メール配信システムのソフト選定方法と注意点を解説!
現在、多くの企業でメール配信を行いマーケティングに活用しています。
メール配信で役立つのが、メールを大量に一斉配信できる「メール配信システム」です。
販促や告知、リピーター増加を目的にメルマガ配信を行う場合は、メール配信システムが不可欠です。
しかし、メール配信システムを構築する上で必要となるメール配信ソフトには、さまざまな種類が存在します。
また、オンプレミス型、クラウド型といったタイプのものもあり、どれを選択すればよいか悩む方もおられるでしょう。
本記事では、メール配信ソフトについて、その機能や選び方、比較すべきポイントを詳しく解説します。メール配信システムを構築したいと考えておられる方は、ぜひご参考ください。
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メール配信システムとは何なのか?
メール配信システムを導入すると何ができるか
そもそもメール配信システムを導入すると、どのような効果が得られるのかを見ていきましょう。
メール配信システムを導入することで、以下の効果が期待できます。
■大量のメールを高速に配信できる
通常のメールソフトで大人数に対してメルマガを配信しようとすると、膨大な時間がかかります。
また、通常のメールソフトでの大量配信はスパムメールと判定されやすくなり、
受け取り側で迷惑メールとして振り分けられる場合や、セキュリティソフトのフィルタリングにかかる可能性があります。
その問題を回避するには、メール配信システムを利用すれば、大量のメールを高速かつ確実に配信できます。
スパムメール対策もされていれば、迷惑メールとして判定され除外されるリスクも少なくなります。
■メルマガの作成・配信ができる
メール配信システムには、メルマガを簡単な操作で手軽に配信するための機能が使えるようになります。
たとえば、宛先のメールアドレスや定型文などをテンプレートとして登録し作成を効率化できる機能や、
メルマガ会員の会員登録、退会処理といった会員管理機能が挙げられます。
■メール配信効果が高く、マーケティングに利用できる
配信したメールがきちんと到達されたか確認する到達率表示や、開封されたかを確認する開封率表示といった、効果測定機能を備えているメール配信システムもあります。
またこの結果を使って、メール読者の行動分析に応じた施策を行ったり、メールコンテンツの改善を行えたり、マーケティングに利用できます。
メール配信システムの基本機能を紹介
メール配信システムには、主に以下の機能が備わっています。
一斉配信
指定した宛先にメールを一斉に送付します。
各ISP事業者には、たとえば単一の送信元IPアドレスからの一斉配信はスパムメールと認識しブロックする仕組みなど、ISP毎の迷惑メール判定レギュレーションが存在します。
しかしメール配信システムにおいては、ISP事業者毎のレギュレーションに合わせた柔軟な一斉配信によって、迷惑メール判定が起きないように配信を行うことが可能です。
自動配信(予約配信)
配信時間を設定することで、自動でメールを送信する機能です。
日々決まった時間にメールを配信したい場合、この機能を利用すれば配信タイミングにおいて、自分で配信作業を行う手間を省くことができます。
送信先ユーザーによっては読みやすい(受信と同時に開封しやすい)時間帯も異なるため、送信先に適した時間に配信したい、という場合にも有効な機能です。
たとえば、ユーザーによっては「日中に案内メールが来てもほぼ開封しない、重要な連絡以外はそのまま件名だけ見る程度ですぐ削除してしまう傾向にある」
「夜間であれば、興味の薄い内容であってもひとまず開封し、中身まで確認する傾向にある」というように、時間帯ごとにリアクションが異なる場合もあります。
自動配信(予約配信)であれば、そういった「ユーザーごとの時間帯別の傾向」に合わせた配信も可能です。
セグメントメール配信
セグメント配信とは、送信先をユーザーの性別や年齢といったデモグラ情報などを抽出し、抽出したユーザー(セグメント)ごとに適した内容のメールを配信する機能です。
メール配信システムによっては、登録された情報から自動で属性ごとに抽出する(セグメント)機能を持つものもあります。
また、特定のセグメントに対してのみメールを配信することも可能です。
ステップメール・シナリオ配信
ステップメール配信とは、あらかじめ指定したスケジュール通りに、ユーザーの状況に応じて段階的にメール配信をする機能です。
たとえば、ショッピングサイトで商品を購入後、即時にお礼メールを送信し、
3日後にその商品の評価を確認するアンケートメールを送信。
7日後に購入した商品に関連したおすすめ商品を紹介するメールを送信する、といった形で、段階的に配信します。
シナリオ配信とは、指定したスケジュール通りに配信するだけではなく
ユーザーの行動(開封・クリック)に応じて配信するメールコンテンツを分岐させる機能です。
たとえば、キャンペーンセールのメールを送信し、すぐに開封したユーザーには限定クーポンを送信し
開封しなかったユーザーには、3日後に再度キャンペーンセールの案内メールを送る。といったユーザーの取りこぼしを減らせる高度なメールマーケティング機能です。
各種テンプレート
メールの文面をあらかじめテンプレートとして登録することで、文面の作成を効率よく行うことができます。
HTML形式のメルマガでは、商品画像などを盛り込んだデザインテンプレートを利用できます。
差し込みタグ機能
メールの件名や本文内にタグをいれることで、名前や年齢、誕生日といったユーザー情報に応じた情報を挿入することができる機能です。
この機能を活用することで、受信したユーザーに「自分宛てのメールである」と意識してもらえます。
名前だけでなく、購入履歴や閲覧履歴を元にした内容や、所有しているポイントを表示するなど、パーソナルな情報を挿入することで、開封率アップにつなげられます。
モバイル端末メール対応
携帯電話やスマートフォンに対応したメールを配信することができます。
メール配信システムによっては、デバイス別に配信方法を切り替える自動配信機能を備えているものもあります。
たとえば、HTML形式のメールを送る際には相手側の端末情報をもとに、画像をリンク型で送るべき場合と、添付型で送るべき場合とで送り分けを自動で行います。
配信したメールの効果測定
メールの開封率や本文に記載されたURLのクリック率など、メール配信効果の測定を行えます。
また、この結果を元にマーケティングツールと連携して、顧客行動に応じた施策を行えます。
システム連携
メール配信システムに登録されている配信リストを一覧形式でファイルに出力して他システムへの取込みや、
API連携による他システムとのシームレスな連携を実現できます。
たとえば、購入データと連携しておすすめ商品をメール本文に自動記載し配信する、といったことも可能です。
メール配信システムの2つの型とは?
オンプレミス型
オンプレミス型は、サーバーやネットワークなどインフラ環境を自前で用意し、メール配信システムを構築する方式です。
導入から運用まですべて自前で行うため、スキルをもった人材が必要です。
オンプレミス型のメリットは、自社のサーバーに構築するため、自由度が高い点です。
クラウド型に比べメール配信ソフトはカスタマイズできる幅が広く、スキルをもった人材がいれば柔軟なカスタマイズができます。
メール配信システムが自社にあるため、既存システムとの連携が容易である点も重要です。
また、メール配信システム内のデータも自社内で管理することができ、自社のセキュリティポリシーも適用できます。
オンプレミス型のデメリットは、メール配信システムに必要なインフラ環境およびメール配信ソフトを準備・購入する必要があるため、初期コストがかかります。
またそれらを使用して自分たちで構築から運用までを行わないといけないため、システムの利用開始までに期間が必要です。
障害時のメンテナンスも自社で対応を行わなければなりません。
ハードウェアの故障やリソース不足などのトラブルに対しても対応できる有識者を揃えるなど、体制を整える必要があります。
クラウド型
クラウド型は、インターネット上でメール配信サービスを提供しているサービス提供ベンダーと契約し、メール配信を行う形態です。
クラウド型のメリットは、オンプレミス型と比べて導入コストを抑えられる点です。
自前でサーバーやネットワークといったインフラ環境、メール配信ソフトを用意する必要がないため、初期導入コストは、低く抑えられます。
また、導入後の運用についてもコストを抑えられます。
障害対応はすべてクラウド提供ベンダーによって対応が行われるため、自前でメンテナンスや障害対応を行う必要がありません。
さらにクラウドだと、リソースの増強も柔軟に行えます。
たとえばメール配信数を増やすためにシステムを増強したい場合、
オンプレミス型だとサーバーやネットワークが耐えられなければシステムを刷新する必要があり大きなコストがかかります。
クラウド型であれば契約内容を見直すだけで増強できるため、拡張が簡単に行えます。
クラウド型のデメリットは、メール配信ソフトにくらべてカスタマイズが制限される点です。
利用サービスにあらかじめ備わっている機能以上のカスタマイズを行うことはできず、独自の機能拡張を行えません。
また、機能やインフラ環境などすべてクラウドベンダーに依存しますが、セキュリティについても同様です。
最近ではクラウド型でもセキュリティ対策が充実しているサービスが多いですが、自社特有のセキュリティポリシーがある場合は、ポリシーを満たせない場合もあります。
クラウドサービスを選ぶ際には、セキュリティ対策についても確認が必要です。
なお、クラウド型は費用が月額となるため、オンプレミス型と比べると安く抑えられますが、プランによっては月額コストが高くなる場合もあります。
特にメール配信数が多い場合は月額費用も高くなり、
結果的にオンプレミス型の運用(セキュリティ対応やアップデート・ハードウェアの保守費など含む)と同等ほどの費用になってしまう場合もあるため、注意が必要です。
メール配信ソフトの有料と無料の違い
メール配信ソフトには、有料版と無料版があります。それぞれメリット、デメリットがあるため、メール配信ソフト選択の参考にしてください。
有料版の特徴
有料版の特徴として、メールの一斉配信以外にもステップメールや効果測定機能など、ビジネスやマーケティングに有効な機能が充実している点が挙げられます。
現在のメールコンテンツの主流となるHTMLエディタが利用できたりします。
また、無料版にくらべ配信数が多くても問題ないため、大規模な宛先に配信したい場合には有料版の利用がおすすめです。
その他、セキュリティ対策が備わっていることや、サポート体制が整っているなど、運用においても機能やサービスが豊富です。
特に障害が発生した時に、メーカーから手厚いサポートが得られると安心です。
無料版の特徴
無料版のメリットは、メール配信ソフトの購入費・メンテナンス費がかからない点です。
無料であっても一通りの機能は実装されてることが多く、メールの一斉配信が行えます。
メルマガ配信を新規に始めたばかりで、スモールスタートで始めたい場合や、個人事業主で利用する場合に便利です。
無料版は0円で利用できる代わりに、利用できる機能や配信数に制限がある点がデメリットです。
同じソフトで有料版がある場合、無料版はあくまで体験版という位置づけである場合が多いため、機能制限がかけられているソフトが多いです。
また無料版では、機能も制限されている上にセキュリティ対策が不十分な場合もあります。
そのため、セキュリティ対策は自前で行わなければなりません。
さらにメーカーからのサポートが得られないケースもあり、障害などトラブルが発生した場合も自前で対応しなければならないこともあります。
ある程度利用してみて、使えそうだと判断できたときに、有料版への切替も検討するとよいでしょう。
メール配信ソフトの選定のポイント
1、メール配信システム導入の目的が明確か
メール配信システム導入の目的はさまざまあります。
メルマガ配信、キャンペーンメール配信、マーケティング目的など、それぞれの目的によって求められる機能が異なります。そのため、メール配信システム導入の目的を明確にしておくことが肝心です。
「何を目的に配信するのか」「配信するターゲットはどのようなユーザーか」「どういうコンテンツを配信するのか」「配信頻度はどのくらいか」といったことを決めておくことで、必要な機能が洗い出せます。
メール配信ソフトも、各システムで機能に強み・弱みが異なるため、きちんと配信の目的を定め、目的に適したソフトを選択するようにしましょう。
2、コストは目的にあっているか
求める機能や配信数が多ければ多いほど、コストもかかってしまいます。そのため、必要な機能に絞った上で、適切なコストを見積もることが大切です。
たとえば、決まった定型文を定期的に配信するのであれば、HTMLメール配信やシステム連携機能は不要の場合もあります。
適切な料金プランを選択し、相応のコストで目的を実現できるソフトを選ぶようにしましょう。
3、対応端末はどこまでか
現在ではPC以外にもスマートフォンやタブレットなど、さまざまな端末でメールの確認ができます。
そのため、それぞれの端末に対応した表示ができることを確認しましょう。メール配信ソフトにデバイスごとに自動で配信方法を切り替える機能があると、大変便利です。
メールを配信したものの、レイアウトが崩れて閲覧できないようでは、せっかく配信したメールを読んでもらえなくなります。
対応端末はメール配信システムによって異なるため、あらかじめどの端末に配信していくかターゲットを決めておくことが、メール配信ソフトを選ぶ時のポイントの1つです。
4、機能がどこまで利用できるか
メール配信ソフトによって、搭載されている機能や制限が異なります。
各メール配信ソフトがどこまでの機能を利用できるか確認しましょう。たとえば、以下の点を確認しておきましょう。
- 配信数上限はどのくらいか
- HTMLメールの送信が可能かどうか
- 開封率などの効果測定機能があるかどうか
- ステップメール配信、セグメント配信は可能か
オンプレミス型のメール配信ソフトの場合、購入すると全ての機能が扱えることがほとんどですが、クラウド型の場合は、契約プランによって使用できる機能や制限が異なります。
利用できる機能が多いほど料金は高く、機能がシンプルなほど料金は低くなるため、目的を達成するために必要な機能が揃っているか、という観点で見定めることが大切です。
5、既存システムとの連携可否
メール配信システムの機能をみてもわかるとおり、メール配信システムはメールを一斉配信するだけでなく、さまざまなデータを利用してユーザーに合わせた本文内容のメールを配信できます。
しかしそのためには、メール配信システムが他のデータを参照できる必要があります。
たとえば、差し込みタグ機能でユーザーの名前や生年月日を差し込むためには、その情報を参照できなければなりません。
購入した商品名を差し込むためには、そのユーザーの購入履歴から情報を取得する必要があります。
それらの情報が既存システムにあるのであれば、そのシステムと連携することで再利用できます。
このことからも、メール配信システムが既存システムと連携できると柔軟にメールを配信できるようになるため、メール配信ソフトを選ぶ際には既存システムとの連携可否を確認しましょう。
6、セキュリティおよびサポート体制は十分か
オンプレミス型の場合、自社内のセキュリティポリシーが適用できるため、セキュリティ対策が対応しやすいです。
しかしクラウド型の場合は、自社のセキュリティポリシーに合わせられるか確認が必要です。
メール配信システムは顧客の個人情報を取り扱うため、十分なセキュリティ対策がとれていることを確認しておきましょう。
また、製品不具合などのトラブルや導入時の相談、バージョンアップなどのサポート体制が整っているかも確認しておく必要があります。
導入だけでなく運用も含めて体制が整っていることをあらかじめ確認しておくと、安心して効率的な運用が実現できます。
メール配信時に注意するべき点とは?
特定電子メール法を遵守する
メール配信を行う場合「特定電子メール法」を理解し、遵守しなければなりません。特定電子メール法は、2002年4月に成立し、2005年、2008年と2回にわたって改正が行われています。
万が一、この法律に違反するメールを送った場合は、送信者が処罰されることになるため、必ず内容を理解しておく必要があります。
・オプトイン方式の導入
広告宣伝メールを送信する場合は、原則「あらかじめ同意した人に対してのみ」送信が認められます。
・同意の記録を保存する
広告宣伝メール送信において同意が得られた場合、その記録を保存しておく必要があります。
・広告宣伝メールには必要事項を記載する
送信内容に送信者の氏名や名称(○○株式会社、など)、受信拒否の場合の連絡先など、一定事項を表示する必要があります。
・受信拒否があった場合は配信を停止する
送信することを同意した人から、受信拒否の通知があった場合は、以後の送信は行ってはいけません。
受信拒否の通知の有無を明確にするため、その記録を保存しておくとよいでしょう。
メール配信ソフトは自社に合うものを
メール配信システムは、大量のメールを高速かつ効果的に配信でき、マーケティングにも利用できます。
しかし、オンプレミス型やクラウド型、有料版・無料版など、種類も多数あり、どれを選んでいいか悩む方もおられるでしょう。
メール配信ソフトを選ぶときに見るべきポイントは以下の6つです。
- メール配信システム導入の目的は明確か
- コストは目的にあっているか
- 対応端末はどこまでか
- 機能がどこまで利用できるか
- 既存システムとの連携可否
- セキュリティおよびサポート体制は十分か
他にも、メール配信ソフトの導入事例や資料を確認し、参考にするという方法も有効です。
これらの点をしっかり押さえ、目的にあったメール配信ソフトを選択しましょう。
キューノート エフシー
メール配信システムCuenote FC(キューノートFC)は、会員管理やメール配信後の効果測定をグラフィカルに表示。システム連携用APIなども提供しており、一斉配信からメールマーケティングまで行えます。独自開発のMTA(配信エンジン)とノウハウで、月間のメール配信数76億通・時間1,000万通以上(※)の高速配信を実現し、スマートフォンや携帯にもストレスなく高速・確実にメールを届けます。 ※クラウド型サービス(ASP・SaaS)の実績値