ペルソナマーケティングとは?メリットから注意点まで徹底解説
具体的な架空の顧客像を元にマーケティングをする「ペルソナマーケティング」をご存じでしょうか。 上手く実行に落とし込むことが出来れば、効率の良いマーケティング施策につながる可能性があります。
今回は、「ペルソナとは」から、具体的に行う手法など網羅的に解説していきます。
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ペルソナマーケティングとは?
ペルソナマーケティングとは、架空の顧客像を作成し、その顧客に適したマーケティング施策を考え、実行していく手法です。
従来マーケティングで行っていた顧客像は、20代女性のように大きな括りであることが一般的でした。しかし、年齢性別レベルの括りでは、趣味嗜好なども多種多様であり、生活環境なども大きく異なります。より実際の顧客像・求める顧客像への解像度を上げるために、趣味・ライフスタイルという細かい部分まで設定した架空の顧客像であるペルソナを作成します。
ペルソナに合った広告文などマーケティング施策を考え実行することで、獲得したい顧客に対してキメ細かく訴求することができます。
1人1人に合ったマーケティングである1to1マーケティングが求められる時代においては、ペルソナマーケティングの考え方も重要視されます。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットの違いは主に2つで、顧客の解像度の違いです。
マーケティングでは、獲得したい顧客群をターゲットと呼ぶこともあります。このターゲットは、20代男など大きな括りで顧客を分類して、マーケティングを行う手法です。ターゲットの決め方は、過去獲得したお客様の中でも多い分類が対象です。
対してペルソナは、具体的な一人を過去のデータを参考にするものの、主には想像で作成していきます。
ペルソナを使用するメリットは?
顧客への高い解像度でキメ細かい訴求が出来る
社会人に渡すプレゼントを考えるより、よく知っている会社の隣にいる人に渡すプレゼントを考えるほうがより具体的に考えられます。「会社の隣の人と同じような人」のケースでも具体的に考えやすくなるでしょう。
同じように、ペルソナで顧客像を具体的に想像できるレベルになれば、おのずとマーケティング施策も具体的でキメ細かく訴求することが出来るようになります。
ペルソナを使用する本質的なメリットは、この顧客像を具体的にすること=解像度を上げるという点です。
社内での顧客像を統一できる
今の事業の顧客像は見えていますか?それは部内、部を超えて統一されていますか?
個人レベルでも顧客像が何となく固まっているレベルで、具体的に見えていないのであれば、行っているマーケティング施策も顧客にとってはピントが外れた提案になっている可能性があります。
部内や、部を超えて統一されていないのであれば、各施策がバラバラになっている可能性があります。
ペルソナを作成することによって顧客像を統一化し、社内での認識を合わせることで、あらゆる施策に統一感が生まれ、より戦略的なマーケティング・営業活動が出来るようになります。
顧客視点で考えられる
マーケティングや営業では、気づくと顧客視点を忘れてしまい、伝えたいこと・知ってもらいたいことなど、自社・自分都合になりがちです。ペルソナマーケティングによって、顧客のイメージをリアルにすることで、より顧客視点で考えやすくなるでしょう。
ペルソナ作成後は、施策を検討するときにペルソナのことを考えられているか、振り返る習慣を作ることをオススメします。
ペルソナを使用するデメリットは?
「結局、いない顧客像」になってしまう
ペルソナマーケティングの最大の欠点は、作成したペルソナは実在しない可能性が高いことです。本当の顧客像からも離れてしまうと「結局いない顧客」になってしまいます。
これは作成する過程で、顧客の実態から離れて行ってしまう可能性があるためです。顧客のデータからペルソナを作る場合でも、それぞれの平均・多いパターンを踏まえて作成する場合、ペルソナそのものが平均値となり、結局いない顧客像になってしまいます。
ペルソナマーケティングは、顧客の解像度を高めキメ細かくアプローチする方法のため、いない顧客像であれば、まったく関係ないマーケティング活動を行うことになります。
ターゲットが狭くなってしまう可能性がある
ペルソナは、1人の人格を作りますが、実際のビジネスは顧客が一人ということはあり得ません。年齢性別・状況など、さまざまあります。ペルソナでターゲットを狭くし過ぎてしまうと、顧客になり得る人たちがサイトなどに訪れた時、自分は対象外の商品・サービスだと認知される可能性があり、本来獲得できる顧客を逃してしまう可能性があります。
そもそもペルソナがあっているかの確認が定期的に必要
今の20代と10年前の20代では趣味嗜好は違うでしょう。1年前でも趣味嗜好が変わっているかもしれません。顧客の状況は常に変化します。また顧客そのものが入れ替わることもあります。
そのため、定期的にペルソナがあっているのか。ズレが生じていないのか確認が必要です。
ペルソナのデメリットを補うためには
デメリットで紹介した点は、比較的大きな問題のため、ペルソナマーケティングに対して懐疑的な見解を持つ人も少なくありません。実際に行う場合には以下のような注意が必要です。
ペルソナは実在する人に近づける
ペルソナを作成する時には、多少平均値とズレが生じても実在する人をベースにすると良いでしょう。昨今ではN=1と呼び、1人の顧客に対してインタビューを行い、施策につなげる方法もあります。
実際にいる顧客をイメージして進めましょう。
ペルソナの粒度を調整する
少し矛盾しますが、ペルソナ作成時に趣味・ライフスタイルなどで細かい部分まで決めすぎてしまうと、不用意にターゲットを絞る可能性があります。一方、一定の細かさまで決めなければペルソナマーケティングにはなりません。
ペルソナマーケティングの本質は、顧客の解像度を上げて対策を行うことですので、その目的以上のペルソナ作成にならないようにしましょう。
オススメは、趣味・ライフスタイルなどプライベートな部分まで掘り下げる場合には、その項目が事業に影響するかを考えましょう。例えば、ゴルフ関連の商品であれば、ゴルフを行う前後で活用される可能性のある車の運転の有無や、ビールなどアルコールの好みなども考えても良いでしょう。反対にBtoBビジネスで、プライベートの趣味まで考えるのは、あまり関係がなく効果が出づらい可能性があります。
ペルソナマーケティングを行う方法
ペルソナマーケティングを進めていくためには、下記のステップに合わせて考えていきましょう。
- 現在の顧客を分類する
- 分類した中で、獲得したい層をピックアップする
- ピックアップした層に近い顧客にインタビューをする
- ペルソナを作成する
- ペルソナに合わせたマーケティング戦略を考える
- 振り返り改善する
1.現在の顧客を分類する
性別・年齢・職業・年収・住まいなど大きな括りで、顧客を分類していきます。
この分類段階では、対象となる事業の中で、特に傾向が違う分類にしていきましょう。例えば、チェーン展開している店舗型のビジネスの場合など、関東と関西で大きく顧客の性質・購買行動が違うのであれば分けたほうが良いでしょう。一方、Webサービスであれば地域差があまりないという場合もあります。その場合には、住まいで分ける必要はないでしょう。
また分類を分ける際には、以下のように30代の東京済み、20代の大阪済みなど、複数の項目をクロス集計してみましょう。
分類例 | 関東 | 関西 |
---|---|---|
20代 | 35%(70人) | 20%(40人) |
30代 | 15%(30人) | 10%(20人) |
40代 | 10%(20人) | 10%(20人) |
2.分類した中で、獲得したい層をピックアップする
獲得したい層をピックアップする際には、実際に獲得できるのか・獲得が伸びやすいところはどこかも含めて検討しましょう。
例えば先ほどの表では、40代のみ東京と大阪の人数が同じです。施策によっては40代東京の顧客数を増やせるかもしれません。しかし、割合としては全体の10%にしかすぎません。20代を狙っていったほうが効果的の可能性があります。
数字の裏にある、「なぜ獲得できているのか」「なぜ獲得ができていないのか」も考えて獲得したい層をピックアップできると良いでしょう。
3.ピックアップした層に近い顧客にインタビューをする
ペルソナマーケティングのデメリットであった、実在しない人になってしまうことを避けるために、ピックアップした層に合う人を何名かインタビューしましょう。
インタビューする際には、以下のような項目でヒアリング出来るとよいでしょう。
- 自社の商品・サービスを知った理由
- 自社の商品・サービスを興味持った理由
- 商品・サービスを利用・購入した理由
- 同じ分類で他社の使用状況
基本的には、商品・サービスを知る理由から購入・利用するまでの過程についての「なぜ」をヒアリングします。例えば商品・サービスを知った理由で「広告で見た」程度ではなく、どういうタイミングでどういう状況で見たかなど出来る限り深堀します。
合わせて他社の使用状況も確認すると良いでしょう。常連客の場合でも、自社だけを使っているわけではなく、そのカテゴリの商品・サービスを高頻度で利用しており、自社への利用頻度が高まっているのかもしれません。
4.ペルソナを作成する
ヒアリングしたデータを元に、ペルソナを作成していきます。例えば以下のように、プロフィールを作成したうえで、概要でその人を想像できるように文章化しておきます。プロフィールにはイメージする人物の写真を入れても良いでしょう。
関東 | |
---|---|
名前 | 山田太郎 |
年齢 | 24歳 |
性別 | 男性 |
住まい | 神奈川県 |
年収 | 400万円 |
趣味 | キャンプ |
よく見るテレビ番組 | 〇〇ニュース |
概要 | 山田太郎さんは、大学卒業後メーカーの営業として活躍している。毎週のようにキャンプに行き、家にいないことが多い。また勤勉でニュースをよく見ることやビジネス系の本もたくさん読む |
5.ペルソナに合わせたマーケティング戦略を考える
ペルソナが作成できたら、その人が興味を引くマーケティング戦略を考えます。例えば、ニュース番組をよく見る人であれば、ニュース・経済・ビジネス関連の広告媒体に出向すること。広告バナーなどの文章・デザインではキャリアアップや仕事の効率化につながる訴求が良いかもしれません。
マーケティング戦略を考えるうえでは「どの媒体で」「どのように訴求するのか」などを考えるとよいでしょう。
6.振り返り改善する
ペルソナマーケティングを実行したら、必ず振り返りましょう。
- 顧客属性分けをした表を元に、効果が出たかを検証する
- ペルソナが実態と変わっていないか再検証する
ペルソナマーケティングがうまくいく場合には、対象となった顧客層の割合や購買単価など数値上の改善がみられるはずです。施策を行った後には必ず検証を行いましょう。
また一つの顧客層に偏った場合、他の顧客層に影響する場合もあります。全体の売上・他の顧客層の状況も踏まえて検証しましょう。
さらに、時代の流れが激しい昨今においては、一度決めたペルソナも古くなっている場合があります。例えば、〇〇のSNSを使っているという場合、すでに古くなっていて使っていない場合も考えられます。
ペルソナマーケティングは、メール配信システムで
ペルソナマーケティングを実施する場合には、メール配信システムを利用したメルマガ施策から始めることが最適です。メール配信システムでは、セグメント分けをすることが出来たり、開封率・クリック率などメルマガの購読状況を確認することが出来ます。
費用も他の広告媒体と比べ比較的安価にできることから、一度ペルソナ施策があっているかどうか検証するために、メルマガを送ってみましょう。もし高い効果が出る場合には、他の施策にも反映し本格的なペルソナマーケティングが出来ると良いでしょう。
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