メール配信の到達率ってどう上げるの?到達率が低くなる原因と改善のポイントを紹介
近年、ビジネスでの「メールコミュニケーション」の重要性はますます高まっています。メールは企業が顧客との接点を持つための貴重なツールです。また、一度送信したメールがちゃんと相手に届いているかどうかはメールコミュニケーションにおいて何より大切な要素となります。そこで注目されるのが「到達率」です。
この記事では、メール配信における到達率の上げ方を中心に紹介します。それ以外にも到達率が低くなる原因や改善する際のポイントを交えつつ紹介します。
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メールの到達率とは
メールの到達率とは、メールが送信者から受信者に向けて送信された際に、そのメールが受信者の受信トレイに正常に到達する確率を指します。言い換えれば、送信したメールがどの程度送信に成功したかを表す数値になります。
メールの到達率は、メール配信の工程全体における複数の要因に影響を受けます。要因の中には、送信者のメールサーバーの問題や受信者のメールサーバーの問題、ネットワークの状況、受信者側のメーラーの設定などがあります。近年、迷惑メール対策の強化によって、一部のメールがスパムとして誤検知されることもあるため、到達率に大きな影響を与えています。
到達率の計算方法とは
メールの到達率は、送信したメールの内受信者の受信トレイに正常に到達する確率を指すと先述しました。
ここでは、到達率の計算方法を簡単に紹介します。
メールの総配信数が10万通で、その中で届いたメールが9万5千通なら、到達率は95%となります。
総配信数が多ければ多いほど到達率が及ぼす影響は大きくなるため、到達率が90%を切る場合は何かしらの対策が必要になるでしょう。
エラー率の計算方法とは
次に到達率と反対のエラー率の計算方法についても紹介します。
ここでいうエラー率とは送信したメールの内ブロックされたりやエラーとなり受信者に届かなかったメールの割合を指します。
メールの総配信数が10万通で、その中でエラーとなったメールが5千通なら、エラー率は5%となります。
エラー率がが10%を超える場合は到達率が90%を下回った時と同様に何かしらの対策が必要になるでしょう。
到達率の目安はどのくらい?
メール配信の到達率が高い低いと言いますが、実際のところ到達率の目安として〇%以上なら高い、〇%未満なら低いという指標はあるのでしょうか?
当社内の指標としてあげられている数値は、95%以上だと到達率が高く、90%未満だと到達率が低いという値です。
到達率が低くなる要因とは
なぜメールはただ送るだけでも届く、届かないが発生するのでしょうか。
一度送信したメールが受信者に届かない要因について以下の事柄が考えられます。
スパムフィルターと迷惑メール対策
受信者のメールサーバーやクライアントは、スパムや迷惑メールを避けるためのフィルターを使用しています。これらのフィルターは、特定のキーワード、リンク、画像、送信元ドメインなどをチェックし、スパムと判定する可能性があります。送信者が適切な対策を講じない場合、メールがスパムとして誤検知されることがあります。
送信ドメインの評価
メールサーバーは、送信者のドメインの評価を行い、そのドメインが信頼性のある送信者かどうかを判断します。送信者のドメインが信頼性のないドメインとして認識されている場合、メールが受信者のスパムフォルダに振り分けられる可能性があります。
受信者の行動
受信者が以前に送信者からのメールを開かなかったり、クリックしなかったりする場合、受信者側のメールサーバーはその送信者のメールをスパムと見なすことがあります。このようなパターンが続くと、送信者の到達率が低下する可能性があります。
送信量の急増
短期間に大量のメールを一斉送信すると、受信者のメールサーバーは送信者をスパムと見なす可能性があります。送信頻度や送信量を適切に管理しないと、到達率が低下する可能性があります。
不適切なコンテンツ
メールに含まれるコンテンツがスパム的なキーワードやリンクを多く含む場合、メールがスパムと判定される可能性があります。また、法律や規制に違反するコンテンツも到達率低下の要因となります。
到達率を改善する方法とは
先述の通り、到達率が低くなる要因は様々です。一つ一つ対策しようと思うと気が遠くなります。
そんな方のためにここでは、メールの到達率を改善するために押さえておくべきポイントを紹介します。
① 配信先リストの見直し
新規の営業先を探す際によく買われるのが「企業リスト」かと思います。オプトイン(配信許可)を得ていない人に対してメールを送信することは法律上で禁止されています。配信先リストは自社で保有するハウスリスト(オプトイン取得済み)のみとすることも大切です。
② ダブルオプトインの採用
ダブルオプトインは、受信者がメールの購読を希望することを示す際に、確認のための2回のアクションを求める手法です。これにより、間違ったメールアドレスや不正な登録を防ぎ、高品質な購読者リストを維持することができます。
③ 送信元ドメインの認証
送信者のドメインが信頼性の高いものであることを保証するものです。SPF(送信者ポリシーフレームワーク)やDKIM(ドメインキー認証)などの認証プロトコルを設定して、送信者のドメインが本物であることを証明します。
④ コンテンツの見直し
スパムフィルターに引っかかりにくいようなコンテンツを作成することが大切です。過度な大文字、過度な文字数、過度な容量、過度なリンク、スパム的なキーワードの使用などは避けるようにしましょう。
他にも、「詐欺や違法なビジネスへの誘導だと感じる内容の記載をしない」「悪質なサイトに誘導するURLの記載をしない」この2点には特に気を付けてコンテンツを考えましょう。
⑤ 送信頻度と送信タイミングの見直し
適切な送信頻度とタイミングを見極めることが大切です。過度な頻度で送信すると受信者が疲れてしまい、結果的に配信解除やブロックにつながります。また、この後に紹介する「IPレピュテーション」が低い場合、よりすぐに配信解除やブロックを受けてしまいます。
毎回の配信をプロットしておくことで、自社と受信者に合った配信頻度、タイミングを見極めましょう。
⑥ 配信解除方法の明示
メルマガには必ず配信解除方法を記載するようにしましょう。広告メールを一斉配信する際には配信拒否の意思を受信者側から伝えられるようにしておく必要があると「特定電子メール法」および「個人情報保護法」で定められています。
配信解除の記載が無いと法律違反になるだけではなく、迷惑メールに振り分けられる原因となることも多々あります。
⑦ IPレピュテーションの向上
IPレピュテーションの向上については次の章で詳しく紹介します。
【重要】IPレピュテーションとは
ここでは、IPレピュテーションについて詳しく紹介します。
IPレピュテーションの仕組み
IPレピュテーションとは、その名の通り"IPアドレスにおける評判"(reputation)を評価し、インターネットにおける通信を制限したりする仕組みのことです。
インターネット上では、迷惑メール(スパムメール)の増加やアクセスするだけでマルウェアを送り込まれたり、ウィルス感染したりする悪質なWEBサイトもあります。
そのため、インターネットの安全を守るためには、迷惑メールを送っていないか、悪質なWEBサイトを提供していないか評価し、スコア化(点数化)する必要がありました。
その評価をIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)単位でスコア化した情報を提供するのがIPレピュテーションです。
なぜ、IPレピュテーションがメールの到達率に関わるのか?
メールを受信するISPでは、日々増加する迷惑メール(スパムメール)対策のひとつとして、IPレピュテーション(もちろん、IP以外のレピュテーションもあります)を用いています。
ISPでは、IPレピュテーションのスコアをもとに、評判の悪いIPアドレスからのメールは、以下の対策をしています。
- メールの受信の制限、または受付を停止する
- メールの受信を停止する
- 迷惑メールとして、フィルタリングする
つまり、IPレピュテーションのスコアが悪いIPアドレスからメールを送った場合、迷惑メールとして判断される確率が高くなります。結果、到達率が下がり受信者にメールが届かなくなる要因となるのです。
IPレピュテーションは、どのように評価されるのか?
レピュテーションの評価には、さまざまな評価項目がありますが、メールに関する評価項目例として、以下のような評価項目があります。
- IPアドレスがブラックリストに載っているか
- 過去に迷惑メールなどを送っていないか
- メールのコンテンツやタイトルに迷惑メールやフィッシング詐欺で使われるような言葉が使われていないか
- メール受信者から"迷惑メール"申告されていないか
このように評価(レピュテーション)は、さまざまな評価項目をもとにスコア化されていきます。
他ユーザーの影響を受けることもある
メルマガなど大量のメールを一斉送信するには、専門の技術やノウハウが必要なことから、メール配信サービスを利用されている方がほとんどだと思います。 しかし、メール配信サービスを利用している場合、意図せず他ユーザーの影響を受けてしまうことがあります。
一般的なメール配信サービスでは、メールの送信用IPアドレスは、複数のユーザーで、共用しているケースがほとんどです。 そのため、自分は正当なメールの運用をしていたとしても、IPアドレスを共有している他ユーザーが迷惑メールを送った場合、IPレピュテーションのスコアが下がり、同じIPを共通利用しているユーザーまで、影響を受けてしまうことがあります。
ただし、メール配信サービスの提供元では利用者に対して以下のように、レピュテーションのスコアが下がらないよう、さまざまな対策を取っているサービス提供社もいます。- 迷惑メールを送らないよう、契約で定めている
- ユーザーの事前審査を行っている
- 法人のみ利用できる
- 万が一、迷惑メールが送られた場合、そのユーザーの利用を停止する
また、他のユーザーとリソースやIPアドレスなどを共有せず、占有できるサービスを提供している提供社もありますので、一度確認してみると良いでしょう。
どうすれば、IPレピュテーションで良い評価を保てるか?
●DNSを正しく設定する
メール配信に必要なDNSを正しく設定しましょう。
●なりすまし対策を行う
SPFやDKIMなど、メールのなりすまし対策を行いましょう。
●メールのコンテンツは、受信者にとって、良い情報を提供する
正しい運用をしていても、受信者が「迷惑メール」という評価をした場合、レピュテーションのスコアは下がってしまいます。
そのため、ユーザーに有益なコンテンツを提供することで、「迷惑メールではない」という評価を多く集められるようになれば、逆にスコアは上がってきます。
●メールが届かなくなったアドレスはクリーニングする
届かないアドレス宛に必要以上にメールを送ることは、不特定多数に迷惑メールを送っていることと同様です。
そのため、届かないアドレスは正しくクリーニングし、リストをきれいな状態に保ちましょう。
●メールアドレスは正しい方法で収集する
正当な方法で収集している方がほとんどだと思いますが、インターネット上からメールアドレスを収集して、メールを送ることはやめましょう。
ISPや特定の機関では、不正なアドレスが収集されていないかを特定するため、特定のアドレスをスパムトラップとして、利用しています。そういったアドレス宛にメールを送った場合、スコア品質を下げることになります。
このようにIPレピュテーションは、メールの到達率を左右する重要な要素のひとつですが、IPレピュテーションが高いからといって、迷惑メールのフィルタやISPからのブロックを受けないということではありません。他にも重要な要素がありますので、複数の対策を実施して、メールの到達率を高めましょう。
まとめ
ここまでメール配信の到達率について紹介しましたが、一概にこうすれば到達率が上がるという対策方法を見つけるのはなかなか難しいと思います。
一番手っ取り早い改善方法としておすすめするのは、メール配信システムの利用、乗り換えになります。メール配信システムの提供社もさまざまなので配信の質に強みを持ったサービスベンダーを選ぶのが一番よく、判断する際には導入事例での他社の実例を参考にするとスムーズに選定が進むでしょう。
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