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Google、「AMP for Gmail」のベータ版を公開、メール内でよりインタラクティブな訴求が可能に

公開日:2019/03/28  更新日:2022/07/22
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GmailのAMP対応によりメール内から空室確認などが可能に

(図1)Googleが発表した「AMP for Gmail」のユースケースに基づくイメージ。動的コンテンツの表示が可能となり、リアルタイムでの予約や空室状況などが確認できるようになる。


Googleは米国時間の3/25に、「AMP for Gmail」のベータプログラムの開始を発表しました。昨年2月にアナウンスされていた「GmailのAMP対応プロジェクト」が、約1年の時を経てリリースに至った形になります。

Googleの発表に続く形で、各大手メールクライアントもAMP for Gmailのサポートを表明。Microsoftの「Outlook」や、米Verizonが展開する「Yahoo Mail」でも同日よりサポートを開始し、プレビューを公開しています。また、米Amazonが企業向けに提供するメール配信サービスである「Amazon SES」や、つい先日米Twillioが買収した「Sendgrid」も同プロジェクトのサポーターに名を連ねています。

GmailのAMP対応は、メールを見る私たち、そしてメールを送る事業者にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。


メール内で空席確認、メッセージアプリのような動作が可能に


AMPとは、サイト読み込み速度の向上を目的としたオープンソースプラットフォームで、主な特徴としてJavascriptの許容範囲を限定しており読み込み負荷が少ないことから、メモリ容量が限定されるモバイルデバイスでの表示遅延や、通信を行う場所によって回線速度がボトルネックとなるリスクを低減しながら、動的コンテンツの表示が可能であるという点が挙げられます。

今回GoogleはこのAMPをメールクライアントで実装するためのプロジェクトとして「AMP for Gmail」を立ち上げました。既にPintarestやBooking.com等大手コンシューマー向けサービスではHTMLメールにAMPを取り入れており、タイムラインのチェックや空室状況の確認などがメールクライアント内で出来るようになっています。

添付ファイルのインライン表示の例

(図2)Googleが発表した「AMP for Gmail」のユースケースに基づくイメージ。添付されたドキュメントの内容がメール内でプレビューされる(本文内中央の枠囲み部分)ようになり、都度ファイルを開かなくても中身の確認が可能になる。


そして今回、GmailがAMPに対応することによって、さらなる活用シーンの拡大が期待されます。Googleは、今回のAMP対応によってGmailクライアント内で、メールに添付されたドキュメントファイルのインラインプレビューや、メッセージングアプリのやり取りのようにメールの履歴をスレッド状に表示させ返信することなどが可能になる、としています。


汎用性か、それともスマートなユーザビリティか


先述の通り、AMP for Gmailは既にいくつかの主要ベンダーがサポートしているほか、オープンソースであることから多くのベンダー、サービサーにとっても容易に対応が出来るプラットフォームとして期待されています。
その一方で、メールの「端末やクライアントを問わず確実に親書を届けられる」という大きな特徴は、その仕組みのシンプルさ故の汎用性の高さによって保たれてきた、という考えも根強く、(今のところは)特定のインフラでしか対応していないAMPの導入をメール領域へ拡大することには、大手IT系メディアをはじめ反対論があることも実情です。

とはいえ、誰もが携帯端末で瞬時に世界とつながることが出来るようになった現代。情報の流通量・伝達スピードは飛躍的に上昇し、人々は「より多くの・より最新の」情報の中から購買・消費行動を選択することが否応なしに求められています。
こうした情勢にあって、ユーザー、そして事業者にとって親しくも信頼性の高い「メール」という手段が、AMPをはじめとした動的コンテンツの活用によって一方的な情報伝達手段からよりユーザビリティに優れたインタラクティブなメディアに進化するという流れもまた、避けては通れないでしょう。


おわりに


今回は、AMP for Gmailのベータ版リリースについてご紹介しました。ベータ版は既に米国時間の3/26からWeb版クライアントへの提供が開始され、その後、モバイルアプリにも順次導入されるとのことです。

2017年の調査ベースでは、Gmailに加え今回対応を発表したOutlook、Yahooを加えるとWebメールクライアントユーザーの8割以上がAMPの恩恵を受けられることになります。今後、各クライアント、そして各メール事業者によってどのような発展を見せていくのか、興味深いところです。


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