満足度アンケートも「モノからコト」へ

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満足度アンケートも「モノからコト」へ


顧客満足度の向上のために、利用者・購入者向けにアンケートを実施することは、多くの業種・業態で取り入れられています。「コト消費」の時代と呼ばれる今、評価の対象も「モノからコト」へと変化しつつあります。

外形的な評価のできる「モノ」と違い、「コト」の評価はどうしても主観的になりがちなため、適切な設問設定と選択肢配置が重要です。一方、もとよりフィードバックの回収が難しい部分でもあるため、「コト」への評価点、改善点をビジネスに生かすことは「モノ」によらない他社との差別化を可能にすることに繋がります。

今回は、実際にWebを活用した「コト」の満足度調査の事例とともに、より精度の高い回答へと導くためのポイントを紹介します。



【事例1】大型商品の購入客に「配送スタッフ」の満足度調査


満足度アンケートも「モノからコト」へ

ある小売店では、後日の配送・設置を伴う商品を購入したお客様にWebアンケートで配送や担当スタッフの評価をしてもらう仕組みを導入しました。

元々メルマガ配信の仕組みを導入していたため、顧客データベースとの連携で直近の購入履歴から該当の顧客に回答依頼のメールを送り、Web上で完結するようにしました。選択肢は「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で、回答は担当者へフィードバックされるとともに、データベースに回答履歴を反映させ、次回来店時に回答へのお礼を店頭で伝えられるようにしました。

これまでは購入した商品やその案内を行ったスタッフ、またお店の品ぞろえなど「モノ」を軸としたアンケートにとどまっていましたが、「コト」に関する設問を取り入れた結果、回答の回収数は以前の3倍に増えました。

こうした取り組みは単に顧客満足度の向上のみならず、指標化しにくい「販売以外のスタッフ」の評価にも繋げられ、購入に携わるすべてのスタッフに対するインセンティブとして働くことも期待できます。


【事例2】ライブイベントの参加者に対する満足度調査


満足度アンケートも「モノからコト」へ

ある芸能事務所は、所属アーティストのライブが終わった数日後にWebでアンケートを行い、公演時間や内容等についての評価をしてもらうほか、改善要望などを受け付ける取り組みを行っています。回答依頼のメールは、ファンクラブに登録のメールアドレス宛に届きました。

これも以前は入場時にパンフレットなどと一緒にアンケート用紙を渡したうえで、終演後に回収という形式が多くみられましたが、大勢の観客が一斉に退場する終演後では慌ただしさもあり、どうしても十分な数の回収が難しいのが実情でした。

このケースにおいては、Web化による回答・回収効率のアップはもちろん、もう一つ着目したいのが「個客」に対するアプローチに切り替えた点です。

以前、「O2O時代のメールマーケティング」でも取り上げましたが、不特定多数に対する訴求ではなく、ほかならぬ「あなた」に対するメッセージとして送ることは、反応を引き出すコツの一つです。特に大勢が一堂に会するイベントでは、「一人くらい回答しなくても...」と思われがちですが、たとえ画一的な内容であっても一人ひとりへの投げかけを行うことで、回答率の改善に繋げることができます。



精度の高い集計のための適切な設問設定・選択肢配置


冒頭にも述べた通り、「コト」の評価は外形的な基準がないため、設問や選択肢を適切に置くことができないと回答者主観による評価差異が大きくなってしまい、結果的に「どの点が良かった/悪かったのか」という分析を行うことが難しくなってしまいます。

これは「コト」のアンケートに限った話ではないですが、アンケート作成にあたっては以下の点をおさえることで、より精度の高い集計に近づけることができます。


[1]ポジティブ・ネガティブの指標の数を揃える


事例1で取り上げた「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」のように、中間点から等間隔にポジティブ、ネガティブの指標を置きましょう(「リッカート尺度」と呼ばれる表現手法)。その際、程度表現(「やや」「とても」など)もできる限り同一の表記に揃え、ブレを生まないように注意しましょう。


[2]要素の重複を避け、設問に独立性を持たせる


同じ要素を含む設問はなるべく一つにまとめ、設問の有効性を高めましょう。 例えば、「公演時間の長さは適切でしたか?」という設問の後に「公演時間はどのくらいが良いと思いますか?」といった設問を並べてしまうと、双方の回答傾向が似通ってしまい「片方の回答からもう片方の回答が類推できる」ため、設問の有効性が薄れてしまいます。また、似たような設問への回答を求められることで、回答者にとっても余計な負担を与えてしまいます。原則、1つの要素に対する設問は1つまでとし、最小限の設問数で最大限の効果を引き出せるように心がけましょう。


[3]設問文の長さ、設問数に気を付ける


基本的なことではありますが、「長すぎる設問文」や「多すぎる設問」は離脱を多く生む原因となってしまいます。特にWebの世界ではブラウザを閉じれば一瞬で離脱が完了できてしまうため、この点は紙媒体でのアンケートにもまして注意を払うべきポイントです。

ある調査では、設問の数と離脱率(=アンケート参加者のうち途中で回答をやめた率)の関係について、設問数が「35」を超えると参加者の1割が、「70」を超えると3割が離脱する、というデータが示されています。たとえ回答が容易な選択式の設問であっても、設問数が多すぎると回答者の負担感を増大させてしまいます。重複している項目はないか等確認したうえで、程よい設問数となるよう心がけましょう。



おわりに


製品のコモディティ化が進む中で、「コト」による差別化のニーズは以前にもまして高まっています。指標化が難しいサービスにこそアンケートを効果的に活用し、顧客満足度の向上に役立ててみてはいかがでしょうか。

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