昭和34年(1959年)の創設以来、現在は全国に多数の進学塾を展開する浜学園。全国最難関である灘中学への合格者数は20年連続で全国一を達成するなど、輝かしい実績を誇っている。
多くの塾生が在籍する当塾では、塾生に対して日々の連絡業務を行う必要があり、複数の教室(運用拠点、クラスなどを指す)担当者がその業務を担っている。教室ごと、塾生ごとに内容の異なるメールを配信するには煩雑な作業がともなうが、作業軽減を可能にしているのがCuenote FCだ。そこで今回は、同塾システム運用部の繁原氏に、Cuenote FCを選んだ決め手やその活用方法についてお話を伺った。
塾生や保護者に対して、授業スケジュールやイベントなどのお知らせ、模試の実施日、授業に関する持ち物の案内といったいわゆる「業務連絡」をメール配信でおこなっています。当塾は関西を中心に全国約60教室を展開しており、この西宮教室には1,000名以上の塾生が在籍しています。教室ごとに連絡内容は異なり、さらに各教室では内容に合わせて細かく宛先を指定してメールを送らなければなりません。
それに加えて、私が所属するシステム部システム管理課では、過去に浜学園と接点を持った方々に向けて模試やイベントのお知らせといったプロモーションの役割を担うメールを配信しています。
2023年初頭に以前から使用していたメール配信システムサービスの提供が終了し、リプレイスの検討が迫られました。そこで、新たなメール配信システムの導入に際し、重視したのは「費用感」と「操作性」です。まず費用感について、当塾は、約60教室のメール配信を各教室のマネージャーやチーフがそれぞれ担当しています。教室ごとに送るメールの内容や送信対象が異なるため、作業領域を切り分けて配信をしなければならず、一般的には教室ごとにシステムの契約が必要となるかと考えました。そのような運用では自ずと費用が跳ね上がってしまうため、その点をできる限り抑えたいと考えていました。また操作性については、担当者の中にはシステム操作が不得手なものも当然ながらいます。さらに、毎日使うものでもあるため、できるだけ操作がシンプルで使いやすいものを導入する必要がありました。
導入の決め手となったのは、ワークエリア機能です。「Cuenote FC」では、組織内で複数のワークエリア(作業領域)を設定し、それぞれ異なるリスト・異なる内容のメールを送信できます。約60教室のメール管理を行う当塾にとって、このワークエリア機能は非常に有益なものでした。また、作業画面のUIがわかりやすく、直感的に操作できるのも好印象でした。そのほか、データベースからメールアドレスを自動で連携したい場面で、それをサポートしてくれるAPIがあるのも重視したところです。以前は非常に安価なサービスを利用していたため、文章を作成した後にExcelのマクロを使ってCSVファイルに入れて送信するという方法でしたが、「Cuenote FC」の場合は文章を作っておけば、API連携により配信リストを手動で作業することなくメール配信業務を行えるので、メール配信の工数がかなり削減できることも評価につながりました。
実は当塾ではユミルリンクさんのツールとして、2022年ごろにSMS配信サービス「Cuenote SMS」、2023年にはメールリレーサーバー「Cuenote SR-S」を先に導入していました。それらの機能性の高さやサポート体制の充実度、誠意ある対応などを以前から知っていたこともあり、メール配信システムに関しても「Cuenote FC」が第1候補だったんです。ほかにも数社の情報を集めて比較検討したのですが、結果的に「Cuenote FC」を導入することに決めました。
まずはシステム選定の主幹となるわれわれの部署でテスト的に使用して操作性を確認した後、2024年6月から各教室にワークエリアを設定しました。システム管理課を担当する私としては、従来のツールと比べて操作がシンプルで、配信先もさまざまな条件付けをその都度設定できるというカスタマイズ性の高さは納得のいくものでした。しかし、その一方で各教室の担当者が扱うには少しハードルが高いとも感じていました。なぜなら、以前のツールは該当する条件にチェックを入れるだけという、とても簡素な設計だったためです。メール配信の担当者たちも、以前のツールに慣れていたこともあり、まずはそれをクリアする必要がありました。
そこで、使用方法のマニュアルを作成した上で、各教室の担当者に向けて説明会を開き、指導することからスタートしました。導入からまだ4か月ほどですが、すでに現場からは「実際に使ってみると、以前のツールと比べてUIが整理されていてわかりやすく、基本的な操作さえ理解すればかなり便利に使える」という声があがっており、評判は上々です。また、以前のツールでは文章作成と配信設定を同じページで作業しなければなりませんでした。「Cuenote FC」ではそれらが分かれており、作業を途中で中断することになっても、先に必要な文章だけを作成し、あとでメール配信の設定ができます。塾職員の業務は多岐に渡っており、毎日メール配信作業にまとまった時間を確保できるわけではないので、作業中の内容が保存されるのは非常に助かるポイントです。
こうした特徴もあり、ほかの業務と並行して作業が進められて作業効率がアップしたという声も届いています。
現場担当者からは、「メール文面のテンプレートや条件設定を保存できる機能を活かし、今後は担当者だけでなく誰でも使える状況にして、作業の効率化を図っていきたい」という期待の声があがっています。また、システム管理課としては、さまざまな条件付けができる機能を有効活用し、今よりも幅を広げたメール配信を行いたいですね。例えば、過去に浜学園と接点を持った方々をセグメントして入塾を促進するためのプロモーションメールを送るなど、より効果的にシステムを活用したいと考えています。