SNSマーケティングとは?メリットや手法、成果を上げるポイントを解説
SNSマーケティングは、企業にとって顧客との距離を縮め、ブランド力を高めるための重要な手法です。近年では、その導入を検討する企業が増加しており、効果的な運用が求められています。SNSを活用し、消費者のニーズに迅速に応えることができれば、顧客満足度も向上します。
今回は、SNSマーケティングの基本から詳しく解説します。
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SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用したデジタルマーケティング手法のひとつです。SNSにはX(旧Twitter)、LINE、YouTube、Facebook、Instagram、TikTokなどのプラットフォームがあり、これらを通じて企業と顧客がコミュニケーションを図ります。
SNSを使う手法の最大の特徴は、企業と顧客が双方向に情報をやり取りできる点です。顧客との直接的な対話により、認知度を高め、ファンを獲得し、ブランドの価値を強化することができます。
さらに、SNSのもうひとつの重要な要素は、ユーザーが生成するコンテンツ、例えば口コミやレビューが自社のプロモーションに寄与することです。これにより、自然な形で好意的な情報が広まり、結果的に商品の認知拡大や販売促進につながります。SNSをうまく活用することで、企業はターゲット層との結びつきを強めることができ、より効果的なマーケティングが実現できます。
SNSマーケティングが企業で注目されている理由
SNSマーケティングが企業で注目される理由のひとつは、利用者数の増加と情報収集行動の変化にあります。それぞれ、データとともに詳しく解説します。
出典:総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」
多くの人がSNSを利用している
現在、日本では約8割の人々がSNSを利用しています。SNSは、単なる個人のコミュニケーションツールにとどまらず、企業にとっても効果が期待できるマーケティングチャネルとなっています。
総務省が実施した「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、20代ではインターネット利用者の9割を超えるユーザーがSMSを利用しており、30代~50代でも8割以上、60代でも7割以上が活用しています。
多様なターゲットにリーチできることから、ブランドの認知拡大や消費者との関係構築に大きく寄与できるのです。
SNSでの情報収集が増えている
同調査では、SNS利用者のうち6割以上の人々が「知りたいことについての情報を探すため」に使用していると回答しています。SNSは単なるコミュニケーションの手段ではなく、消費者が商品やサービスを選ぶ際の重要な情報源にもなっているのです。
また、インフルエンサーの登場やフォトジェニック消費の台頭により、ビジュアルに訴える情報がSNS上で人気を集め、購買意欲を喚起する要素となっています。
消費者が求める情報やトレンドを効率的に届ける手段として、SNSはますます重要性を増しているのです。
SNSマーケティングを導入する効果・メリット
SNSマーケティングは、企業にとって効果的なマーケティング手法であり、コストパフォーマンスが高く、さまざまなメリットがあります。
下記では、SNSマーケティングを導入する4つの主なメリットについて詳しく解説します。
コストをかけずに拡散できる
SNSマーケティングの大きなメリットのひとつは、コストをかけずに情報を拡散できる点です。主要なSNSプラットフォームは基本的に無料で利用でき、広告出稿やインフルエンサー活用をしない場合、運用コストはほぼゼロで済みます。
限られた予算でも効果的なマーケティング活動が可能となるため、特に中小企業やスタートアップにとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。
情報の伝達スピードが速い
SNSはリアルタイムでの情報発信が可能なため、タイムリーなコミュニケーションを図ることができます。企業は新製品の発表やキャンペーン情報を瞬時に拡散でき、また顧客からのフィードバックにも迅速に対応できます。
この即時性は、顧客との信頼関係を築く上でも非常に有効です。
顧客ロイヤルティを醸成できる
SNSを通じて、企業は顧客とダイレクトにコミュニケーションを取ることができ、顧客との距離を縮めることが可能です。こうした直接的なやり取りを重ねることで、顧客は企業やその製品・サービスに対して愛着や信頼感をもつようになります。
結果として、顧客ロイヤルティが向上し、リピート率の増加や口コミによる新規顧客の獲得にもつながります。
新たな顧客層を開拓できる
SNSの拡散力を活用することで、新たな顧客層を開拓することができます。特に、従来のメディアではリーチしにくい若年層に対して、効果的にアプローチできる点が大きなメリットです。
また、SNS上での口コミやシェアによって、より広範な層にブランドの存在を知ってもらうことができ、新規顧客の獲得につながります。SNSは、企業の成長に欠かせないツールとなっています。
SNSマーケティングの代表的な手法
SNSマーケティングにはさまざまな手法があり、企業が効果的に活用することでブランドの認知拡大や売上向上を図ることができます。
ここでは、代表的な5つのSNSマーケティング手法を紹介します。
1.SNSアカウント運用
SNSアカウント運用は、企業が公式アカウントを通じて自社ブランドに関する情報を発信する手法です。自社製品やサービスに関する情報を消費者に直接届けるだけでなく、顧客と双方向のコミュニケーションを図ることができます。企業の公式アカウントを通じて、問い合わせに対応したり、消費者の反応に対してリアルタイムに応答することで、顧客との距離を縮めることが可能です。
また、SNSはお客様窓口では実現できない親近感のあるやり取りを提供するため、企業イメージの向上や顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
2.SNS広告
SNS広告は、画像や動画を用いた視覚的に訴求力の高い広告を配信する手法です。ターゲティング機能を活用することで、特定の層に向けたピンポイントな広告配信が可能であり、消費者の興味関心を効率的に引きつけることができます。
さらに、広告の配信開始や停止を柔軟に設定できるため、キャンペーンのタイミングに合わせた運用がしやすく、効果的なマーケティング活動を実施できます。
3.インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、影響力のあるインフルエンサーを活用して消費者にアプローチする手法です。インフルエンサーが自身のフォロワーに向けて商品やサービスを紹介することで、購買意欲を刺激しやすくなります。
インフルエンサーを起用することで、特定のジャンルに強い訴求力をもつプロモーションが可能となります。
4.SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、ユーザー参加型の施策を通じて顧客とのエンゲージメントを高める手法です。フォロワーを増やしたり、自社ブランドに関連する写真や動画の投稿を促進することで、消費者との関係を深めることができます。
また、SNS上でのキャンペーンは拡散力が高いため、認知度を上げる効果も期待できます。キャンペーンの内容次第では来店促進や購買意欲の向上にもつながるでしょう。
5.ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、SNSを通じて消費者の意見や感想を収集し、データとして活用する手法です。SNSでは消費者がより自由で率直な意見を発信するため、その声をビッグデータとして収集・分析することで、消費者ニーズや市場トレンドを把握できます。
この情報を基に、商品開発やサービスの改善につなげることができれば、企業の競争力を高めることが可能です。
SNSマーケティングで使われる代表的なプラットフォーム
SNSマーケティングを成功させるためには、各プラットフォームの特性を理解し、ターゲットに適したものを選択することが重要です。
代表的な6つのSNSプラットフォームについて、それぞれの特徴を解説します。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、リポスト(旧リツイート)によるシェア機能があり、情報が短期間で広く拡散されることが期待できます。この拡散力を利用した「フォロー&リポストキャンペーン」も頻繁に行われており、ユーザーと親密なコミュニケーションが図れます。
FacebookやInstagramのような詳細なターゲティング機能はありませんが、趣味・関心を軸にしたターゲティングは可能です。プロモーション広告、キーワード広告など、多様な広告形式が提供されています。
Facebookは、特定のユーザーだけが参加できるグループ機能があるため、オンラインサロンやコミュニティ形成に適したプラットフォームです。SNSマーケティングにおいても、特定コミュニティ内での認知向上や商材・サービスの販売を促進します。
また、実名登録制であるため、年齢・学歴・職業などに基づく精度の高いターゲティング広告が可能です。
Instagramは、もともと若年層や女性に人気のプラットフォームでしたが、現在では男性や30代以上のユーザー層も獲得しています。特に、インフルエンサーマーケティングに適しており、ファッション、コスメ、旅行、飲食業界との相性が抜群です。
Facebookと統合されているため、同様のターゲティング精度をもち、広告効果を高めることができます。
LINE
LINEは、友だち登録を通じてユーザーと直接つながり、定期的なアンケートやキャンペーン、クーポンの配布を行うことで、顧客との関係を強固にします。
日常的に連絡ツールとして使われているため、アクティブ率が高く、ユーザーへのリーチが容易です。普段使いのアプリとして、高いエンゲージメントが期待できます。
YouTube
YouTubeは、世界でも国内でも最も人気のある動画プラットフォームです。特に、画像や文章では伝えにくい商品やサービスを動画を通じて効果的に伝えることができます。
多くのトップユーチューバーがインフルエンサーとしての影響力をもっており、プロモーションにおいても大きな役割を果たします。
TikTok
TikTokは、主に若年層向けのプラットフォームとされていましたが、近年では30代以上のユーザーにも浸透しています。短時間の動画を使って、視覚的にインパクトのある広告が可能であり、全画面表示されるため、ユーザーの集中を引きつけやすいのが特徴です。
SNSマーケティングを始める3つのステップ
SNSマーケティングを効果的に進めるためには、明確な計画と段階的なアプローチが重要です。ここでは、SNSマーケティングをこれから始めるための3つの基本的なステップを紹介します。
ターゲットを明確にする
最初に行うべきことは、ターゲットユーザーを明確にすることです。顧客情報、営業担当からのヒアリング、ユーザーインタビューなどからユーザーデータを収集し、それを基にペルソナを設定します。
さらに、設定したペルソナに基づいて、ターゲットユーザーがどのようなSNSを好むのか、普段どこで情報を得ているのかを明らかにしましょう。
この際、カスタマージャーニーマップの作成もおすすめです。ユーザーの購買行動を視覚化し、より効果的なSNS戦略を立てることが可能です。
プラットフォームを選定する
次に、使用するSNSプラットフォームの選定を行います。選定の際には、各プラットフォームの利用者層(年齢や性別)、ニーズ、投稿形式、独自機能などを考慮します。
下記に、各SNSの利用者層とニーズをまとめましたので、参考にしてみてください。
SNS名 | 利用者層 | ニーズ |
---|---|---|
X | 10代〜50代まで幅広いが、特に若年層(20代〜30代)での利用が多い。拡散力の高いメディア。 | リアルタイムでの情報共有やキャンペーンに最適。リポスト機能を活用した拡散力が強く、ニュース性のある内容やキャンペーンに適している。 |
主に30代〜50代のビジネスパーソン。実名登録が必須で、企業や役職を登録しているユーザーが多い。 | ビジネスやネットワーキング目的で利用されることが多く、企業関連の投稿やビジネスニュースの共有に適している。ターゲティング広告が効果的。 | |
主に20代〜40代。特に20代の利用が多く、女性ユーザーがやや多い。 | ファッションや美容、飲食などのビジュアルコンテンツを重視する業界に強く、インフルエンサーマーケティングとの親和性が高い。 | |
LINE | 日本国内の全世代に利用されており、他のSNSと比べて40代以上の利用率も高い | 日常的な連絡手段としての活用が多く、企業の公式アカウントを通じてクーポンやキャンペーン情報を提供するなど、実際の購買行動を促進する施策が有効。 |
YouTube | 幅広い年齢層で利用されており、特に10〜40代で利用率が高い。 | 長尺および短尺の動画コンテンツが多く、商品紹介やエンタメコンテンツに強い。広告動画を通じた認知度拡大や教育コンテンツの配信も効果的。 |
TikTok | 主に10代〜20代の若年層が中心。 | ショート動画を活用したクリエイティブなプロモーションに適しており、トレンドに敏感な若年層へのアプローチが効果的。 |
また、初期コストを抑えるために、最小限のリソースで小規模に試験的な運用を行い、成功した手法を拡大していくことも効果的です。
企画を立てて実行・検証・改善する
最後に、実際の施策を企画し、実行していきます。カスタマージャーニーマップを基に、ターゲットの購買心理やニーズに応じた施策を検討します。施策の実行に際しては、KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果を数値で測定します。
結果に基づいて、定期的に検証を行い、必要に応じて施策を改善していくプロセスが重要です。継続的な改善を繰り返すことで、より効率的で効果的なSNSマーケティングを実現することができます。
SNSマーケティングで成果を上げるポイント
SNSマーケティングを成功させるためには、単にアカウントを開設して投稿するだけでは不十分です。特に、他社の発信情報に埋もれないようにするためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
以下では、SNSマーケティングで成果を上げるためのポイントを解説します。
SNSマーケティング専門のメンバーを決める
SNSマーケティングでは、投稿するテキスト、画像、動画といったコンテンツが非常に重要です。これらを効果的に作成し、配信するためには、専門のメンバーが必要になります。
SNS運用には、投稿内容の作成やコメント対応、効果の分析など多岐にわたる業務が含まれており、片手間で行うことは難しいでしょう。専任のスタッフを確保できない場合は、施策を最小限に絞り、スモールスタートで進めるのがおすすめです。
徐々にノウハウを蓄積し、業務を拡大していくことが成功の鍵となります。
担当者のネットリテラシーを高める
SNSを運用する担当者には、ITリテラシーやネットリテラシーが必須です。SNSのマナーや情報の取り扱いに関するモラル、セキュリティ意識を理解していることが重要で、担当者がその知識をもっていないとリスクが大きくなります。
特に、SNSではネガティブな話題が瞬時に拡散されるリスクがあるため、炎上リスクを常に意識しながら対応する必要があります。
具体的には、下記のような方法が有効です。必要に応じて、人事部門などとの協力を通じて進めましょう。
- SNS運用やネットリテラシーに関する社内研修(もしくは外部講座)を受講
- チェック体制を整える
- NGワードなどの運用ルールをつくる
ポジティブな情報発信だけでなく、万が一のトラブルにも備えることが重要です。
メルマガとの合わせ技で効果を上げる
SNSは無料で利用できるため、多くのユーザーにリーチできますが、これだけでは必ずしも顧客獲得にはつながりません。メルマガとの併用が効果的です。
SNSで認知度を上げ、フォロワーを増やした後に、メルマガに誘導して見込み客を育てるのが効果的な手法です。メルマガは、興味をもった顧客に直接アプローチできるため、成約率が高いのが特徴です。
さらに、ステップメールやターゲティングメールを活用することで、特定のアクションを取った顧客に対して効果的なフォローアップができます。これにより、顧客との関係性が深まり、長期的なリレーションシップを築くことが可能となります。
SNSとメルマガの両方をバランスよく活用し、認知から購買までのプロセスをしっかりと設計することが、SNSマーケティングの成果を最大化する秘訣です。
さいごに
SNSが一般化している現代において、SNSマーケティングは企業にとって欠かせない手法となっています。自社の目標やターゲットに合ったSNSを選定し、戦略的に活用することで、より精度の高いマーケティングが実現可能です。
SNSマーケティングをメルマガと併用する際には、メール配信システム「Cuenote FC」をご検討ください。Cuenote FCは、メルマガの配信や運用に役立つ多彩な機能を備えているため、効果的なマーケティング活動を実現します。例えば、効果的な一人ひとりに合わせたパーソナライズメールの配信や、シナリオ配信やステップメール配信の自動化などが可能です。