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総務省のアクション・プランに盛り込まれた「キャリアメール持ち運び制度」とは?

公開日:2020/11/13  更新日:2020/11/26
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総務省のアクション・プランに盛り込まれた「キャリアメール持ち運び制度」とは?


 総務省が10月27日に公表した「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」(以下「アクション・プラン」)の中で、2020年度内に検討を行う事項の一つに「キャリアメールの持ち運び実現」が挙げられたニュースが話題となっています。

 日本における携帯電話の爆発的な普及が進んだ2000年代、社会インフラの一つにもなった「キャリアメール」。携帯電話事業者のISPサービスに紐づくメールサービスとして、大手MNO事業者(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)に加えMVNO事業者の一部でも提供されています。通常、キャリアメールで使用されるドメイン(メールアドレスの@より後ろ=右側の部分)はその通信事業者独自のものとなり、契約する事業者が変わればドメインも変更され以前のメールアドレスは利用できなくなります。

 アクション・プランでは、このキャリアメールについても電話番号におけるMNPと同様に持ち運びを可能とすべきという提言が盛り込まれ、今後の検討項目として定義されました。今回は、日本におけるキャリアメールの生い立ちと歴史、そして現代のモバイルコミュニケーションの変化について考えます。


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【目次】

 1.キャリアメールの生い立ちと歴史

 2.キャリアメールの利便とセキュリティ

 3.総務省がキャリアメールの持ち運びを勧める理由

 4.メールコミュニケーションの変化

 5.おわりに



キャリアメールの生い立ちと歴史


 携帯電話端末の小型化が進み広く手に入りやすくなった90年代、主要な通信会社がデジタル通信方式である「第2世代(2G)」への対応を開始したことで、端末からのWeb接続が可能になりました。当時、端末間のコミュニケーション手段としては音声通信回線を利用した方式であるSMS(ショートメッセージ)が国際的に普及していましたが、規格が統一されている海外と違い日本の場合音声通信規格がキャリア毎に分かれていたためSMSのやり取りに互換性が無く、キャリアを跨いでの文字コミュニケーションに不便がありました。

 そこで、各キャリアによるWeb接続(キャリアポータルサイト)サービスの導入と前後して、Web接続可能なデジタル通信の利点を活かし、それぞれのキャリアが自社ISPサービスに付随する機能として電子メールサービスを提供し利用者にアドレスを付与することで、キャリアを跨いだ文字コミュニケーションが可能となりました。この時、ユーザーに付与されるメールアドレスのドメインはそれぞれのキャリアで固有のものとなったことから「キャリアメール」という通称が生まれました。


キャリアメールの利便とセキュリティ


 こうした経緯からもわかる通り、キャリアメールとは「携帯キャリアが公式に提供するメールサービス」という背景を持つことから、利用者に付与されるキャリアメールのアドレスは「本人同一性の高い個人情報」という認識が広がり、各種サービスの申込時などにキャリアメールアドレスの入力を必須とするケースが増えるなど、普及期においてはアドレスそのものが高い価値を有していました。

 また、導入当時のキャリアメールは、ユーザー本人が利用する携帯電話のみで利用されることを前提としていたためシンプルかつクローズドで、パケット通信量による従量課金が主流だった当時の料金体系から、仕事やプライベートでも見知った相手同士のやり取り、即ち「親密度が高い」やり取りに重用されていたのがキャリアメールでした。

 加えてこの頃、普及に伴い迷惑メール対策の必要性が高まったことに関連し、キャリア各社が「ドメイン指定受信」や「PCからの送信ブロック」、「送信元なりすまし対策」等のセキュリティ対策を導入。ユーザーが安全・安心してメールを利用できる取り組みも併せて進められた時代でした。


総務省がキャリアメールの持ち運びを勧める理由


 今回、総務省が「キャリアメールアドレスの持ち運び」に言及した背景には、寡占市場化が進んだ携帯電話事業者間の競争を促進するため「過度な囲い込み施策を改める」という目的が込められています。

 ここで言う「囲い込み」とは、ユーザーにとって回線のスイッチングコストを生むものを総称しています。契約期間のいわゆる「縛り」や解約金、解約可能な期間の設定、他社のSIMを使えなくする制約(SIMロック)、端末と回線のセット販売に対する割引等、直接的・間接的なコスト含め様々ありますが、「ユーザーが情報を引き継げないもの」もスイッチングコストとして考えられ、これらをなるべく無くしていくことが「健全な競争環境の整備」に資するという理念に基づいています。その代表例が「電話番号」と「メールアドレス」であるわけです。

 このうち電話番号については、日本では2006年に番号ポータビリティ(MNP)制度がスタートし事業者が変わっても同じ番号を使い続けられるようになり、この結果事業者各社がサービスの拡充や料金値下げを通じ、自社ブランドをより魅力的なものにしていく動きが加速し競争が促進されました。こうした経緯から「キャリアを跨いで情報を引き継げるようにすることが競争促進に有効である」という見方が広がり、現時点においても引継ぎが不可能であるキャリアメールのアドレスについても、電話番号同様に持ち運びできるようにすべきという提言に繋がっています。


メールコミュニケーションの変化


メールコミュニケーションの変化


 スマートフォンそのものや、5Gをはじめとした超高速通信が誰でも使えるようになった現代において、コミュニケーションの手段は大きく変化してきました。メールについても、デジタル化により絵文字が普及し、「写メール」に代表されるような添付ファイル付きメールが当たり前になり、スマートフォンの普及によってHTML形式のメールマガジンも広く普及しました。

 加えて、グローバルプラットフォーマーが中心となり、誰もが簡単にアカウントを持てるWebメールが爆発的に普及し、メールを取り巻く環境は様変わりしました(過去記事:「Gmailが「単独過半数」獲得-世界のメール閲覧環境調査」)。登場当時は、通信回線契約に紐づくキャリアメールに対し「フリーメール」とも呼ばれていましたが、今ではスマートフォンで利用するアカウントの登録時にメールアドレスがバンドルされており、マルチデバイスでメールアカウントを扱うことも当たり前になっています。

 MNO各社は今もキャリアメールアドレスを提供していますが、MVNO事業者でキャリアメールサービスを提供しているのはMNOの傘下でサービス提供を行っている一部事業者に限られ、「携帯電話は持っているけどキャリアメールは持っていない」ユーザーも少なからず存在しているのが現状です。総務省の掲げるメールアドレスの持ち運びが実現した際に、どの程度のインパクトがあるのか、注目される点でもあります。


おわりに


 今回は、総務省が提唱した「キャリアメールアドレスの持ち運び」について取り上げました。Webメールが普及した現代ではありますが、ユーザーにとって不便のない環境に向かっていくという点においては歓迎すべき変化と言えるかもしれません。実際の検討が始まるのはこれからになりますが、メールコミュニケーションにどのような変化をもたらしていくのか、続報が待たれます。

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