【2020年】売上を伸ばすメールマーケティング6つのトレンド
※この記事は、Val Razo氏が執筆した「6 Email Marketing Trends to Drive More Sales in 2020」を翻訳した内容です。 翻訳を許諾をいただいたVal Razo氏と、マーケティング系コミュニティである「Business 2 Community」の善意に感謝いたします。
世界で初めてメールが送信された1971年に、メールがデジタルマーケティングにおいて効果的なものになるとは、誰も予想できませんでした。
今やメールを利用する人は世界中で25億人にも上り、メールマーケティングは重要な手法となりました。ターゲット顧客に訴求し、ブランドメッセージを発信し、読者とコミュニケーションを取り、顧客を獲得し、さらにサポートにまで活用されています。事業がニッチかどうかは関係なくなりました。
ですが懸念すべき点もあります。ビジネスパーソン1日あたりのメール平均送受信の件数は2019年で126件でした。
(出典:Email Statistics Report, 2015-2019)
顧客に宛てたメールが、大量の迷惑メールとその他もろもろのメールのおかげで、受信箱に埋もれしまうのです。つまり、メールマーケティングを成功させるにはノウハウと試行錯誤が欠かせません。
目次
2020年に、なぜメールマーケティングなのか?
売上を伸ばすメールマーケティング2020年6つのトレンド
1. ミニマリストメールデザイン
2. 超パーソナライズ自動キャンペーン
3. モバイルファースト
4. SNSとの連携
5. 動画コンテンツ
6. ブランドストーリー
おわりに
2020年に、なぜメールマーケティングなのか?
迷惑メールに埋もれさせないのは難しそうだと思える一方で、59%のマーケター(※1)は依然としてメールマーケティングの費用対効果に注目しています。なぜでしょうか。それは数字が物語っています。
これを見てメールマーケティングの活用に興味持った方もいらっしゃると思います。ではさっそく売上を伸ばす6つのトレンドをご紹介します。
- ※1:2018 Email Marketing Industry Report
- ※2:Adobe Consumer Email Survey Report 2017
- ※3:10 Email Marketing Statistics Every Business Owner Should Know
- ※4:Frequency with which consumers would like to receive brand e-mails from selected industries in the United States as of July 2017
2020年 売上を伸ばすメールマーケティング6つのトレンド
1. ミニマリストメールデザイン
日々ユーザーは企業から多くのメールを受け取っていますので、その中に埋もれないよう自社のメールを目立たせることが重要になってきます。ユーザーの目に留まるようなメールを作るとなると、カラフルで鮮明な画像を使えばいいと多くの方が思いがちです。しかし、信頼のおけるブランドにとって、シンプルなメールは有効な手段となります。
凝りすぎた有料広告が広まっている今の時代に、顧客は信頼できるブランドを求めています。ですから、シンプルなメールを送ることで企業・製品のブランドに人間味が生まれ、顧客との親近感が育まれるのです。顧客ニーズに目を向けていない競合他社から一歩先んずることができることを意味しています。まとめると、ミニマリストメールデザインは下記のように役立ちます。
カルヴァン・クラインの例を見てみましょう。当社は母の日に割引コードを配布する、販促メールキャンペーンを実施しました。ミニマリストメールデザインにすることで、配信するのに時間も作業量もかかりません。さらに、このキャンペーンはオンライン・オフライン店舗の営業にも貢献したことが分かりました。70%の顧客がメールでの割引を利用したと回答(※1)し、売上が増加しました。
ミニマリストメールデザインの場合、顧客の意識は画像ではなく、販促キャンペーン事体に向けられます。結果的に明確なブランドメッセージを伝えることができ、売上に繋がります。
2. 超パーソナライズ自動キャンペーン
2020年のメールマーケティングはもはや、全顧客を対象としたアプローチは行わないでしょう。顧客優先の考えを持って、顧客一人一人の課題に寄り添えば、開封率を高めることが期待できます。名前を覚えてくれて信頼できる担当者から商品を購入したいと思うようなものです。
メールマーケティングにおいては、パーソナライズ化された自動的なキャンペーンは将来的に高い効果が期待されます。収益の58%がターゲティングしたメールによってもたらされる(※1)、という事が調査で分かっています。ブラウザ上での行動などリアルタイムの情報を活用すればよりパーソナライズされたメールを送ることができます。
また、パーソナライズ自動キャンペーンは、カゴ落ちを減らし売上を伸ばすのに役立ちます。イギリスのファッションブランド、エイソスの例を見てみましょう。
エイソスの例では、訪問者がウェブサイトを離脱した様々な理由を把握し、パーソナライズされた割引情報が記載されたメールを送ることで、訪問者の記憶に残るよう工夫しています。さらに、自動化されたキャンペーンによって、少ない時間と労力でデータの収集と配信を実現しています。
3. モバイルファースト
スマートフォン利用者数は2020年に72億人にまで上ると推測(※1)されています。時間の無い現代の人は、スマートフォンを使うことでメールの確認から商品購入まで行い、時間を節約しています。61%のメールはスマートフォンで開封・確認(※2)されており、79%のモバイルユーザーが直近半年のうちに、オンラインで商品を購入(※3)しています。ユーザーはスマートフォンで商品を調べ、購入まで済ませているのです。
しかし嬉しくない事実もあります。たった20%のメールキャンペーンしかモバイル対応していないのです。これは受信者がスマートフォンでメールを読むことができず、受信箱に埋もれてしまうことを意味しています。
モバイル向けに最適されたメールはシンプルでとても見やすいものです。一度モバイル対応すると、CTRも上がる傾向があります。ここでUSポロアッスン(全米ポロスポーツ協会のスポンサー)の例を見てみましょう。
いまやモバイル向けメールマーケティングは普及しており、ブランドメッセージの発信や売上の増加を考えるにあたって、スマートフォンに最適化されたメールキャンペーンは必須となります。
- ※1:Forecast number of mobile users worldwide from 2019 to 2023
- ※2:Average Industry Rates for Email as of December 2019
- ※3:Mobile eCommerce Stats in 2019 and the Future Online Shopping Trends of mCommerce
4. SNSとの連携
SNS利用者数はコンスタントに増えています。メールマーケティング事業者のEmarsysの調査(※1)によれば、世界人口の42%(32億人)はSNSを利用しています。企業にとってはターゲット顧客へ情報発信する、営業色の薄い手段となるでしょう。
メールマーケティングを活用するにあたって、SNSとの連携が重要です。SNSユーザーに商品を「発見」してもらい、購入者のレビューを読んでもらうのです。加えて、ユーザーは購入前に利用者同士のレビューを求めており、「インフルエンサー」との協業は非常に効果的です。
例えばファッション業界のインフルエンサーと提携する場合、女性向けアパレルEC企業のLulusは、友達紹介キャンペーンとSNSを組み合わせたメールマーケティングを実施しました。同社の服を着たインフルエンサーの写真をシェアすることで、ブランドの人気と信頼性を訴求しています。
なによりも、ハッシュタグを用意し、メール本文にSNSのボタンを設置することで、SNSページに遷移しやすくデザインしています。企業と買い物客がコンタクトを取ると、20%~40%多くお金を消費するようになる調査(※2)が出ています。つまり、メールマーケティングとSNSの組み合わせは、プロモーションに効果的かつ、顧客の信頼も得られるということなのです。
5. 動画コンテンツ
過去数年間のうちに、すでに動画コンテンツは当たり前のものとなりました。今や人々はオンラインでの動画視聴に時間を使っています。90%の顧客にとって製品動画は、購入を決めるのに役立つコンテンツであると回答(※1)しています。動画コンテンツを使えば、簡単に自社製品の紹介や、使い方の説明、ブランド育成ができてしまいます。
顧客のエンゲージメントを高めるメールを作りたいといった場合、動画コンテンツもメールマーケティングの企画に組み込んでみましょう。米国化粧品メーカーのエスティ・ローダーは、モーショングラフィックを使った商品紹介をすることで、ブランド力の向上に取り組んでいます。
同社では動画で販売活動を行う代わりに、ファッションリーダーによる着こなし講座など、ターゲット顧客が興味を持ちそうな内容を発信しています。結果的にブランドの信頼性向上と、商品購入に繋がっているのです。
メールマーケティングでの動画コンテンツには様々な手法があります。
6. ブランドストーリー
凝りすぎた宣伝広告が多く広まっている昨今、現代の顧客は人間味を感じさせるブランドや製品に好感を持ちます。つまり、顧客のエンゲージメントを高め、売上を伸ばすには、より人間味のあるブランドとストーリーを用意することが必要になります。
ストーリーというのは私たちの認知に強く影響し、事実のみの情報よりもストーリーを交えた話は22倍も記憶に残る(※1)そうです。さらに、ブランドストーリーは顧客の感情に訴えかけ、ブランドを人間味のあるものにし、信頼性を育み、顧客の行動に影響を与えます。さっそく米国コーヒーマシーンメーカーのシアトル・コーヒー・ギアの例を見てみましょう。
メルマガ購読者にブランドストーリーを伝えることはメールマーケティングにおいて効果的です。この事例では、同社の熟練スタッフからのノウハウを紹介する内容ですが、それに付随する価値観や思いによってストーリーを伝えられています。こうしたコンテンツはユーザーを引き付けます。
おわりに
メールマーケティングは正しく実施すれば依然として有効な手法です。競合他社よりも一歩先んじ、顧客から愛されるためには、ニーズを考えながらメールマーケティングのトレンドに沿って試行錯誤をすることが大事です。結局は、トレンドを把握するということは、顧客が欲しい情報を発信する上で、非常に強力な方法なのです。
キューノート エフシー
メール配信システムCuenote FC(キューノートFC)は、会員管理やメール配信後の効果測定をグラフィカルに表示。システム連携用APIなども提供しており、一斉配信からメールマーケティングまで行えます。独自開発のMTA(配信エンジン)とノウハウで、月間のメール配信数42億通・時間700万通以上(※)の高速配信を実現し、スマートフォンや携帯にもストレスなく高速・確実にメールを届けます。
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