マーケティングオートメーションの成否はコンテンツが左右する
メールを使った高度な施策を行うツールとして、マーケティングオートメーション(以下、MA)が注目されています。お客様の目的や関心、行動はそれぞれ違います。それぞれのお客様に合わせた個別の対応をシナリオ化して、マーケティングを自動に行う仕組みがMAです。
メール以外にも、ウェブ分析ツールや有料広告、SNSなどを併用しているマーケッターは多いと思います。これらの断片的なデータを一元化するために生まれたのがMAというわけです。
日本での導入状況
日本では、2015年頃からMAが注目され始めていますが、海外の状況と比較し、その導入は、かなりスローペースであると見られているようです。
2017年にジャストシステムが行った調査の結果が、海外のオンラインマーケッター向けの媒体で紹介されていたので、ご紹介します。
2017年3月に行われたこの調査は、広告・営業、マーケットリサーチ、マーケット分析に関する業務に関わっている314名に向けて行われました。「導入した」と回答した人は、28.3%です。
一概に比較しにくいとは思いますが、この数字は、他の先進経済国と比べるとかなり低いようです。
例えば、別の調査(DemandWave社の調査)によると、米国では、BtoBの業界にいるマーケッターの69%が、2016年に既に導入を終えているそうです。
MAを導入したものの成果が出ない?
MAに対する期待はとてつもなく大きいものの、思うような成果が出せないという声も耳にします。
「マーケティングオートメーション導入前に検討しておくべきこと」にて、米国のリサーチ企業による調査レポートをご紹介しました。調査対象の企業のうち、45%が、マーケティングオートメーションの最も大きな障壁は、「効果的な戦略がない」ことであると回答しています。そして、「複雑である(41%)」、「予算が掛かりすぎる(37%)」という回答が続いています。
MA導入のコンサルティングを行うSalesNexus.com社のクレイグ氏は、経済誌、Forbesの記事で、「MAの導入から2年経過した企業に調査を行ったところ、『売り上げが伸びた』と報告している企業は40%に留まる」と述べています。 以下に、クレイグ氏が考える "導入時や導入後に悪銭苦闘しないための要点" をご紹介します。
導入時の費用や工数、およびランニングに対する見込みが甘い
- ●多くの企業は、新たにMAを導入するにあたり、最初に準備しなければならない範囲と工数を大幅に低く見積もりすぎている。最高の成果を出そうとしたら、フルタイムで勤務するMA専任の担当が一人必要になる。
- ●最も効果的で価値のある機能は、相当量のトレーニングや技術的なノウハウを学ぶことが要求されるため、結局のところ、まったく使われていないという状況が見受けられる。
- ●リソースの欠如と、メールコンテンツのライティングの経験の乏しさが、コンテンツの質と量の低下をもたらし、リード育成の効果を阻んでいる。
各分野の専門家が必要になる
- ●MAの理想を言うなら、下記の業務の専門家が必要になる。
- ・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)やERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)と統合する業務
- ・ターゲットのペルソナ、購買プロセス、競合との違いを明確化する業務
- ・各製品ごとの購買プロセスを踏まえた質の高いコンテンツを製作する業務
- ・結果を分析して、メールを最適化し続ける業務
- ●販売や運用のためのツール、そして、財務のシステムと統合しなければ、ふさわしくないメッセージがふさわしくないお客様に届いてしまうということが、大いに起こり得る。
コンテンツ制作の体制が安易過ぎる
- ●最もよくあるMAの失敗は、セグメントの甘さと、質の低いコンテンツが直接の原因になっている。結果がどうなるかというと、メッセージやコンテンツの用意がまったく足りていないということになる。
- ●多くの企業では、ホワイトペーパーをたったひとつだけ用意し、リード生成、リード育成、休眠顧客のすべてに対し使っている。どういうことが起きるかと言うと、つまり、場違いなメッセージが、場違いな人に届くという事態を招く。
- ●制限されたリソースでは、結局、同じものを繰り返して使うしかない。
以上が、 クレイグ氏の考えるMAの導入と運用に関する成否の要点です。
肝になるのはコンテンツ
MAを導入するにしても、メール配信システムを使い続けるにしても、肝になるのは、"コンテンツ" です。こればかりはシステム化できないので、人力で管理してがんばるしかありません。
MAに対する議論を見ていると、メールの存在価値に改めて気づかされます。いわゆるメール配信システムにも、ステップメールという機能があります。一斉メールではない一歩進んだマーケティングを行うことが可能なので、ぜひ、お試しください。
キューノート エフシー
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