メール配信ソフトの比較で迷ったら?クラウドサービスとも比較してみよう
BtoB、BtoCのビジネスに限らず、大量の宛先に対して、一斉にメールを送ろうと思った場合、どのように送るでしょうか?
ローカルソフトのメーラーを使い、BCCで複数の宛先に対して、一斉にメールを送ることも不可能ではありませんが、操作ミスや誤配信による事故リスク(詳しくは過去ブログ「あなたもやっていませんか? メーラーの一斉送信に潜むリスク」)を考えると、メーラーを使って一斉送信する手段を選択することはないかと思います。
では、メーラーを使う以外の方法としては、どのような方法があるでしょうか。
主要な方法として、
・メール配信ソフトを利用する
・メール配信クラウドサービスを利用する
といった2つの方法があります。
"メール配信ソフトを比較検討し迷っている"、"メール配信ソフトとクラウドサービスを比較検討している"方向けに、それぞれのメリットやデメリットをご紹介していきたいと思います。
目次
・メール配信ソフトとは?
・メール配信クラウドサービスとは?
・メール配信ソフトの最大のメリットは、低価格で導入できる
・クラウドサービスの最大のメリットは、確実にメールが届くこと
・運用の手間が掛かったり、セキュリティが心配だったり、想定外のコスト負担が掛かることも
メール配信ソフトとは?
"メール配信ソフト"とは、ローカルPCにメールソフトをインストールして、メールの一斉配信に利用するソフトのことを指し、無料のものから有料で購入するものまで、さまざまなソフトが存在します。
メール配信ソフトは、ローカルPCにインストールし、複数の宛先にメールを送る指示をするだけですので、宛先に対して、実際にメールを送るのは、以下のように、みなさんが普段業務で利用しているメールサーバーとなります。
[PCの配信ソフト] → [自社メールサーバー] → [送り先のメールサーバー]
メール配信クラウドサービスとは?
ハードウェアもソフトも所有せず、サービス(今回で言えば、メールの一斉配信やメールマガジン、メールマーケティングを行うためのシステム)をネットワーク越しに利用できるサービスです。ASPやSaaSなどと言われることもあります。
メール配信ソフトとは異なり、クラウドベースで提供されるツールのため、基本操作は、全てブラウザで行います。
実際にメールを送るのは、クラウドサービスの提供会社が管理するサーバーとなります。
先程ご紹介しましたが、
・ソフトを使う場合、メールを送るのは自社のメールサーバー
・クラウドサービスを使う場合、メールを送るのはクラウドサービス提供会社のサーバー
という点が最も異なる点であり、重要なポイントですので、後程ご説明します。
ここまでは、メール配信ソフト、クラウドサービスそれぞれの利用形態を説明していきましたが、ここからは、それぞれのメリットやデメリットもご紹介していきたいと思います。
メール配信ソフトの最大のメリットは、低価格で導入できる
メール配信ソフトは、無料のものから有料のものまであります。
有料であったとしても、買取り型で保守費が別途必要となるケースは稀だと思いますので、コストが安く済みます。
(私が調べたところ、高くても2万円までしない位です)
一方、クラウドサービスは、利用料金を毎月使った分支払う方式ですので、サービスを利用している限りは、毎月一定の利用料金が発生し、利用期間によりますが、一般的に販売されているメール配信ソフトよりは、トータルで高くなるケースが大多数だと思います。
クラウドサービスの最大のメリットは、確実にメールが届くこと
少し前にお話ししましたが、ソフトとクラウドサービスで最も異なるのは、送り先に対して、メールを送るサーバーが以下のように異なるという点です。
ソフト :自社のメールサーバー
クラウドサービス:サービス提供会社のサーバー
では、なぜ上記の違いが確実に届くことと関係するのでしょうか。
クラウドサービスでは、通常、大量の一斉メールを送ることに特化した専用のメール配信サーバー(ソフトウェア)から配信するため、大量のメールでも送信先に確実に届けるためのノウハウを持った専門の企業が運営し、さまざまな工夫がされています。
一方、みなさんが業務で使っているメールというのは、1通ずつ送る用途には、適していますが、大量の一斉メールを送る仕組みとしては、適してないケースが多いのです。
例えるなら、"大量の荷物を運ぶのにトラックを使っているか、乗用車を使っているか"といえば、イメージしやすいかもしれません。
しかも、メール配信ソフトを利用した場合、業務で利用しているメール、一斉配信メールの双方を同じメールサーバーから送ることとなります。
もし、一斉メールが大量となり、メールサーバーがメールを捌ききれないような量になると、業務用のメールも遅延してしまう事態にもつながるため、注意も必要です。
その点、クラウドサービスはクラウド提供企業の施設からメールが送られるため、業務用のメールに影響を与えず一斉メールを送ることができます。
ただ、クラウドサービスも数多くの種類があり、"メールが確実に届くか?"が心配になったら、各サービスのメール配信実績(月間に送っている通数など)を確認してみても良いと思います。確実に届くサービスであれば、いろんな企業が使っているはずですので、配信実績も多いはずです。
運用の手間が掛かったり、セキュリティが心配だったり、想定外のコスト負担が掛かることも
ソフトとクラウドサービス、それぞれの最も異なる点については、今までにご紹介した通りですが、その他にもさまざまな違いがあり、ソフトを利用した場合に想定されるリスクをいくつかご紹介します。
・不達アドレスのメンテナンスが大変
大量の宛先にメールを送ると、エラーとなり、届かないアドレス(不達アドレス)が一定数発生しますが、不達アドレスを放置すると送信先メールサーバーから迷惑メール扱いを受け、メールを送ることができなくなる事態となります。
そうならないために、不達アドレスを配信リストから削除または除外していく必要があるのですが、不達アドレスを自動的に削除したり、除外したりする機能が備わっていないと、手動でメンテナンスを行うこととなり、かなりの運用負担を強いられてしまいます。
クラウドサービスであれば、こうした機能は基本機能としてほとんどのサービスに装備されていますが、ソフトを利用する際はこうした機能が備わっているかを事前に確かめておく必要があります。
・退会者のメンテナンスが大変
一斉配信の用途によりますが、メールマガジンを送る場合は、送ることだけを考えていてもうまく運用が回りません。運用しているとメールマガジンを解約したいというユーザーも発生しますが、解約したいユーザーの退会処理も手動運用だと、思った以上の労力が掛かるものです。
クラウドサービスなら、メールを送るだけでなく、会員として退会したり、登録したりする会員管理機能も付属しているものもあるので、運用の労力を掛けずに済みます。
・ローカルPCが壊れたら、配信できません
当たり前ですが、ソフトはローカルPCにインストールして使いますので、万が一、PCが壊れたら、メール配信業務ができなくなりますし、データが復旧しなければ、配信リストや送った結果のログなども消失してしまいます。
クラウドサービスであれば、ネットワークを経由してブラウザから操作できますので、PCに依存することなく、利用することができます。
さらに、サービス自体の可用性を高く保つための対策されており、どこかの機器が壊れたとしても継続的にサービスを利用できるような対策をされているものも多数あります。
・セキュリティがPCに依存する
先程と同様、ソフトはローカルPCにインストールするため、「PCのセキュリティ品質 = 大量の個人情報を管理するセキュリティ品質」となります。
PCがウイルスに感染し、情報漏洩するといったニュースも後を絶ちませんので、やはり、PCに大量の個人情報を保管しておくのは、価格には代え難い大きなリスクを伴います。
完璧なセキュリティ対策は、世の中にないものの、クラウドサービスであれば、ウイルスチェック以外にも、専門業者ならではのさまざまなセキュリティ対策が施されていますので、高いセキュリティ対策を施しているクラウドサービスを選定すれば、安心して利用できるでしょう。
ソフトとクラウドサービスのどちらがおすすめかは、価格・機能・セキュリティなどのさまざまな判断材料に応じた優先順位が会社によってさまざまあると思いますので、総合的に判断し、みなさんの会社にとって最適な利用形態を選択いただくのが最善だと思います。
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