水中に微細な気泡を発生させ、洗浄、浄化、保湿、酸素供給などを行うファインバブル技術の専業メーカーである「サイエンス」。2007年の創立以来、ファインバブル技術を採用した製品の開発、製造、販売を手がけており、近年ではウルトラファインバブル技術を採用したシャワーヘッド製品「ミラブル」シリーズが大きな人気を博している。
そんな同社は、ミラブルシリーズの新モデル「ミラブルzero」の販売に際し、前モデル「ミラブルplus」のユーザーに対してメールによる販売促進キャンペーンを実施した。その配信システムとして採用したのが、ユミルリンク社の「CuenoteFC」及びコクー社が提供するマーケティング支援サービス「デジサポ」だった。導入に至った背景やその成果について、施工管理部 東日本ブロック 課長 髙橋佑太氏にお話を伺った。
髙橋:ウルトラファインバブルを採用したシャワーヘッド「ミラブル」シリーズの新製品「ミラブルzero」の発売に伴い、1世代前のモデル「ミラブルplus」をご愛用しているお客様に向け、同製品を告知するとともに製品をアップグレードしてお得に購入していただける機会を設けたいと考えたことが1つの理由です。
また、ミラブルを利用することでお客様から寄せられている、共通したお悩みや課題を解決する使い方についても発信したいと考えました。
髙橋:実はこれまで、メールアドレスは収集していたものの活用したことが無く、今回が初めてのメール配信でした。当社ではYouTubeなどのSNSを通じて情報を発信しているのですが、個々のお客様へその情報が行き渡っているかは把握しきれていませんでした。一方で、過去に購入されたお客様(代理店経由での購入を除く)には、メールアドレスなどの情報を含めたメンバー登録をしていただいていました。
せっかく提供いただいたお客様情報(メールアドレス)を活用しないことや、お客様と直接的にコミュニケーションを取る方法がないのは機会損失に繋がると考え、ミラブルzeroの発売を契機にメール配信施策を実施することにしました。
髙橋:先述のように、メール配信による情報発信の経験・ノウハウが社内になかったことが大きな課題でした。どのようなタイトル(件名)を付けたらお客様はメールを開いてくれるか、どんなデザインならメールを詳しく見ようと思うのか、時間帯や曜日など適切な配信タイミングがあるのか……といった、メールマーケティングに関するノウハウが社内に全くなかったのです。
髙橋:メール配信サービスの選定の際は、配信コストや配信実績といったところに焦点を当てるとともに、我々が抱えているメールマーケティングのノウハウに関する課題を解決してくれるようなサポートサービスを求めていました。
そんな中で、メール配信システム「Cuenote FC」を提供するユミルリンク社に問い合わせたところ、メールマーケティング支援「デジサポ」についてもご提案いただきました。
髙橋:そうですね。メールのデザインや作成方法に関するノウハウはもちろん、たとえば配信リストを作成して一斉配信を実施する場合でも、社内の工数を確保することが難しかったため、そうした部分までコーチングやサポートを受けられると知り、CuenoteFCとデジサポを合わせて導入することを決定しました。
社内では上述の課題感を持っていたため、メール配信+コンサルティングも受けられるというサービスの導入は比較的スムーズに進みました。
髙橋:2024年8月末にユミルリンクへお問い合わせを行い、クリスマスでのプレゼント需要を見越して12月10日頃のメール配信を目標に、具体的なデザインや内容についてコクー社と協議しながら準備を進めました。
髙橋:コクー社の担当者がいろいろと策を講じてくれたのですが、メールのサブジェクトには「大特価」というようなお得感のある文言を入れたり、メール本文にはイメージキャラクターの女性タレントの写真を大きく使ったりしました。
またミラブルは、主に働き盛りの女性がメインユーザーとなっているため、仕事帰りの電車内でメールを読んでいただけるよう、週末ではなく平日の夜、金曜日の17時頃に配信するなど、読者像(ペルソナ)をしっかりと定めたうえで施策を行いました。いずれも我々が持っていないメールマーケティングのノウハウだったので、非常に助かりました。
髙橋:ミラブルのオーナー登録いただいたお客様、約6万3000件へキャンペーンメールを配信しました。その中で1145件のアップグレード申し込みがあり、最終的に製品のご購入に至ったのが1044件。交換プログラムが1件あたり約2万円ですので、約2000万円の売上となりました。
髙橋:この結果については、社内でも非常に高く評価され、実は私自身が社内表彰も受けることとなりました。費用対効果も非常に高く、インパクトのあるメール配信施策になったと言えます。
私自身も、非常に大きな成果をあげられたと考えています。ミラブルのメンバー登録は2019年から行っており、ほぼ5年以上もマーケティング施策に活かせていなかったため、突然届いたキャンペーンメールがどれほどの反応を得るのか、不安でした。しかし、これだけの反応があったのはCuenoteFCとデジサポによるサポートがあってこそだと実感しています。
SNSや動画、Web広告などでのマーケティング施策が全盛の現在、メール配信によるマーケティングにどれだけの効果があるかは懐疑的でしたが、これだけの成果が得られました。正直、当社だけでメールをデザイン、作成したのではここまでの成果は得られなかったと思います。このことからも、メール配信に関わるプロの方の助力があってこその成果だと強く感じています。
髙橋:ミラブルzeroのキャンペーンメール以降、コクー社からの提案で、お客様へアンケートメールを送信し、いくつかのご意見をいただきました。今後は、今回のアンケート結果を踏まえながら、お客様へ定期的にメール配信を行う予定です。このように定期的なメール配信によって、ミラブルシリーズに愛着を持ってもらうことで、お客様のファン化を促し、販売キャンペーンへ誘導するような動きができれば、さらなる売上拡大が実現できると思います。
また、ミラブルシリーズに限らず、たとえば昨今では水道水に含まれるPFAS(有機フッ化化合物)の問題が全国的に広まっていますが、そういった社会的課題を当社の製品で解決できるといった情報提供をCuenoteFCによるメール配信で実行できれば、よりいっそう安心して当社製品を使っていただけると考えています。このような取り組みを通して、今まで以上にお客様と信頼関係を構築していけたらと思います。