【2024年2月以降】Gmail送信者ガイドライン変更!メルマガ送信者は要注意
2024年6月以降メルマガの到達率が悪化している。そもそもGmailユーザーに対して到達率が悪いという場合には、Gmail送信者ガイドラインに対応できていない可能性があります。
当記事では、Gmail送信者ガイドラインについて、また2024年に対応が必須になった項目、対策について紹介していきます。
当社が提供しているメール配信システム「CuenoteFC」の、ガイドラインへの対応については、以下よりご確認いただけます。
CuenoteFCのガイドラインへの対応について詳しくはこちら>>
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Gmail送信者ガイドラインとは?
Gmail送信者ガイドラインとは、個人用Gmail宛てにメールを送信するときの要件をまとめたものです。主な対象は1日あたり5,000件を超えるメールを送信する送信者です。
要件に満たしていないと、Gmail宛てに送るメールが迷惑メールに振り分けられることなど、正しく届かない可能性があります。
2023年10月、Google社よりGmailの新しい「メール送信者のガイドライン」として発表され、2024年6月からはすべての要件に満たないと正しく届かなくなるか、すでに届かなくなっている場合があります。
Gmailのメール送信者のガイドライン変更の目的とは
今回のガイドライン変更の目的は、Gmailの個人利用者に届く迷惑メールを減らすことと考えられます。
迷惑メールは、メールそのものやメーラーの利便性を低下させるだけでなく、フィッシング詐欺などユーザーが被害にあう可能性もあります。迷惑メールを減らすことでGmailの利便性が高まり、利用ユーザーが増える可能性があります。
そのため、他のメーラーにおいても同レベルのセキュリティ要件を求める可能性があり、将来的には、さらなる要件の追加もありえます。今回の内容を把握したうえで、今後の状況も注視する必要があります。
対象となる「1日5,000件以上のメールを送信する送信者」とは?
1日5,000件以上のカウント方法は、 同じプライマリドメイン(※)から配信されたメールであることが条件です。
(※)プライマリドメインとは、「@ymir.co.jp」 のような独自ドメインを指します。
例えば、@以下が異なる「@sales.ymir.co.jp」のようなサブドメインを併用してメール送信を行っている場合も、プライマリドメインは同じ「@ymir.co.jp」と判断されます。
サブドメインを併用して配信した場合でも、合計5,000件を超えたら新しいガイドラインが適用されるため注意しましょう。
現在(2024年6月)求められている主な要件とは
- 送信メールを認証すること
- 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにすること
- 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること
この要件を要約すると、「あなたが送るメールになりすましたメールを防ぐことや、ユーザーが見分けられるよう認証対応しましょう。そして、あなた自身がユーザーにとって迷惑となるメールを送らないようにしましょう。もし受信者が受け取りたくないと思ったらすぐに停止依頼を出来る仕組みをしましょう。」ということです。
この3つを実現するために、3つの認証対応。迷惑メール率を低く抑えること、List-unsbscribeなど配信解除の仕組への対応があります。順番に解説していきます。
1.送信メールを認証すること(SPF、DKIM、DMARCを設定する)
第三者によるなりすましやメール内容の改ざんを防ぐために必要な認証設定です。
SPFとは
SPF(Sender Policy Framework)は、電子メールの送信元ドメインが詐称されていないか確認する仕組みです。メール送信で使用されるSMTPでは、差出人のメールアドレスを自由に設定できてしまうため、なりすましが発生してしまいます。 そこで、ドメイン情報(メールアドレスの@の後ろの文字部分)を管理しているサーバーであるDNS のSPFレコードに「このドメインのメールは、このメールサーバーから送ります」という設定を行います。
受信者側はメールを受けるときに、送られたメールサーバーと、SPFレコードの設定内容が一致しているかをDNSに確認することで、なりすましが発生していないか確認をします。
SPFレコードの設定方法
①メール配信システムを提供している運営会社に、「SPFレコードを教えてほしい」と依頼する
②メール配信システムの管理画面にログインし、SPFレコードを記入する
記入が完了すると、メールサービス側では以下の流れでSPFレコードの判別が行われます。
・メールの送信元になるサーバーのIPアドレスをDNS(ドメインネームシステム)に登録
・その送信元サーバーからメールが送信されると、メールを受信したサーバーは、送信元が設定しているIPアドレスと一致するかの判別を行う
※一致していない場合、別のサーバーからなりすまされて送信されたメールであると判別し、メールを拒否する
なお、SPF、DKIM、DMARCの認証状況を確認する方法は、この後にまとめてご紹介します。
DKIMとは
DKIM(ディーキム)も、なりすましメール対策として行うものですが、メール本文の改ざんも検知することができます。 送信するメールに対し、DKIM鍵(1,024ビット以上のDKIM鍵が必要 )を用いて電子署名を行います。受信側は、送信元ドメインのDNSサーバーに公開されている「公開鍵」を取得し、 受信したメールの電子署名を検証することで送信者のなりすましやメールの改ざんを検知します。
なお、DKIMの電子署名にはメール送信者以外のドメインを利用する「第三者署名」とメール送信者のドメインを利用する「作成者署名」の2種類ありますが、今回のガイドラインでは「作成者署名」に対応する必要があります。
DKIMの設定方法
①利用しているメール配信システムの管理画面でDKIM鍵を新規作成する
②ドメインの管理画面にログインし、作成したDKIM鍵の情報を入力する
DMARCとは
DMARC(ディーマーク)は、SPF・DKIMを利用した、なりすましをより防ぐための技術です。SPFやDKIMは、なりすましの可能性を検証してメールの認証をしますが、認証に失敗したものをどのように対応するかは、受信者(ISP等)の判断に任せられてしまい、送信者側ではどのように処理されたかは把握することができません。
DMARCでは、「認証に失敗したらこのように対応してほしい」という指示(DMARCポリシー)を伝えます。
指示(DMARCポリシー)には、「処理を行わない(none)・隔離フォルダ等に隔離してもらう(quarantine)・受信拒否してもらう(reject)」という種類があります。この指示により、受信者(ISP等)側でのメールの扱いを制御します。
DMARCの設定方法
①「送信元アドレス(From)ドメイン」と「DKIM署名ドメイン」が一致していることを確認する
②利用しているメール配信システムの管理画面にログインし、DMARCレコードを記入する
▼記述例
_dmarc.example.com. IN TXT "v=DMARC1; p=none;"
今回のGmail送信者ガイドラインではDMARC対応は必須ですが、その設定においては「処理を行わない(none)」としてもよいとされています。
DMARCについては、「DMARCとは?求められる背景と具体的な設定方法について解説します」 のページで詳しく解説しています。
SPF、DKIM、DMARCの認証状況を確認する方法
メールのSPF、DKIM、DMARCが認証成功しているか受信側で確認する方法をGmailを例にご案内します。
1.画面右上の三点リーダーをクリック
2.「メッセージのソースを表示」をクリック
3.SPF、DKIM、DMARCがそれぞれ認証成功/失敗しているかを簡単に確認したい場合は①を確認してください。画面をスクロールして、②の通りヘッダーを直接確認することでも確認できます。
2.未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにすること
Gmailの迷惑メールの定義を解釈すると、一般的な詐欺・いたずらの迷惑メールだけでなく、「ユーザーが迷惑と思うメール」と考えられます。
そのため、送信者のガイドラインの中には、Googleが提供している「Postmaster Tools」(Gmailでどのぐらい迷惑メール判定されているかわかるツール)で報告される迷惑メール率 を「0.10% 未満に維持し、 0.30% を超えないように」との記載があります。
迷惑メール率とは、受信者側が受け取ったメール件数のうち、迷惑メールに分類した件数の比率です。1000人中4名が迷惑メール報告をする状態であれば危険といえます。そのため、正しくメルマガ送信を送っている場合でも注意が必要です。
2024年4月の当社調査で分かった「迷惑メールに分類するタイミング」
2024年4月に迷惑メールに関する状況を調査したところ、迷惑メールフォルダに入れることや報告する理由で一番多かった項目が「登録した覚えのないメールマガジンだったから」でした。
迷惑メール率を抑えるためには、ユーザーが意図して登録したことが分かるような登録方法にすること、そして登録後に登録完了メールを送ることなど、登録したことを理解してもらうことが大切と言えます。
また、配信停止のタイミングで迷惑メールに入れることや報告される可能性もあります。 どんな時に配信停止をするかを調査したところ、「自分に興味がない情報ばかりが届いたとき」が圧倒的に多い結果になりました。
メルマガ登録時にどんな内容のメールを送るのかを明示することや、クリック率などメルマガの購読状況をよく確認して、より有益なメールを送ることができるよう調整しましょう。
3.受信者がメールの配信登録を簡単に解除できるようにすること
受信者が受け取りたくないと思ったとき、すぐに配信解除できるようにしましょう。Gmailガイドラインには以下の記述があります。。
受信者がメールの配信登録を簡単に解除できる方法を常に用意してください。ユーザーがメールの受信を停止できるようにすることで、開封率、クリック率、送信効率を上げることができます。ワンクリックでの登録解除に対応すると、ユーザーはメールの受信停止を簡単に行えるようになります。1 日に 5,000 件を超えるマーケティング目的のメールや配信登録されたメールを送信する場合は、ワンクリックでの登録解除に対応する必要があります。
引用元:メール送信者のガイドライン
ワンクリックでの登録解除を設定するには、送信メールに次の両方のヘッダーを含めます。
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click
List-Unsubscribe: <https://solarmora.com/unsubscribe/example >
ワンクリックでの登録解除が行えるようにする(List-Unsubscribeの対応)
List-Unsubscribeとは、FromやTo、日付、送信元などが見えるメールのヘッダー部分に「配信停止依頼を受け付けるURL」という情報を記載するものです。
メルマガ購読者によってGmail上から登録解除の操作がされた場合、List-Unsubscribeに記載のURLに対し、Gmail側からPOSTリクエストが行われますPOSTリクエストだけではメルマガを送信しているシステムには反映されませんので、このリクエストを元に自動解除をするプログラムが必要です。
List-Unsubscribeを設定した場合の受信者側の見え方
実際に、List-Unsubscribeの設定が完了した場合、受信者側には以下の画像のように表示されます。
まず、メールを開くと、右上に「メーリングリストの登録解除」というボタンが表示されます。
クリックすると、登録解除確認のポップアップが表示されます。ポップアップに出ている登録解除ボタンを押下すれば、ワンクリックで登録解除が完了するという仕組みです。
これまで、メルマガの登録解除を行う場合はヘッダーのURLをクリックしてから複数の操作が必要でしたが、今後はより簡単に登録解除を行うことができます。
本文中に登録解除のリンクをわかりやすく表示する
これは、前段でご紹介したワンクリックの登録解除とは異なり、メールの本文やフッダーにメルマガ配信解除のURLを分かりやすく表示するというものです。 すでに対応済の方が多いとは思いますが、List-Unsubscribeの対応と合わせて今一度確認しましょう。
4.その他、対応が必要なもの
他にも、以下のような要件が記載されています。
引用元:メール送信者のガイドライン
・メールの送信に TLS 接続を使用します
・Internet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠する形式でメールを作成します
記載の通り、TSL接続とInternet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠する形式でのメール作成が必要です。
TSL接続については、2023年12月に追加されております。今後も他の要件が追加される可能性もありますので、定期的にガイドラインを確認しましょう。
Gmail以外のメールはどうなるの?
今回のガイドライン更新は、迷惑メールを減らす意図が考えられます。迷惑メールの問題は、Gmailだけではありませんので、今後同じような対応を求めるサービスは増えることが予想されます。
そのため、メール送信先にGmailユーザーが少なかったとしても多くの企業様で対策することをオススメします。
2024年6月の最新状況は?
新しいGmailの送信者ガイドラインは、基本的に2024年4月までの対応を求めていましたが、List-Unsubscribeなど一部の要件は2024年6月までなど段階的な猶予が設定されていました。「早くとも2024年6月より」すべての要件に達していないと正しく届かなくなると記載されています。
2024年6月になった現時点では、大きなトラブル・報道は見受けられておりません。理由の1つとしては発表から今日までに、Gmail対策しているメール配信システムに乗り換えすることや、対策が進んだことで対応できていない企業が少ないこと。また、「早くとも」の通り、まだGmail側で大きな規制をしていない可能性が考えられます。
とはいえ、現時点で到達率が悪い。悪くなった場合には、早急な対策が必要です。
対策可能なメール配信システムは?CuenoteFCでの対策は
当社が提供しているメール配信システム「CuenoteFC」は今回のガイドライン変更以前よりSPF・DKIM・DMARCなどの送信ドメイン認証に対応しています 。今後も到達率改善やメールマーケティング効果の最大化のために、改善をしております。 そのほかの部分においても、今回のガイドライン変更に合わせて、改善を行っております。詳しくは以下よりご参照ください。
CuenoteFCのガイドラインへの対応について詳しくはこちら>>