GmailがAIによる返信文自動生成機能「Smart Compose」を発表
Googleは米国時間の5月8日、開発者向け会議「Google I/O 2018」内で、Gmailの新機能「Smart Compose」を発表しました。AIによるメール文書の入力支援機能で、ユーザーのメール文書作成の手間を大幅に削減できる可能性がある技術として、注目を集めています。
新機能は「予測変換の強化版」
(図)Googleの説明に基づく操作イメージ図。「I'm looking f」まで打ち込んだ段階でその後の構文を含む文書一覧がグレーでサジェスト表示される様子を示したもの。
Smart Composeは、AI(人工知能)の分析に基づきユーザーが打ち込んだフレーズから文脈を予測し、次に入力される可能性が高いセンテンスを提案してくれる機能です。特徴としては、予測変換のような「フレーズ」単位のサジェストではなく、センテンス単位のサジェストとなる点が挙げられます。
例えば、メールの文末で「どうぞ」と打ち込んだらその時点で「どうぞよろしくお願いいたします。」という文書が候補として提案される、といった具合に、一文丸ごと賄うことが出来るわけで(現時点で本機能は英語のみの対応です)、いわば「予測変換の強化版」ともいえる機能なのです。
本機能の活用により、定型化しがちな返信文の入力を効率化するとともに、サジェストに基づき入力を進めることで文法の誤りや誤字・脱字を防ぐことが出来るようになるとGoogleは述べています。
日本ビジネスメール協会の調査によると、日本のビジネスパーソンの1日当たりのメール送信数は平均で12.62通(※)との結果が出ています。一般に、1通のメールを書き上げるのにかかる時間が6分と言われていますので、単純計算で1日に1時間強をメール文書の作成・送信に費やしていることになります。
仮に、Smart Composeによりセンテンスごとの入力が効率化され、文書作成にかかる時間が半分になったとすると、1日に40分近くの時間の余裕が生まれる計算になります。
着々と進む「メールにおけるAI・ビッグデータ活用」
Gmailでは昨年「Smart Reply」機能が実装されました。
これは、受信したメールの文脈から類推される返信文(一文)がGmailから提案され、選択しタップすることで返信が完了するという機能です。既に日本語対応もされており、普段からGmailアプリをご利用の方なら、返信メール作成時の画面下部に3つほどの返信文候補が出てきていることにお気づきの方もいることでしょう。
この仕組みには、Gmailの膨大な送受信実績に基づくビッグデータが活用されています。また、機械学習の仕組みから、ユーザーがこの機能を使えば使うほど、よりユーザーにマッチした返信文候補を提示してくれるようにもなります。このように、ことメールによるコミュニケーションひとつとっても、着々とAIやビッグデータの活用が進み、ユーザーの利便を高める試みが続いているのが現状です。
送信側/受信側双方の進化に注目
以前、「GmailへのAMP導入」の話題を取り上げた際には、「受信者にとってメールが『反応するもの』としてより強力なマーケティング手段になる可能性がある」と纏めさせていただきました。今回のSmart Composeは送信側の効率向上が大きなテーマとなりますが、受け取る側、送る側双方にとって、メールがより便利で使いやすいツールとなっていくことは、メールマーケティングにとっても歓迎すべき進化と言えそうです。
「見てもらえない看板」に価値が無いのと同じで、ユーザーに使われないツール・チャネルでのマーケティングはそれ相応の効果にとどまってしまいます。良質なコミュニケーションチャネルとしてのメールのさらなる進化に、今後も注目が集まります。
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