国内最大の料理レシピ投稿・検索サイト「クックパッド」では、PCと携帯向けにそれぞれレシピ情報などを配信している。メール配信は、ユーザーにピンポイントで情報を発信できる唯一のツールとして、これまでの会員拡大を支えてきた。
PCだけではなくフィーチャーフォン・スマートフォンへの高速配信が可能
主要なメールマガジン毎にワークエリアを分けて、配信ミスの発生を防止
購読申込み・解除の自動化により、大切な個人情報に触れる必要がない
クックパッドは、「毎日の料理を楽しみに」というミッションのもと、レシピ検索サービスを提供する他、会員同士で料理に関する疑問を質問・回答するサービス、野菜の宅配、料理教室の情報提供等、料理に関する事業を幅広く展開している。
現在のレシピ登録数は、130万件で、20~30代の女性を中心に月間2,000万人もが利用する日本最大の料理レシピサイトとなっている。
同社は、ユミルリンクのメール配信システムをメールマガジンサービスを開始した8年程前から利用している。同社が送るメールマガジンは、1日1品の 厳選したレシピ情報を日刊で配信している。また、その他にも食品メーカーなどとコラボレーションしたレシピコンテストの開催や、新商品や話題の商品を使っ たレシピを掲載するモニター募集のお知らせを不定期で配信している。
現在の配信規模は、パソコン、携帯向けあわせて数十万件以上となっており、同社の事業拡大とともにメール購読者数も順調に伸び続けてきた。
同社は、大量に配信するメールマガジンを複数運用しておりメールマガジン毎に対象となる配信リストが異なる。配信規模が大きいだけに、ちょっとした手違いが重大な配信ミスにつながる可能性があった。
「Cuenote® FC」は、2010年に同一のアカウント内に独立した作業領域を設けることができるワークエリア機能を実装した。この機能により、ログインアカウント毎 に、閲覧できる情報や機能を制限する権限設定が行えるようになった。同社は、本機能を採用して主要なメールマガジン毎にワークエリアを分けるとともに、配 信担当者がメール文章を作成し、上長が内容を確認・承認したメールマガジンのみ配信できる運用フローへ変更した。同社のユーザーサポートグループ グルー プ長の渡邉氏は「スタッフによって業務内容が異なるため、必要な情報だけを見せるようにしたかった。他社のメール配信システムではその切り分けが難しい。 『Cuenote® FC』は、権限を細かく設定できるため、私たちの業務形態にあっていました」と「Cuenote® FC」の使い勝手を評価した。
同社は、これまでウェブサイト上でメールマガジンの購読申し込みを受け付けた後、都度メールアドレスのリストをCSVで取り出し、メール配信システムに登録しなければならなかった。その他にも購読解除や会員の退会等、配信リストから削除しなければならない手間もあり、配信規模が大量になるとともにメール運用に関する業務負担も増していた。そこで、同社はユミルリンクに要望を伝え、「Cuenote®」のAPIを利用してウェブサイトの登録・解除/入会・退会フォームとメール配信システムの配信リストを連携できるようにカスタマイズすることにした。
同社のサービスデザイン部 部長の五十嵐氏は、「自動化したことによって、メールマガジンに関連した日々の業務負担から解放されて、担当者は入稿のことだけに専念できるようになりました。何よりも、個人情報に触らずに済むようになったことの影響は大きいです。メール運用が非常に安全になりました」と語った。こうしたユミルリンクに対する要望への対応について、渡邉氏は、「当時サポートを担当していただいた方には、かなり細かくヒヤリングしてもらいました。私たちがどういうことを欲しているかを各レイヤーに落とし込んで整理し、ユミルリンクで実現できることを提案してくれました」と感想を述べた。
クックパッドでは、フィーチャーフォン、スマートフォンいずれにもサービスを提供し、売上を大きく伸ばしている。
同社にとってのメール配信の位置づけについて五十嵐氏は、「前職では自社でメール配信を構築していた。メールの配信にはたくさんのノウハウが必要で、モバイルはさらに特殊な知識が必要だ。キャンペーンのお知らせやメンテナンスのお知らせなど、当たり前の情報と思われるかもしれないが、そういった情報が確実にモバイルユーザーに届く。この環境を自社で用意することなく、利用できていることが事業拡大を支えているし、安心感につながっている」と語った。
同社のサービスは、携帯デバイスとの相性がとても良い。最近ではキッチンでインターネット上のレシピをスマートフォンやタブレットに表示し、まるで料理本のように利用するユーザーも多いという。
携帯電話各社が提供する通信パケット定額制サービスの充実や近年のスマートフォンやタブレットの利用者拡大の波は、同社のサービス事業の成功を後押ししてきた。現在も利用者が多いフィーチャーフォンはもちろん、スマートフォンにも一斉に情報を高速配信できるメール配信システム「Cuenote® FC」は、同社のこれまでの発展を支えてきたともいえる。