1. クラウドでメール配信環境を作る前に知っておきたいポイント(AWS編)

クラウドでメール配信環境を作る前に知っておきたいポイント(AWS編)

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近年は、日本国内でも、スタートアップ企業から大企業、官公庁まで、さまざまな企業や組織で利用が進んでいるAWS。みなさんも一度は、耳にしたことがあるのではないのでしょうか。

今回は、当社にもよく相談いただくAWSからメール配信する環境を作る方法やその際に知っておくべきポイントをご紹介します。


AWSからメール配信する方法は4つある

メール配信する環境を作るには、大きく分けて、AWSのサービス内で完結させる方法と外部サービスを利用する方法の2つに分かれます。さらに実現方法によって、4つほどに分かれます。


  • ・AWSにMTAを構築し、メール配信する環境を作る
  • ・Amazon SES(Simple Email Service)を利用し、メール配信する
  • ・外部のメール配信サービスを利用する(API)
  • ・外部のメールリレーサービスを利用する(SMTPリレー)


1.AWSにMTAを構築し、メール配信する環境を作る際のポイント

AWSが提供する仮想クラウドサーバーAmazon EC2にMTA(sendmail、qmailなど)を構築する場合には、下記のポイントに気を付けましょう。


[ポイント]

  • ・送信できるメールの通数に制限があるため、申請が必須
     AWSでは、スパムメール配信を防止する対策として Outbound Port25 Blocking を行っています。これは、メール送信に使用するSMTPの25番ポートを制限するものです。そのため、送信できるメールの通数には上限があることから、事前に申請が必要です。

  • ・送信ドメイン認証(SPF、DKIM)を設定する

  • ・届かないアドレスを配信リストから除外する(リストクリーニング)

  • ・ISPに正しく届けるための運用ノウハウが必要
     特に携帯キャリアなど、ISPに応じたメール送信制御が必要となります。送信制御をするためには、専門の技術やノウハウが必要になります。

  • ・MTAの構築や規模に応じたスケールの調整は自身で行う


2.Amazon SES(Simple Email Service)を利用し、メール配信する際のポイント

Amazon SESを利用することで、スケーラブルなインフラ上に構築された、メール送信を行うことができ、MTAを構築する必要もなくなります。


[ポイント]

  • ・MTAを構築する必要はなくAPI経由でメールを送信できる

  • ・国内の携帯キャリアの制限を十分考慮した配信アルゴリズムではない

  • ・送信ドメイン認証(SPF、DKIM)を設定する

  • ・届かないアドレスを配信リストから除外する(リストクリーニング)
     クリーンな配信リストを保っていない場合には、送信停止措置が取られることがあります。


3.外部のメール配信サービスを利用する(API)際のポイント

多くのメール配信サービスでは、AWSなど外部システムと連携するためのAPIを利用できます。外部のサービスを利用する方法は、サービス提供側によって、さまざまですが、共通すると思われるポイントを紹介します。


[ポイント]

  • ・MTAの構築や運用が不要

  • ・メール配信サービスとシステム連携するための開発が必要

  • ・国内のISPに最適化された配信アルゴリズムでメールを送ることができる
     提供ベンダーにより、アルゴリズムの精度は大きく異なりますので、どのような方法や取組みを行っているかは、サービス提供元に必ず確認しましょう。メールの配信実績数を比較してみるのも、1つの方法です。

  • ・送信ドメイン認証(SPF、DKIM)を設定する
     SPFは自身で設定する必要がありますが、DKIMについては標準で対応しているベンダーが多数あります。

  • ・リストのクリーニングはメール配信サービス側で行われる
     ほとんどのサービスでは、自動で届かないアドレスをクリーニングする機能は標準で提供されています。ただし、クリーニングする精度(恒久的エラー、一時的エラー)はベンダーによって大きく変わりますので、確認しましょう。

  • ・効果測定ができる
     URLクリックや開封などの効果測定機能が標準で備わっている。


4.外部のメールリレーサービスを利用する(SMTPリレー)際のポイント

既にAWSにMTAを構築しているが、国内のキャリアに最適化した配信アルゴリズムで正しく届けたい場合に利用する方法です。メールリレーサービス(SMTPリレー)を利用すれば、AWSから送信するメールの送信先を変えるだけで、最適なメール配信を行うことができます。


[ポイント]

  • ・AWSにMTAの構築は必要だが、ISPに最適化した送信制御は不要

  • ・国内のISPに最適化された配信アルゴリズムで、メールを送ることができる
     提供ベンダーにより、アルゴリズムの精度は大きく異なりますので、どのような方法や取組みを行っているかは、サービス提供元に必ず確認しましょう。メールの配信実績数を比較してみるのも1つの方法です。

  • ・送信ドメイン認証(SPF、DKIM)を設定する
     SPFは自身で設定する必要があります。DKIMについてはメールリレーサービス側で、DKIM対応しているサービスもあります。その場合は、自身でDKIM署名を付与する必要がなく、便利です。

  • ・リストのクリーニングはメールリレーサービス側で行うこともできる
     サービスによりますが、自身で届かないアドレスをクリーニングする機能が備わっているサービスもあります。その場合は、自身でクリーニングする仕組みを開発する必要がなくなります。

  • ・サブミッションポートが利用できるサービスを利用すると便利
     2.のポイントで、解説しましたが、AWSでは、メール送信に使用するSMTPの25番ポートを制限する Outbound Port25 Blocking を行っており、制限の解除には申請が必要です。しかし、メールリレーサービスが サブミッションポート に対応していれば、申請が不要になるため、便利です。


当社では一斉送信用の「メール配信サービス」や「メールリレーサービス」を提供していることから、上記のポイントについて、相談いただくケースが多々あることから、今回いくつかのポイントを紹介いたしました。

AWSを利用してメールを配信するためには、いくつかの実現方法があり、それぞれ配慮するポイントも変わってきますので、ご参考になればと思います。

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