特定電子メール法とは?メルマガ運用で注意すべきポイント
特定電子メール法は、見知らぬ相手から一方的に送られる「迷惑メール」を規制するために、2002年に総務省・消費者庁で施行された法律です。
広告や宣伝を含むメール配信を行う場合に準拠しなければならない法律であるため、メールマガジン(以下メルマガ)を送信する方は内容をよく理解し、対応する必要があります。
当記事では総務省から公開されている資料を基に分かりやすく解説していきます。
【出典】
総務省 特定電子メールの送信等に関するガイドライン
総務省 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント
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特定電子メール法とは?
特定電子メール法とは、社会問題となった「迷惑メール」を防止するため2002年に施工された法律です。2000年初期にはPCや携帯の普及によりインターネット接続が一般的になるとともに「迷惑メール」の問題が大きくなりました。そこで、良好なインターネット環境を保つため、広告・宣伝メールに対してルールを設けました。
総務省のHPには以下のような記述があります。
広告・宣伝メールを送信する場合、当該メールは原則、特定電子メール法の規制対象となります。広告・宣伝メールの送信を考えられている方は、 法律違反となってしまわないためにも「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」をご覧いただき、特定電子メール法の規制内容及び望ましい広告・宣伝メールの送信方法等について理解を深めていただきますようお願いいたします。
メルマガなどメールマーケティングは、広告・宣伝目的のため「特定電子メール法」の規制対象となります。メルマガは費用対効果が良く、当法律が施行されてから20年以上たった今も多くの企業が利用していますが、安易に送ってしまうと罰則を受けてしまう可能性もあります。正しく内容を理解しましょう。
「特定電子メール」となる対象範囲とは
特定電子メールとは、団体・個人問わず営利を目的としたメールのことを指します。
具体的には総務省が公開している「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」には以下のように記載があります。
「特定電子メール」とは、「営利を目的とする団体及び営業を営む場合にお ける個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行う ための手段として送信する電子メール」である。
ウェブサイトへ誘導目的や、SNSへの招待等も該当する
特定電子メール法の定義である「広告又は宣伝を行うための手段」として以下も該当します。
・営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとする ウェブサイトへ誘導することがその送信目的に含まれる電子メール
・SNS(Social Network Service)への招待や懸賞当選の通知、友達 からのメールや会員制サイトでの他の会員からの連絡などを装って営 業目的のウェブサイトへ誘導しようとする電子メール
事務連絡や挨拶メールは対象外になる
また対象外となる例も2つ紹介されています。
・取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど取引関係 に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウ ェブサイトへの誘導もしない電子メール
・単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず広告又は宣伝 のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
メルマガおよびメールマーケティングは該当になる可能性が高い
ここまでの紹介を踏まえると、メルマガやメールマーケティングは「営利目的」であるため特定電子メールの範囲と言えます。また該当する例としない例を比較すると「ウェブサイトへの誘導」の有無も大きな判断の1つとなっているようです。明らかな広告・営利目的のメールはもちろんのこと、ウェブサイトへの誘導を伴うメールに対しても気を付けたほうが良いと言えます。
特定電子メール法の罰則は?
違反した内容により、若干の罰則は異なります。総務省が公開している「特定電子メールの送信適正化等に関する法律のポイント」にて主要な罰則について紹介されています。
内容によっては罰金だけでなく、懲役を科せられる場合もあります。
送信者情報を偽った送信
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
(法人の場合は行為者を罰するほか、法人に対して3,000万円以下の罰金) ※総務大臣及び内閣総理大臣による命令の対象ともなる
受信拒否者や同意のないものへの送信
総務大臣及び内閣総理大臣による命令(架空電子メールアドレスあての送信の場合は、総務 大臣による命令)。
命令に従わない場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 (法人の場合は行為者を罰するほか、法人に対して3,000万円以下の罰金)
同意の記録義務違反
総務大臣及び内閣総理大臣による命令。命令に従わない場合、100万円以下の罰金
(法人の場合は行為者を罰するほか、法人に対して100万円以下の罰金)
特定電子メール法に準拠するために必要なこと
オプトイン(メール配信の承諾)を取得する
メール配信におけるオプトインとは、広告や宣伝の内容を含むメールを送信する際に、メールアドレスの所有者(受信者)から事前に「同意」を得ることです。
同意得るとは以下のような観点で判断すべきと記されています。
ア)通常の人間であれば広告・宣伝メールの送信が行われることが認識され るような形で説明等が行われていること
イ)賛成の意思表示があったといえること
「通常の人間であれば認識される形」という点がポイントです。悪い例では、会員登録時に合わせてメール送信の同意を得る場合に、利用規約の部分で大きくスクロールしなければ表示されない部分にあることや、小さいフォント・ほぼ見えない色で記載されている場合には、同意が適切とは言えません。
また、利用者が誤ってメール送信の同意をしてしまうことを防ぐため、確認画面などにおいて、同意した状態となっていることが分かるようにすることが望ましいでしょう。
第三者を通じた同意の取得の場合は?
広告掲載しているサイト上や、イベント出展した際に主催者側で同意を取得した場合には、「第三者を通じた同意の取得」に該当します。この場合には、受信者側が送信者・送信委託者を明確に認識できるように表示されていなければなりません。
同意を得る・確認のために電子メールを送信することは良い?
基本的にできません。なぜなら、最終的な目的が「広告・宣伝メールを送るための送信」であるため、「特定電子メール」に該当するためです。
同意を得ずとも送ることが出来る「オプトインの例外」もある。
以下のケースにおいては、同意を得ずとも送ることができます。
- 名刺交換など書面によってメールアドレスを得た場合
- すでに取引関係にあるものに対して
- メールアドレスを公表しているものに対して
それぞれ、広告・宣伝のメールが送られることを予測できることから例外となります。ただし、電子商取引法にて禁止されるケースもあります。例えば通信販売などのメールでは、名刺交換や取引関係にあっても同意が必要です。
また、オプトインが不要でも受信拒否を受けた場合には送信できません。
オプトインの取得例
WEBサイト上のメルマガ購読用フォームに同意文を設置
どのような内容のメルマガが送られるかを明記し、「同意する」というボタンを押下するように案内します。 このようにすると「メルマガを購読する意思がある人」のみが同意することになり、トラブルを未然に防ぐことができます。
メール送信の承諾を証明する記録を保存する
前項のオプトインについて、「同意を証する記録」の保存を義務づけています。保存すべき内容としては、次のいずれかとされています。
1.同意を取得している個別の電子メールアドレスに関し同意を取得した際の時期、方法等の状況を示す記録
2.特定電子メールのあて先とすることができる電子メールアドレスが区別できるようにされている記録に加えて、以下の区分に応じた記録
・書面を提示、又は交付することにより同意を取得した場合 当該書面に記載した定型的な事項の記録
・電子メールの送信をすることにより同意を取得した場合 当該電子メールの通信文のうち定型的な部分
・ウェブサイトを通じて通信文を伝達することにより同意を取得した場合 当該通信文のうち定型的な部分(同意の取得に際して示す当該ウェブサイトの画面構成)
また保存期間は、特定電子メールの送信をしないこととなった日から1カ月を経過する日までです。ただし、命令を受けた場合には送信を行ってから1年間などのルールがあります。
オプトアウト(メール配信解除の仕組み)を実施する
オプトアウトとは「配信を停止してほしい」という意思の受信者に対し、メール配信を停止・解除を行うことです。
受信者がオプトアウトをスムーズに行うことができるよう、送信者の情報や解除方法など、特定事項をメール本文に記載する義務があります。 受信者より解除通知を受けた場合は、以降のメール配信は原則行えません。
複数の広告・宣伝メールを送信している場合では、一括ですべての項目のオプトアウトができる設定を用意するなどの工夫が推奨されています。
オプトアウトにも例外がある
メールの主目的が、広告・宣伝とは別であり、付随的に広告・宣伝が含まれる場合で、社会的に相当なものとして認容される場合、本来の目的に支障が生ずるためオプトアウトの例外となります。
施行規則第6条において、以下の3つの場合において例外となります。
ア)契約に伴う料金請求等やサービス内容の変更のための事務連絡等の電子 メールに付随的に広告・宣伝が含まれる場合
イ)いわゆるフリーメールサービスを利用して送信する電子メールに付随的 に広告・宣伝が含まれる場合
ウ)契約の前段のやりとりとして顧客から行われる問合せに対する返信等に 付随的に広告・宣伝が含まれる場合
特定電子メールを送信する際の表示義務について
特定電子メール沿送信する際には、下記4つの表示義務があります。
- 当該送信者の氏名又は名称
- オプトアウト(受信拒否が)の通知ができる旨
- オプトアウトの通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL
- 送信者の住所、苦情・問合せを受けることのできる電話番号、電子メールアドレス、URL
多くのメルマガでは、メールの下部「フッター」に下図のような表記をしていることが多いでしょう。
特定電子メール法の内容は、メール到達率にも大きく影響するため注意!
特定電子メール法の対策のみでいえば、オプトアウトは指定された表示に対応すれば問題ありません。しかし、Gmailを筆頭に各メーラーも迷惑メール対策を強化し、より快適にメールの利用をしてもらえるよう取り組みをしています。
迷惑メール率が高い場合には、メールが届かなくなる場合も
2023年10月に発表されたGmailの新しい「メール送信者のガイドライン」では、迷惑メール率を0.3%以内に抑えなければならないという要件があります。これはメルマガを送信した1000人中3人以上が、該当するメールに対し迷惑メール報告してしまうと、正しくメールが届かなくなる可能性があるということです。
メルマガ購読した覚えがないのに送られてくることや、登録解除が分からないという場合には迷惑メール報告・迷惑メールフォルダに移動などをされる可能性があります。
正しく同意を得て、簡単に分かりやすく購読解除が出来るよう対応しましょう。
List-Unsubscribeの付与をしないとメールが届かなくなる場合も
同じく2023年10月に発表されたGmailの新しい「メール送信者のガイドライン」では、2024年6月までに、ワンクリックの登録解除機能を搭載(List-Unsubscribeヘッダを付与)することが義務付けられました。
List-Unsubscribe ヘッダーとは
List-Unsubscribe ヘッダーは、メッセージに追加できるオプションの電子メールヘッダーです。 購読者は、メールの受信を自動的に停止する場合にクリックできる購読解除ボタンを確認できます。
上記はList-Unsubscribeヘッダーが実装されているメールのイメージです。宛先のTO 自分 と記載されている箇所の隣の▼を展開すると表示されます。 「送信者からのメールをブロック」をクリックし、登録解除を進めるという流れです。
オプトアウトの例のように、メール送信者のガイドラインは必要なタイミングで更新されることがあります。ガイドラインに準拠していなかったことが理由でメールが届かなくなってしまった、ということが起きないように定期的にガイドラインをチェックすることと、 ガイドライン変更に対応しているメール配信システムを選ぶことが重要です。
【2024年2月】Gmail送信者ガイドライン更新!メルマガ担当者は要注意
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Cuenote FCは、オプトインをするためのフォーム作成機能やオプトアウトの仕組みも搭載されています。List-Unsubscribeも実装されているなどGmailガイドラインにも対応しています。 メールマーケティングに必要な機能も全て搭載しており、これからメルマガを始めたい、今のメルマガ配信環境に不安や課題があるという場合にはぜひお問合せください。
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