リードナーチャリングとは?メリットや手法など網羅的に解説します。
さまざまなサービスが溢れかえっている現代において顧客を獲得していくためには、商品をしっかり認知してもらうこと・ニーズが高まった時に想起してもらうことが重要です。
そのために、リードナーチャリング=顧客育成という考え方があります。当記事では、リードナーチャリングについて基本から手法の解説など、徹底的に深堀していきます。
また当社はメール配信システム「Cuenote FC」を提供しています。「リードナーチャリングに最適な機能が豊富にそろっています。ぜひご活用ください。
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リードナーチャリング(顧客育成)とは?
リードナーチャリングとは、見込み顧客に対し、さまざまな情報を提供することで購入・契約する「顧客」に育成すること、または再購入や追加購入を促すために育成することを指します。
見込み顧客は、課題が顕在化している場合もあれば、何らかのきっかけで顧客情報を得ただけで特に課題がない場合もあります。そして提供する商品については、まだ理解されていないケースが多いでしょう。そこで、さまざまな情報を提供することで、課題を想起させることや、その課題に対してなぜ自社商品がよいのか、他と比べて何が良いのかを理解してもらうことで顧客化に繋げます。
リードジェネレーション、リードクオリフィケーションとの違い
リードナーチャリングとセットで考えられる用語として「リードジェネレーション」と「リードクオリフィケーション」があります。それぞれ役割が異なり、3つ連動することでより多くの顧客獲得に繋げます。
リードジェネレーションとは、リード(見込み顧客)を獲得するためのプロセスを指します。リードクオリフィケーションとは、リードの中で受注確度の高い顧客を抽出することを指します。
つまり、リードジェネレーションで見込み顧客を獲得し、ナーチャリングにより見込み顧客を育成します。リードクオリフィケーションで受注確度の高い見込み顧客を抽出して効率的に顧客を獲得していきます。
なぜ、リードナーチャリングが重要なのか
リードナーチャリングが重要な理由は、主に2つあります。
顧客は能動的に情報を収集・比較するようになっているから
口コミサイト、比較サイト、SNSなどWeb上であらゆる情報が容易にアクセスできる時代において、多くの顧客は能動的に情報を調べるようになっています。
そのため、商品について理解してもらうための情報発信が必要になっています。
特にBtoBビジネスにおいては、コロナ禍を経て在宅ワークなどが進み、電話や商談を避け、メールのみでのやり取りを求めるケースも増えています。伝えたいことが確実に伝わるようにさまざまな情報発信=ナーチャリングが重要です。
顕在層だけでなく潜在層の獲得が重要になっているから
人口減少しており、優れた商品・サービスが溢れかえっている今、顕在層のみターゲットとしていては成長の限界がはやく訪れてしまいます。潜在層・未認知層の獲得が重要になっています。
BtoBビジネスにおいては、ホワイトペーパーをダウンロードした企業や、ウェビナー参加企業など、商品そのものについてのニーズがない潜在層の獲得を行うようになっています。しかし、潜在層はすぐに顧客になる可能性は極めて低いでしょう。
そこで長期的な情報提供を続け、課題が顕在化した時に選ばれるためにリードナーチャリング施策が重要になります。
リードナーチャリングのメリット
リードナーチャリングは重要な施策であるため、メリットも豊富にあります。主な4つの点を紹介します。
営業の効率が上がる
リードナーチャリングを行わない場合、顧客獲得に対しては営業・テレアポなどプッシュ型の施策が中心になります。相手に繋がらない・時間が取れないなど、不毛な作業に営業のリソースを多く使用するため効率が悪くなります。
一方、リードナーチャリングでは適切な情報提供により、営業は受注確度の高い顧客に対してのみアプローチするなど効率を上げることができます。また、リードナーチャリングの過程でどのような情報を求めていたかを確認することができれば、商談などコミュニケーションの質も上がることでしょう。
潜在層に対してもコストをかけて獲得できる
潜在層に対して一定の受注ができれば、潜在層に対してもコストをかけて獲得ができるようになります。顕在層より潜在層のほうが対象となるターゲットが多いため、獲得コストも下げられます。
特に潜在層の獲得は、自社で作れるホワイトペーパー、関連するキーワードに対してのブログ記事の執筆、ウェビナーなど「広告費」を抑えられる施策でも十分に獲得できます。
信頼関係を築いた顧客獲得ができる
リードナーチャリングは、見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築いていくことができます。
商談の時に、ほとんど自社について知らず接点のない顧客ではなく、既に面識があり信頼されている顧客とでは受注率や、受注後の関係性においても大きな差があることでしょう。
休眠顧客の掘起しができる
休眠顧客とは、一度問い合わせや購入などを行ったものの、長らく購入・契約が発生していない顧客を指します。休眠顧客に対して何も対応しなければ、完全な失注となり獲得が難しくなります。また、何かをきっかけにニーズが顕在化する可能性もあります。
そのため、メルマガ含めさまざまなアプローチによりリードナーチャリングを行うことで、休眠顧客の掘起しを行うことで失注防止や受注につなげることができます。
リードナーチャリングは既存顧客の解約防止にもつながる
サービスに関連する役に立つセミナーやホワイトペーパーは、既存顧客にとっても有益な情報である可能性があり、サービスへの理解度向上につながるため解約防止になります。
実際に弊社で開催しているウェビナーや、公開中のホワイトペーパーは未契約のお客様だけでなく、既にご利用いただいている企業様のダウンロードも多くいただいています。
リードナーチャリングのデメリット
効果が出るまでには時間がかかる
リードナーチャリングは、潜在顧客に対して時間をかけて関係性を築いて受注につなげるため、効果が出るまでに一定の時間を要します。特にリードナーチャリングの施策を始めたばかりでは、ほとんど効果が見られないところからのスタートになります。
長い目で見て施策実行・改善が必要です。
有益なコンテンツを作る手間がかかる
リードナーチャリングは、定期的に送るメルマガの内容の作成、ブログ記事の作成、ウェビナーの開催など、たくさんのコンテンツを作成する必要があります。ただ作ればよいのではなく、見込み顧客にとって有益であり、受注に貢献できる内容でなければなりません。
システムの知識、データを見る知識など専門性が必要になる
リードナーチャリングの施策を改善するためには、定量的な数値を元に科学的な改善が必要です。
そのためにはデータを取得するためのシステム設計、そしてデータを見て分析するための専門知識が必要になります。
特にデータを取得するためには、MAツールやCRM、メール配信システムといった専用のツール導入が必要です。感覚的に操作できるツールも増えてきているものの、使いこなすためには一定の知識が求められます。
リードナーチャリングの手法
リードナーチャリングを行う上で、さまざまな手法があります。全てを行う必要はなく、業種・業態、見込み顧客の傾向により必要なものを行うと良いでしょう。
メールマーケティングでナーチャリング
プッシュ型のリードナーチャリングで、非常に重要な手法が「メールマーケティング」です。定期的に情報を発信することや、ニーズや課題が顕在化してきたタイミングを狙って自動配信するメール手法などさまざまあります。主なメール手法を3つ紹介します。
メールマガジン(メルマガ)
週1回など定期的に情報を送るメールマーケティングの代表的な手法です。定期的に送ることで、認知度の維持ができると同時に、いつ訪れるかわからないニーズが高まった時にもアプローチできます。
ステップメール
資料請求、ホワイトペーパーダウンロードなど、問合せが発生したタイミングから、予め決められたステップに沿って自動でメールを送る手法です。
例えば、問合せ直後に商品に関する情報提供、翌日に比較検討のポイントの紹介、1週間後に、お役立ち情報の提供を送ることなどができます。問合せ後の顧客の状況を踏まえてメールを送ることでタイミングよい情報提供ができます。
シナリオメール
メールの開封の有無、クリックの有無など閲覧状況に応じてメールを送ることや、内容を変える手法のメールです。
メルマガで特定の課題に対するホワイトペーパーを紹介するページをクリックした人には、その課題に対する内容を送ることなどができます。また、メールを開封しなかった人には、メール件名を変えて再送することもできます。
セミナー・ウェビナーの開催
対面で開くセミナー、ウェブ上で開くウェビナーは、1対1ではないものの、見込み顧客に対して、1時間程度など時間を用意してもらい、直接提案できる大切なリードナーチャリング手段です。
商品の理解度が上がるだけでなく、ウェビナー担当者への信頼が上がります。また見込み顧客がどんなテーマに課題を感じているのかを把握することができるため、今後のアプローチもより具体的にすることができます。
ホワイトペーパーの提供
ホワイトペーパーは、テーマに沿った役立つ情報が記載されたPDFなどの資料のことです。セミナーと異なり時間指定がないため、見込み顧客にとってはいつでも気軽に見られる資料です。
どんな悩み・課題があるのか調査することもできることや、ブログでは大変なたくさんの図を入れるなど表現の幅があがるため、伝えられる情報も増えます。
SNS発信
主にBtoCのリードナーチャリングです。メルマガのようにプッシュ型でありつつも、フォローしたり、SNSアプリを起動するなどしなければ見られないプル型の要素もある手法です。定期的な情報発信はもちろんのこと、アンケートや投稿企画などを開催することで他施策とは異なる見込み顧客との接点を作ることができます。
また投稿が話題を呼ぶ「バズる」状態となれば、認知としての施策にもなります。
オウンドメディアでの情報提供
自社のコーポレートサイト、商品サイトなどに、ブログや商品紹介ページなどを充実させて提供する手法です。メルマガを通じて見込み顧客に情報発信することや、ウェブ検索で上位に記事が表示されることで見込み顧客や新規顧客獲得にもつながります。
例えば、洗濯機を販売する企業であれば「洗濯機の選び方」など直接的な記事から、「部屋干しでも匂わない洗い方」「オシャレ着洗いの注意点」など間接的な悩みの記事を掲載することで見込み顧客との定期的な接点を作ることができるでしょう。
Webサイトを活用したプッシュ通知
近年、アプリやSMS・電話以外にも受信者の端末にプッシュ通知を出す方法が広まっています。それが、Webサイトを活用したプッシュ通知です。通知から1クリックでサイトに飛ばすことのできる特徴があります。
メールアドレスやアプリのDL不要で、Webサイト上で通知許可をすることで受け取れる通知サービスのため、認知したばかりの潜在層にも有効な施策です。
電話
電話営業・テレアポのことですが、リードナーチャリングにおいては他の施策と絡めた電話営業を行います。例えば、セミナーに参加した人に対してはセミナーのお礼や感想を聞くとともに、セミナーに関する深い情報の提供から商談・受注に結び付けます。
他にも見込み顧客のうち、より能動的に情報を収集されている形跡がある場合に電話をすることで獲得率が上がる可能性があります。
展示会やDMなどリアルでの接点
見込み顧客が多く訪れるであろう展示会や、凝ったDMを送るなど、リアルな接点を用意するのも良いでしょう。Web上と異なり、見込み顧客の行動データなどは取得し辛いものの、気持ちや温度感を伝えられ、感情的な面で関係性を構築することができます。
リードナーチャリングの進め方
顧客のデータを管理・収集するシステムを用意する
リードナーチャリングでは、どの見込み顧客がどんなコンテンツによって、どのように状況が変わっているのかなど情報を可視化するために、CRMなど顧客のデータを管理・収集するシステムを用意しましょう。
見込み段階から成約段階までのフローを分ける
見込み段階から成約段階に至るまでのフローを分けます。通常であれば「情報収集レベル」「比較検討レベル」「購入検討レベル」などに分けられます。
分けるだけではなく、それぞれの段階がどういう定義で、どういう状態になった時に該当するのかも決めます。MAツールなどにあるスコアリング機能では、セミナー参加は+3点など点数を決めて一定の点数に達するとレベルがあがります。
細かくし過ぎてしまうと、運用が大変になりますので、継続して負担なく運用できるように設定しましょう。
各フローの施策を決める
「情報収集レベル」に対して、どういう施策を行って「比較検討レベル」に上げるかなどを考えます。またブログやメルマガを送るなど1つ1つの施策の時にも、これは「〇〇レベルに対する訴求」など目的を定めることで、より戦略的になり効果が出やすくなるでしょう。
実行と効果検証を行う
リードナーチャリングは、対応する顧客が増えるほど定量的なデータを取得できるようになります。どういう段階においてどういう訴求が刺さるのか、どの段階において課題があるのかなど、実行をしながら効果検証を行い、改善していきましょう。
リードナーチャリングの分析方法
リードナーチャリングでは、より細かく分析することができます。少し専門的なRFM分析とデシル分析について解説していきます。
RFM分析
RFM分析とは、Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの指標の頭文字を取ったものです。どの指標に課題があるか分析することや、特徴に応じてセグメメント(グループ)分けを行い、それぞれに対策を考えるなどできます。
- Recency:最後に購入したのはいつか。
- Frequency:購入頻度はどのぐらいか。
- Monetary :購入した合計金額はいくらか。
デシル分析
デシル分析とは、売上の高い順番に顧客を並べ、10等分に分けるシンプルな分析手法です。分けた10等分のうちどのグループに顧客が多く集まっているか、どの層が全体の売上に寄与しているのかなどを分析して、リードナーチャリング施策に活かします。
リードナーチャリングでのオススメツール
メール配信システム
メール配信システムは、高速で確実にメールを送る送信専用ツールです。ステップメールやセグメントメールなど、メールマーケティングの機能が多く搭載されており、当社が提供している「Cuenote FC」など一部のメール配信システムには、シナリオメールの機能や、RFM分析ができる機能も備わっています。
MAツール
MAツールは、BtoBビジネスのリードナーチャリングに対応したツールです。スコアリング機能や、シナリオメールなど、多種多様な機能が備わっています。一方、使いこなすためには一定の知識が必要で、料金も高額になる傾向があります。
機能が多いメール配信システムで代用できることも多いです。
CRM
CRMは顧客管理ツールです。顧客情報を管理してリードナーチャリングを行うためには、ほぼ必須のツールと言えます。リードナーチャリングを行うためには、MA ツールやメール配信システムとの連携が必要になるため、連携のしやすさなども確認して導入検討することをオススメします。
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