ドメインとは?メール配信に役立つ機能も解説!
インターネットに公開されているサイトは、どのような仕組みでアクセスされているのでしょうか。またIPアドレスとドメインは、インターネットの仕組みを理解する上でよく使用されるキーワードですが、そもそもどういうもので、どういう関係性なのでしょうか。
今回はドメインについて解説するとともに、メール配信との関係についてもわかりやすく解説します。
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ドメインとは?
ドメインとは、インターネット上の住所をわかりやすく示したものです。WebサイトではURLの「〇〇〇.jp」のような最初のスラッシュまでの英数字の文字列を指します。またメールでは@以降の部分を指します。
- メールアドレス:xxxx@ymir.co.jp
- URL:https://www.ymir.co.jp/library/
ただし、ドメイン単体ではサーバーの所在は分からず、メール送信やWebサイトを閲覧すること=サーバーにアクセスすることはできません。
サーバーにアクセスする時には「IPアドレス」が必要だが分かり辛い
メールを送信したり、Webサイトのページを閲覧したりする際には、対象のサーバーにアクセスする必要があります。サーバーの所在地を判別するために、住所と同じ概念で使われるのが「IPアドレス」です。
IPアドレスは「000.00.000.0」のような数字の羅列です。しかし、非常に分かり辛いデメリットがあります。
そこで、主にIPアドレスよりも分かりやすい「ドメイン」が住所の役割を果たしています。
DNSがIPアドレスとドメインをつないでいる
ドメインでも問題なく指定のサーバーにアクセスできるのはIPアドレスを相互に変換するサービス「DNS(Domain Name System)」があるからです。あるドメインのメールアドレスに送信する場合、一度DNSにアクセスし、ドメイン情報を元にIPアドレスを問い合わせます。確認できたIPアドレスに対してアクセスすることで、宛先の場所であるメールサーバーを特定することができます。Webサイトでも同様の仕組みでアクセスします。
ドメインの構成要素
ドメインには構成があります。主に「トップレベル」「第2レベル」「第3レベル」...といった複数のラベルから構成されています。
- トップレベルドメイン:分野別・コード別・属性別の3種類
- 第2レベル:主に組織名を表す
- 第3レベル:空きがあれば、利用者が独自に登録できる
例えば弊社のコーポレートサイトのドメイン名「ymir.co.jp」の場合、構成要素は下記のようになります。
トップレベルドメイン:jp
第2レベルドメイン:co
第3レベルドメイン:ymir
3つの構成には役割があり、上記例では「日本にある会社組織ymir」のように訳すことができます。
トップレベルドメインの役割とは
トップレベルドメインは、分野別トップレベルドメイン(gTLD)と国コードトップレベルドメイン(ccTLD)に分かれます。
分野別トップレベルドメイン(gTLD)
分野別トップレベルドメイン(gTLD)は、用途別に分かれており、世界のだれでも登録が可能なドメインです。分野別トップレベルドメインの例として、以下があります。
- com:商業組織用
- net:ネットワーク用
- org:非営利組織用
- edu:教育機関用(米国教育省公認の認定機関から認可を受けた教育機関)
- info:制限なし
- biz:ビジネス用
国コードトップレベルドメイン(ccTLD)
国コードトップレベルドメイン(ccTLD)は、国や地域ごとに割り当てられているドメインです。
基本的にその国や地域に在住する人でなければ取得することができません。
ISO(国際標準化機構)により、2文字の国コードを使用しています。
日本であれば「jp」です。他にも、アメリカであれば「.us」、オーストラリアであれば「.au」など、2022年3月時点で255登録されています(※1)
(※1) 出典: 【日本ネットワークインフォメーションセンター】
第2ドメインの役割とは
第2ドメインは、主に組織を表します。
トップレベルドメインがJPドメインの場合、学校教育に関連する組織「ac.jp」や、会社組織「co.jp」、政府機関や独立行政法人「go.jp」などがあります。
- 学校教育に関連する組織:ac.jp
- 会社組織:co.jp
- 政府機関や独立行政法人:go.jp
第3ドメインの役割とは
第3レベルドメイン以降は、利用者が独自に登録できます。
独自ドメインと呼ばれるものです。ただし、ドメインは住所を示すため、すでに登録されているものを重複して新たに登録することはできません。
ただし、一度登録されたドメインに対しても利用者が解約などの理由でいなくなった場合には、利用することができます。
サブドメインも
サブドメインは、独自ドメインをさらに複数に分割して利用できるドメインのことです。
これにより、1つのドメインからさまざまな用途に利用することができます。
たとえばドメインが「ymir.co.jp」とすると、このドメインが提供する複数のサービスごとにサブドメインを割り当てることが可能です。Webサービスであれば「www.ymir.co.jp」、メールサービスであれば「mail.ymir.co.jp」などです。
このように企業がインターネットを介して外部と通信をするためにサービスを利用する場合、独自ドメインを分割してサブドメインを割り当てることが一般的です。これにより、1つの独自ドメインをもつだけでさまざまなサービスを利用することが可能です。
独自ドメインのメリット
独自ドメインを取得しなくても、メールであればGmailをはじめとするフリーのメールアドレスを取得し利用することもできます。では、独自ドメインを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
好きな文字列を設定できる
独自ドメインは、好きな文字列を指定することができます。
会社名などわかりやすいドメイン名をつけることで、サイト訪問やメールアドレスの受信の際にもわかりやすく、迷惑メールにも振り分けされにくいというメリットがあります。
信頼度を高めることができる
独自ドメインはWebサイトやメールの信頼性を高められる点もメリットです。例えばURLに企業名が入っていると、オンライン上で他社と差別化を図れるだけでなく、企業名を前面に出して、本格的に事業を運営している印象も与えられます。
さらに、メールアドレスから送信元の企業を判断できれば、受信者の安心感につながります。迷惑メールと見誤って削除されないようにする対策としても有効です。
認知度・ブランド力の向上につながる
企業名や自社の特徴となる文言が入った独自ドメインは、認知度やブランド力を高める点でも有用です。メールの送信元アドレスやWebの検索結果などに表示されるため、自社の存在や価値をユーザーに伝えることができます。
また、ドメインをインターネット上の住所という位置づけにとどめることなく、マーケティングにも活用できれば、企業の知名度向上にも貢献します。同じドメインを継続して運用することは、企業イメージの構築やブランディングに役立つでしょう。
メルマガ配信などで迷惑メール判定を受けにくい
メルマガ配信では独自ドメインの使用が推奨されています。迷惑メールの判定には、メールアドレスに使用されるドメインの信頼度や安定性が影響するからです。
独自ドメインは、信頼度の高さに加え、ドメインを自社の所有物にして永続的に利用できることから安定性も確保されます。
メルマガ配信の成果を向上させるには、なりすましや迷惑メール、スパムの判定を回避することが重要です。独自ドメインの利用により、こうした判定の影響を低減できます。
メールアカウントを複数追加できる
メールアカウントも複数作成することが可能です。
フリーメールだと多くの人に利用されているため、メールアカウントを登録しようとしても、取得したいユーザー名がすでに使われており登録できない場合が多いです。
しかし、独自ドメインであれば、自社内でメールアドレスが重複しなければよいので、フリーメールを利用する場合に比べて好きなユーザー名(メールアカウント)を登録しやすいという利点もあります。
独自ドメインのデメリット・注意点
メール配信におけるメリットがある一方で、独自ドメインの利用には次のようなデメリットや注意点もあります。
登録費用がかかる
独自ドメインを利用する場合は、登録あたって費用が発生します。
トップレベルドメインの種類により費用は異なりますが、おおよそ年間数千円です。特に個人でWebサイトを運営する場合は、負担を考慮する必要があります。
有効期限があり、更新が必要
独自ドメインを登録しても、有効期限が設定されており、都度更新が必要です。
更新を忘れてしまうとドメインが使用できなくなるため、下記のように設定すると良いでしょう。
- 更新間隔を通常1年から複数年にする
- 自動更新を設定する
更新を怠ると、ドメイン名が使用できなくなるだけでなく、第三者に登録され使用される場合があります。それにより、意図しないサイトにドメインを使われるケースや、ドメインの譲渡を交渉して多額の譲渡金を請求されるケースも発生しています。
少なくとも自動更新にしていればドメインが途中で利用できなくなることはないため、必ず確認するようにしましょう。
中古ドメインの利用には注意
主にSEO効果を目的に第三者が利用していた中古ドメインを購入して、独自ドメインに使用するケースも見られます。
中古ドメインをうまく活用するには、ドメインの質を見極めなければなりません。万が一、購入した中古ドメインが、過去にスパムメールの送信に使用されていた場合、受け継いだ企業のメールもスパム判定されるおそれがあるため、注意が必要です。
購入する際は、中古ドメインの価値や信頼性を事前に調査しておくことをおすすめします。
ネームサーバーの設定が必要
ネームサーバーは、別名、DNSサーバーとも呼ばれます。先にお伝えした通り、DNSサーバーを経由しなければ、ドメインとIPアドレスを相互に変換できません。設定に不備がある場合、メールの送受信に支障が生じて、スパム判定されるリスクも高くなります。
自社が独自でネームサーバーを設定する際は、ドメインやサーバーに関する高い技術と知識が必要です。リスクを回避するために、確実な設定が求められます。
独自ドメインを作成する方法
独自ドメインの作成方法を5ステップに分けて説明します。
ステップ1|トップレベルドメイン・第2レベルドメインを決定する
最初に、国や分野、属性を示すトップレベルドメイン、主に組織名を表す第2レベルドメインを決めます。更新費も含め、ドメインの種類によって価格設定が異なります。利用の目的や予算に応じて適切なドメインを選ぶことが大切です。
ステップ2|第3レベルドメインを決定する
第3レベルドメインには企業名、ブランド名、自社の特徴などを入れて、他社との差別化を図りましょう。一部のサービスでは、全角のひらがなやカタカナ、漢字などが使用できる日本語ドメインもあります。
ドメインの基本的なルールは次の通りです。
- 文字数はローマ字で3~63文字
- 半角英数字(A~Z、0~9)と半角のハイフン「-」のみ使用可能
- ハイフン「-」は、ドメインの先頭と末尾のほか、3文字目、4文字目の連続使用が不可
- 日本語ドメインの文字数は、半角英数字(A~Z、0~9)と半角のハイフン「-」を含めて、1~15文字程度
ステップ3|ドメインの使用可否を調べる
希望するドメインが取得済みの可能性もあるため、ドメインの登録先やドメイン重複チェックツールで取得状況を確認します。
「co.jp」や「.com」のように認知度の高いトップレベルドメインは人気があり、空きがないケースも考えられます。その場合は、トップレベルドメインの変更のほか、第3レベルドメインとの組み合わせを工夫して空きのあるドメインを探してみましょう。
ステップ4|契約に必要な手続きをする
ドメインの契約は、ドメイン専門会社かレンタルサーバー会社で行います。ドメインの種類や登録費用、更新費用、サポート体制などを考慮して契約先を決めましょう。
契約時は、契約者情報やドメインに関する情報が求められます。ドメイン情報の一部は「Whois情報」として、登録者の氏名、住所、電話番号などがインターネット上で公開される仕組みです。
希望しない場合は、代わりに登録先の情報が公開されるWhois情報公開代行もあるので、必要に応じて利用を検討してみてください。
ステップ5|ネームサーバーを設定する
ドメインとIPアドレスを紐づけるネームサーバーの設定を行います。自社の所有するメールサーバーは、利用環境に合わせて適宜設定を進めましょう。
自社以外のメールサーバーを使用するケースでは、ドメインを取得した会社とレンタルサーバー会社が別の場合、同じ場合で設定方法が異なります。
前者は、ドメイン側の管理画面でレンタルサーバーのネームサーバーを設定し、レンタルサーバー側の管理画面でドメインを設定しなければなりません。レンタルサーバー会社でドメインを取得する後者のほうが設定は簡単です。
独自ドメインの決め方
独自ドメインのうち、第3レベルドメインをどうするかで悩む方も少なくありません。次に、独自ドメインを決める際の考え方やポイントについて解説します。
訪問者・読者が覚えやすく短い文字列にする
ドメインは短い文字列が適しているといわれています。視認性が高まることで入力ミスを防げるほか、短いほうが記憶にも残りやすいからです。
例えば「車」という言葉をドメインに入れる場合、英語の「automobile」や「vehicle」「car」のほか、ローマ字の「kuruma」などの文字列も考えられます。このうちもっとも文字数が少ない「car」は、意味が伝わりやすく、覚えるのも簡単です。
ドメインの空き状況にもよりますが、このように表記が複数あって迷った際は、文字数やわかりやすさで判断するのもひとつの方法です。
商標に似たドメイン名は避ける
他社の商標や商号と類似したドメイン名は利用を避けましょう。商標権を侵害したとして、利用の差し止めや損害賠償を請求されるリスクがあるからです。
また、不正競争防止法に基づき、不正な目的でドメインを取得したとみなされて、同じく、差し止めや損害賠償を請求されるおそれもあります。防止対策は次の方法が考えられます。
- ドメインと類似する他社の商品名・サービス名がないか検索する
- 商標検索サービスで出願・登録された商標を確認する(※2)
- ドメイン取得の目的を確認する
(※2)出典:J-PlatPatの「商標検索」
数字は多用しない
メール配信において、数字ばかりの独自ドメインの利用はおすすめしません。規則性のない数字列は記憶に残りにくいばかりか、下記のように英字と判別しづらいパターンもあります。
- 0とO
- 1とl
- 2とZ
- 6とb
加えて、数字を多用したドメインは、メルマガ配信に悪影響を及ぼすリスクもあります。スパムメールには数字を多用したメールアドレスが多いことから、不審なドメインと誤認されやすいためです。
ただし、もともと社名やブランド名に数字が入っているケースでは、数字を含むドメインも有効活用されています。ドメインの利用目的を考慮した検討が必要となるでしょう。
中古ドメインを選ぶ際のポイント
先に述べた通り、独自ドメインの取得方法として中古ドメインの購入があります。ただし、中古ドメインの悪い評価も引き継がれれば、自社が迷惑メール判定やスパムサイトの認定を受けるおそれがあるため、注意しましょう。
不利益を被らないためにも、中古ドメインは下記のポイントを押さえた上で選ぶことが重要です。
Google Chromeでドメインを検索する
Google Chromeを利用して、中古ドメインのリスクを確かめる方法です。
Google Chromeには、悪意のあるソフトウェアで被害をもたらすマルウェアや、個人情報をだまし取るフィッシングを検知する機能がデフォルトで備わっています。危険性のあるWebサイトであれば警告が出る仕組みなので、下調べに活用できます。
ブラックリスト登録の有無を確認する
この場合のブラックリストとは、スパムメール対策を目的として、迷惑メール対策団体をはじめとする各組織が作成した迷惑メールの送信元のリストです。
過去に大量の宛先へメール配信された履歴や、使われていないメールアドレスへの配信によるエラーの多さなどから、疑わしいメールアドレスが登録されます。ブラックリストへの登録の有無は、ブラックリストチェックツールで確認できます。
Googleで「site:ドメイン名」で検索する
「site:ドメイン名」でGoogle検索をかけると、調査したい中古ドメインに関連したWebページや過去のコンテンツを閲覧できます。
サイトの内容をはじめとするこれまでの利用状況が判断材料になり、中古ドメインの価値や質を推測する際に役立てられます。
被リンクの数・質を確認する
中古ドメインの価値を大きく左右するのが被リンクの数と質です。
被リンクは数が多ければ良いわけではなく、質の低いリンクを増やさないことも重要です。信頼性や権威性のあるサイトからの被リンクはドメインの評価を上げる一方で、相互リンク目的のリンクやコピーコンテンツからのリンクなどは低評価を受けます。
被リンクチェックツールを活用すれば、数と質の両面から被リンクの分析を行えます。中古ドメインの購入前に、被リンクから受け得るリスクについても確認しておきましょう。
独自ドメインを設定してメール配信を効率良く行うためには?
ここまで、ドメインについて解説しました。
メールアドレスはドメインを含んでいるため、ドメインを理解することはメール配信を効率良く行うために非常に重要です。
最後に、メール配信を効率よく行うためのポイントを解説します。
大量に配信するとブロックされる可能性も
GmailやYahoo!メール、携帯電話のサービスなどは、大量のユーザーをもっていますが、ドメインは同一です。たとえばGmailを利用する人は、全員ドメインは「gmail.com」ですし、docomoの通信サービスを利用している人は「docomo.ne.jp」となります。ドメインは重複して利用されることはないため、そのドメインを管理するプロバイダーは1つです。
フリーメールや各携帯キャリアのメールは、受信する時に一度に何通以上受信すると迷惑メールに振り分ける等の独自のルールを設けています。
このようなことから、メール配信を行う際に確実に届けるためには宛先のドメインを考慮する必要があります。
ドメインごとに適切な配信が必要
メール配信を行うためには、迷惑メールとみなされないよう、負荷の高い時間帯は避け、ドメインやキャリアごとに適切な配信数を考慮して配信することが大切です。それを実現する方法としては、メール配信システムの利用があげられます。
メール配信システム「Cuenote FC」では、メール配信をサポートする多数の機能が備わっています。たとえば、メール配信状況を確認し、既に使用されていないメールアドレスや、ブロックされたことによりエラーとなったメールアドレスを解析し、エラー回数を超えて配信に失敗したメールアドレスへの配信を自動で除外します。
また、ログ分析データを管理しドメインごとの配信効率を分析、プロバイダーの負荷とならないよう、プロバイダー単位での最適な送り方をすることで、効率のよいメール配信を実現しています。
まとめ~ドメインの理解が重要~
今回はドメインについて解説しました。
ドメインにはいくつかの種類があり、独自ドメインはフリーのアドレスにはないメリット・デメリットがあります。また、ドメインを理解しておかないと、メールを配信しても迷惑メールとみなされ、ブロックされる可能性があります。
メール配信システム「Cuenote FC」は、ドメインを考慮し最適なメール配信を実現する仕組みが備わっています。詳しく情報を知りたい方は、ぜひご連絡ください。