BtoB向けメールマガジン配信事例(後編:ABテストと効果測定)
前編に引き続き、2016年度に当社が実施したBtoB向けメールマガジン配信施策についての記事です。
前回の記事:「BtoB向けメールマガジン配信事例(前編:目的からコンテンツのポイント)」
計測における基本情報は以下の通りです。
- ・測定期間:メール配信から3日間(3営業日)
- ・配信曜日:平日週の半ば
配信タイミング
- A:出社時 22.39%~25.87%
- B:お昼休憩後 22.44%~26.11%
前編でご紹介した理由から、一般的な企業の出勤時間帯と午後の昼食休憩後を狙いました。
HTMLメール配信による開封率での比較を行いましたが、顕著な差は出ていません。
また、以前のブログ「BtoB向けメルマガのクリック率をアップさせるポイント」でご紹介したように、BtoB向けメールマガジンの場合は、ビジネス上の情報収集として購読している方も多いため、時間が経過(当社の場合は配信後4日以降)しても開封、クリックされることは健在のようです。
タイトル(件名)
開封されれば何でも良い訳ではありませんが、メールを開封されるかは件名にかかっています。
どんなキーワードが読者に刺さったのかを測定してみました。ここでは開封率とクリック数が共に上位だったタイトルをご紹介します。(詳細な社名は伏せさせていただきます)
- 1・今すぐ使えるHTMLメールテンプレート提供開始
- 2・HTMLメールの作り方&共催セミナーのご案内
- 3・株式会社○○との共催セミナー開催&新着コンテンツのお知らせ
当社のメールマガジン受信者にとっては便利なツールやレポート、つまり"他社システムを利用中でも応用可能"であったり"実用性のあるもの"が好まれているようです。
メール文書タイプ
- A:テキストメール
- B:HTMLメール
クリック率による比較を行いました。現状、まだ残念ながら当社にとって効果的なタイプはどちらとは言い切れません。
「法人読者にとって、テキストタイプかHTMLタイプのどちらが適しているのか?」という質問もよく受けますので、ここでは目的により使い分けをするヒントとして以下ご紹介させていただきます。
無難/時短ならテキストメール
企業体質的にIT化が進んでいなかったり、メールに対するセキュリティが特に厳しい企業も少なくはありません。
特に団体や自治体などが配信ターゲットとなる場合、またはITリテラシーが低いターゲット先や業界の場合は、テキストメールが無難です。
また、HTMLメール作成に時間と人件費をかけられない場合も、テキストメールをお勧めします。
テキストメールでは開封率は取れないというデメリットはありますが、クリック数を計測できますのでHTMLメールに固執する必要はありません。
完結型ならHTMLメール
特定のページへ誘導の必要性がない場合(当社の場合はプレスリリース時や機能説明に図版を用いる際)にお勧めです。例えば医療関係であれば機械・組織や仕組みなどを伝える場合が挙げられます。
テキストメールだと文章が長くなってしまったり、ビジュアルで説明したほうが伝わりやすいと判断できるものには、イメージ画像を利用することで送信側と受信者側の認識の乖離を防ぎます。
配信レポート振り返り
1.他社の成功例が自社に当てはまるとは限らない
一般的にBtoB向けのメール配信をなさっている担当者がぶつかる壁だと思いますが、きちんと精査されたアドレス・ターゲット先に配信できていたとしても(できているからこそ)、効果や結果に大きな差としてあらわれることは滅多にありません。
世の中には様々な成功例も出回っています。なかには改善の前後で●%UP!というものも見かけます。
しかしBtoBメールマガジンと一括りにはできても、企業によって製品も配信先も違います。繰り返しになりますが、メールマガジンの配信施策において「これが正解!」という回答も「●%以上なら成功」という基準もありません。どうしても基準値が必要であれば、PDCAをまわし自社の平均値を探る必要があります。
実際に「上部のコンテンツはクリック率が高くなる」と一時期耳にすることが多かったかと思いますが、当社の計測では割とばらつきがみられました。
例えばファーストビュー内のURLと後半配置のURLとでは、後半のほうがクリック率が高いケースがありました。
2.連休の合間や前後の配信は避けたほうが無難
一般的に企業が長期休暇を取る夏休み時期や年末年始、ゴールデンウィーク等の連休前後は、メールマガジンの類は後回しにされるうちに忘れられてしまう可能性が高くなります。
そのため、連休前後の配信は避けることが無難でしょう。
3.効果や結果を追うよりも読者のメリットを重視
BtoB向けメール配信は、効果に重きを置きすぎず、配信内容による使い分けが必要です。
当社のケースでは、以下のような方法を採用しました。
スマートフォンから読む方を考慮し、レスポンシブタイプのHTMLで配信。
タップ(遷移)箇所がわかるよう、あえてボタンを大きく目立たせる。
資料をダウンロードされる読者は、既に当社の製品を利用いただいているお客様が多いことが見受けられた。お客様の情報を取得済みであることからも、資料やメールテンプレートのダウンロードを載せる際は、URLクリックと同時にダウンロードができる形式に変更。
※ただし読者側にとってダウンロードする手間が軽減される代わりに、配信側にとっては
コンバージョンとして正確な計測が出来ない場合があります。
このように、"正確な成果数値"なのか"ユーザーへの配慮"を重視するのかといった選択も必要です。
BtoB向けの配信事例をお探しのご担当者や、数値としても大きな効果が見えにくい特性からお悩みの方も多いと思いますが、"継続して定期配信することに意味がある"ことを理解いただけたら幸いです。
当社のメールマガジンも、まだまだ改善点は膨大にありますので、引き続き探っていきたいと思います!
キューノート エフシー
メール配信システムCuenote FC(キューノートFC)は、会員管理やメール配信後の効果測定をグラフィカルに表示。システム連携用APIなども提供しており、一斉配信からメールマーケティングまで行えます。独自開発のMTA(配信エンジン)とノウハウで、月間のメール配信数42億通・時間700万通以上(※)の高速配信を実現し、スマートフォンや携帯にもストレスなく高速・確実にメールを届けます。
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