1978年、森永乳業の完全子会社として設立され、国立がんセンターと共同で流動食「MA-3」を開発・製品化したことから始まった、森永乳業株式会社クリニコ。「予防・治療・介護を通して、一人ひとりのQuality of Lifeの向上に貢献する」を経営理念に据え、医療、介護業界におけるクリニカルフーズのパイオニアとして市場を牽引してきた。
コロナ禍によって直接訪問する営業活動が制限された頃、同社が選択したのがCuenote FCを活用したメールマガジンによる営業活動である。今回はシステム導入・検討については、営業本部の深貝氏、柳氏、業務部の関森氏に、実際の運用については関西営業統括部の中島氏、滝沢氏、佐藤氏にそれぞれの背景と効果について伺った。
当社は全国に11営業部を有しています。コロナ禍以前の営業活動は、顧客と対面で接する、いわゆる足を使う営業スタイルでした。
しかし、コロナの影響でそうした活動は難しくなり、代替え案としてたどり着いた1つがメールマガジンによるコミュニケーションでした。
当初は、これまで交換した名刺宛てにBccで一斉配信するなど、社員それぞれが工夫をこらして運用をしていましたが、いかんせん手動で行っていたことから、誤送信の懸念や大量のメール送信時の手間によって、運用負荷がかかっていました。
また、個人情報のセキュリティ面でも課題を抱えていました。社内でファイルを共有する仕組みはあるものの、それぞれの営業部が個人情報を安全に管理することが理想であり、別営業部の個人情報にアクセスできる環境は避けたい、と考えておりました。
そのため、メールマガジン配信作業における工数削減が図れ、かつ個人情報の一元管理が可能なツールはないかと探すこととし、社員間のPCスキルにも個人差があることを踏まえ、誰でも簡単に操作ができることも要件の一つとしました。
ツール探しにおいては、IT製品の情報等が掲載されているWebメディアなどを参考にしました。それぞれの製品の特徴や価格などを比較検討して4社に絞り込み、資料を拝見した後に、各社様とWEB面談をお願いしました。
実際に話を伺うと、多機能すぎて使いこなせるか不安になるものや、われわれが考えている要件に合わないと感じるサービスもありました。結果、使いやすさ、セキュリティ面など仕様が理想に近いと思われたユミルリンク様と対面でお会いし、実際にデモ画面を使用しながら、使い方に関する詳細な説明を受けました。
導入のポイントとなった点はいくつかありますが、まず挙げられるのは使い勝手やユーザビリティに優れている点です。特にHTMLメールの作成は非常にシンプルで使いやすく、経験がある人ほどその優秀さを感じるのではないかと思いました。
また費用面についても魅力的でした。ただ安価というだけでなく、配信先メールアドレスの件数に応じて営業部ごとにプランを選択できる柔軟さが、社内で高い評価を得ました。
導入後のサポート体制も非常に重要なポイントでした。特にSaaSのようなクラウドベースのサービスでは、サポートはメールのみで対応している企業もある中、ユミルリンク様は電話での対応も行っており、質問や疑問が生じたときは迅速かつ丁寧に対応していただけました。当社の社員の中には、ひと月に10回以上電話をかけてサポートをお願いした者もおりましたが、毎回丁寧に説明してくださったようです。
またかねてから課題となっていた、営業部ごとに個人情報を管理できる機能を有していたことも、Cuenote FCを選んだ大きな決め手です。この機能により、各営業部が適切に個人情報を管理でき、セキュリティ面での課題が解消されると感じました。
3ヶ月ほどで導入を決定し、まずは一部の営業部のみで利用を開始しました。
Cuenote FCの導入前は、メールマガジンの配信時にTo、Cc、Bccを手動で入力していました。最大で3,000件くらいに送信することもありましたが、1回で送信できる数にも限りがあるため、分割して送信していました。宛先をCcに誤って入力してしまった場合は深刻な情報漏洩となるため、そのリスクを考慮し、1回のメール配信に3名で2~3時間かけ作業していました。
Cuenote FC導入後は、メールマガジン配信に関わる作業時間は約3分の1である 1時間弱にまで削減され、作業者も1名ですべて対応できるようになりました。宛先違いなどの思わぬミスやリスクから解放され、心理的にも大変楽になりました。
また、これまでは把握できなかった開封率やクリック率などのデータを得られるようになったことも導入後の大きな変化です。顧客の関心事を分析し、どうアプローチするのか営業戦略を考える上で今では重要なデータです。
メールマガジンの開封率は概ねどの営業部も25~30%と高い水準にあります。これはやはり、これまで対面営業を行ってきた得意先へメールマガジンを配信しているため、見知った相手から送られてくる安心感からくるものではないかと考えています。関西営業統括部主催のWEBセミナーの集客をメールマガジンで行っていますが、回を重ねるごとに申込者が増えており、今では500名超えるのは当たり前となりました。
今後は、われわれの持ち味である対面での営業スタイルと、メールマガジンをはじめオンラインツールを活用したハイブリット営業を構築したいと考えています。そのためCuenote FCにはメールマガジンを開封して閲覧した所要時間や、メールアドレス所有者ごとの分析機能などによって、より濃密なコミュニケーションが可能になる進化を期待します。
まずは今まで通り、当社が届けられる有益な情報を得意先様へ定期的に配信し続けたいと考えています。そしてより一層、得意先様の興味関心を知るために配信レポートを活用したいです。例えばメール内のURLクリック率を解析することで、誰がどんな内容に関心があるのか可視化できるようになります。この情報を基に営業担当者が足を運び、ニーズに合った情報提供をできるようになれば、これまで以上に良い関係が築けるのではないかと思っています。
また、積極的にCuenote FCを活用している関西営業統括営業部をロールモデルとしたうえで、対面営業とメールマガジンの配信を組み合わせたハイブリッド営業を他の営業部でも促進させることで、営業活動の効率化・働き方改革にも繋がっていくと考えています。