでいる可能性も高いため、あらゆる面でセキュリティ対策がなされているかは非常に重要です。
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安定性:稼働率とサポート体制はどうか
購入通知や、アカウントの作成・パスワード変更に伴うメールなどは、24時間365日確実に送れることが必須です。そのため、サービス稼働率はどの程度高いのか。また、トラブルやエラーが発生した際にどの程度サポートしてもらるのか、非常に重要です。
例えば、24時間365日の緊急連絡用窓口があるか。サポートは専門の部隊がいるのかどうか。問合せ方法は電話でも受け付けているのかなど確認しましょう。
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まとめ
SMTPリレーは、送信サーバーと受信サーバーの間に送信専用のサーバーを挟み、大量のメールを安定した速度で確実に届けるための仕組みです。自社サーバーからの直送で起きる送信数の上限や迷惑メール判定を回避できる一方、送信ドメインの評価と宛先リストの精査は、導入後も自社の運用として残ります。
購入完了やパスワード変更の通知は24時間365日止められない性質を持ち、遅延や不達がそのまま顧客の信用に跳ね返ります。自前でリレーサーバーを構える場合は、IPレピュテーションの管理やセキュリティ対策まで日常業務に上乗せされる前提です。
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