ドコモ、au、ソフトバンク、「+メッセージ」の機能を拡充、企業とユーザーの双方向コミュニケーションがより便利に
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NTTドコモ、au、ソフトバンクの携帯3社は、各社が共通規格で提供している、SMS(ショートメッセージ)の次世代規格であるRCSに準拠したメッセージサービス「+メッセージ」の機能拡充を発表しました。
今回、新たに「公式アカウント機能」、「リッチカード機能」および「アクションボタン」機能が追加され、企業側にもユーザー側にも、より安全で使いやすいプラットフォームとなることが期待されています。
RCSとは?
RCS(Rich Communication Services)とは、国際的な通信業界団体のGSMAにより標準化されたメッセージ規格の一つで、SMSを拡張した次世代規格となっています。
特徴として、従来のSMSでは対応していなかった画像や長文メッセージ、またスタンプ送信などに対応しており、電話番号のみで送信できる利便性はそのままに、よりインタラクティブな反応が期待できるメッセージングチャネルとなっています。
RCSは、世界で60を超える企業(通信事業者、端末メーカー、OSベンダー)が参加しており、日本では携帯電話大手三社により「+メッセージ」として専用アプリによるサービス展開がされています。
追加された新機能
公式アカウント機能
【画像】公式アカウントのイメージ。企業名の右に認証済を示すチェックマークアイコンが付与される。
これまでも、発信元の携帯電話番号表示により一意に発信者を特定できる機能は備わっていました(一部キャリアを除く)が、新たに企業側で「公式アカウント」の作成が可能になりました。公式アカウントには、通信キャリアでからの認証取得済であるバッチが付与されます。
ユーザーは、公式アカウントを通じて企業と双方向のコミュニケーションが出来ることに加え、認証制度によりなりすましを防止し、より安全に+メッセージを利用することが出来るようになりました。
リッチカード機能
【画像】リッチカード形式のイメージ。
「リッチカード」とは、画像とテキストを組み合わせた表示形式で、Googleがスマートフォン向け検索結果表示の形式として2017年から導入しているのをはじめ、SNSなどでも実装されています。
リッチカードでの配信を行うことで、情報量の増大はもちろん、飲食店の予約などユーザー側が直接アクションを返すことが可能になり、コミュニケーションのさらなる効率化が期待されます。
アクションボタン機能
【画像】アクションボタンのイメージ。
送信するメッセージに、回答選択肢などユーザーがタップで応答できるメニューを追加することが出来ます。メッセージ入力によらず、直感的な操作でアクション出来るのでユーザーの反応をより高められる効果が期待できます。
金融機関向けに「一括情報変更手続き」のサービスも提供予定
今回の発表では、上記の新機能に加えて国内大手金融機関などが参画し、契約内容の確認や変更などを一括で行えるプラットフォームの構築に向けた検討を行うことがアナウンスされました。実現すれば、銀行やクレジット、保険・証券など異なる金融機関を横断して利用者自らの操作で手続きが一括で完結できることから、利便性の向上に大きく寄与することが期待されます。
これを可能にしたのが、携帯電話番号が持つ「確実な本人認証手段」という特性です。
国内キャリアでは、携帯電話番号の取得及び端末契約に際し、厳格な本人確認が行われます。すなわち、携帯電話番号の保持=本人認証が済んでいるとみなされ、高い同一性が確保された個人情報としての番号活用が可能となるわけです。
スマホ・携帯の電話番号をキーとした+メッセージにおいては、こうした特性から「ユーザーが契約者本人であること」が前提となっているため、セキュアな手続きをアナログから代替えするに相応しいプラットフォームであると言えます。
携帯キャリア及び関連各社は、本プラットフォームの運用開始時期について「2019年内及び年度内」を目途とし、全国の金融機関へ参加を呼び掛けていくこととしています。
普及の鍵は「あの」プラットフォーマーの動向?
大手OSベンダーの中ではGoogleとMicrosoftがRCSコンソーシアムに参加しており、Android(とWindows Mobile)では標準のメッセージ機能としてRCSをサポートしていることから、国内キャリアのAndroidスマートフォンでは+メッセージアプリがデフォルトでインストールされるようになっています。一方で、Appleでは以前iOSへRCSを統合する噂が飛び交いましたが、現時点で具体的なサポートの時期などには触れられておらず、iPhoneユーザーは別個に「+メッセージ」アプリをダウンロードする必要があります。
iOSでの統合が実現した折には、日本で大きなシェアを持つiPhoneユーザーの多くが+メッセージユーザーとなることから、普及への大きな足掛かりになることが予想されるだけに、Appleの対応が鍵となってきそうです。
また、現時点では携帯各社のサブブランドやMVNO(仮想移動体通信事業者)には対応しておらず、ユーザーニーズが多様化する現代で取扱いキャリア網をどれだけ広げられるかが今後焦点となることも予測されます。
おわりに
今回は、「+メッセージ」の新機能と今後の展開についてご紹介しました。
電話番号だけでやり取りが出来る利便性と、本人認証手段としての高い信頼性を活かし、他チャネルにはない価値創出への取り組みが伺える発表内容でした。今後、さらなる用途開発と普及の進展により、コミュニケーション手段の枠を超えたユーザー体験の創出が期待されるところです。
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