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MTAとは?メール転送エージェントとメール配信の仕組みについて解説

公開日:2024/02/05  更新日:2024/09/03
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MTAとは?メール転送エージェントとメール配信の仕組みについて解説

メール配信の流れにおいて重要な部分が「メールサーバー」です。その中には、メール送受信の処理を行うため、さまざまなシステムが働いています。その中でも、メール配信における重要なシステムが「MTA」です。

当記事では、MTAを分かりやすく解説します。また、その仲間であるMDA、MTAなどの紹介も行います。


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MTAとは?

Mail Transfer Agent略して「MTA」とは、メール転送エージェントのことで、メールサーバーの中にある複数のソフトウェアのうちの1つであり、メールの転送を担っています
特にメルマガなどメールを大量に送る場合には、MTAの性能の高さが重要になります。

メールの送受信に関わるソフトウェアの仲間には「MUA」「MDA」もあります。MDAとはセットになって「MTA」と読んだり、メールサーバーと総称することも多くあります。

そもそもメール配信の仕組みについて

メール送受信の図

メール配信の流れは、バケツリレー形式で行っています。送信者が作成したメールに対して送信を押したのち、送信側のメールサーバー「SMPTサーバー」にメールが届きます。宛先を確認するため、DNSサーバーにIPアドレスを照会したのち、受信者側のメールサーバーに届きます。最後に受信者がメーラーを確認したときに、受信者側のメールサーバーより、受信ボックスにメールが届きます。

そして、これらの動作を担っているソフトウェアがMTAを始めとする「メールエージェント」です。

メールエージェントの種類と役割

メールエージェントとは、メール送受信を行うときの各役割を担うソフトウェアのことです。MTAはメールエージェントの中に属しており、その他MUAとMDAが存在しています。それぞれ解説していきます。

MUAとは?

MUAはMail User Agentの略で、メールソフトを指します。厳密には、メールの作成や、閲覧・管理ができるソフトウェアのことでGmail、Outlook、Thunderbirdなどがあります。

MSA

MSAはMessage submission agent の略で、MUAで受け取ったメール送信者の識別・認証を行うソフトウェアで、認証が成功した場合にMTAにメールを渡します。

認証は「SMTP-AUTH」という方法を用いることが一般的です。またOP25Bと呼ばれる、外部に向かう25番ポートへの接続をブロックして、SMTPの脆弱性を悪用したスパムメール対策を行う設定を行う場合の役割も担います。

MDAとは?

MDAは、Mail Delivery Agentの略で、メールの仕分け(配送)を行うソフトウェアのことを指します。送られてきたメールを受信者側のメールサーバーで受け取ったのちに、MDAによって、MUA(受信者のメールボックス)に振り分けます。

会社などに郵便物が届いた場合は、受取り担当がまとめて受取り、宛名を確認して各従業員に振り分けるということがあるでしょう。MDAとはまさにこの郵便を受け取って各担当に渡す役割を担っています。メールにウイルスがないかの検査や、スパムフィルタ機能などもあります。

ただし、厳密にはMessage retrieval agentの略である「MRA」なども登場してきます。

MTAの役割

MTAは、MUAで作成されたメールに対してSMTPと呼ぶプロトコル(ルール)に基づいてメールを受け取ったのち、受信者側のメールサーバー(MTA)に送信するまでの役割を担います。

MTAの具体的な役割・機能

MTAには、受信者側のメールサーバーに送信する過程において、さまざまな役割・機能があります。

送信先のMTAに転送する

MTAの大きな役割として、受信者側のMTAに転送する役割があります。メールアドレスだけでは、相手先のMTAの所在が分かりません。アドレスに記載されているドメインを管理しているDNSサーバーにアクセスすることで、IPアドレスを照会して宛先を確認します。

宛先がローカルの場合はMDAに転送する

送信者と同じ社内にいる人など、宛先が同じMTAを利用している場合は、DNSサーバーにアクセスが不要のため、そのままMDAに転送する役割もあります。

アドレスを書き換える

エンベロープやヘッダのアドレスを設定に応じた適切な形に書き換える機能があります。

メールキューイング

メールを待機する場所に追加し、転送や一定期間の繰り返し送信を行う機能です。

エラーの応答

メールが届かないなど、エラーが発生した場合にバウンスメールを返す機能があります。

主なMTAの種類について

Sendmail

1983年にリリースされたSendmail(センドメール)は、世界中の多くのメールサーバーで使用されています。そのため、多くのメール送信プロトコルもサポートしており、機能も豊富に備わっています。しかし、設定は複雑で高度な知識を要するため、運用には高いスキルが求められます。

qmail

1995年にリリースされたqmailは、sendmailと比べシンプル・高速・セキュリティ性の高い人気のMTAの1つです。ただし、公式による最後の開発が1998年6月15日となっており、最新のメールの仕様・企画に合わせるためには周辺ツールの使用等カスタマイズが必要です。

Postfix

1999年にリリースされた、大量のメール送信を可能にし、SMTP認証やTSLなど迷惑メール対策やセキュリティ対策にも対応されている人気のMTAの1つです。

メールリレーサービスと自社でMTAを構築する違い

MTAは、主に自社で構築するか、メールリレーサービスを利用する2つの方法が考えられます。それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

自社で構築する「オンプレミス」の場合

自社で構築する場合は、さまざまな設定を柔軟に行えることや、社内ですべて完結するためセキュリティレベルが高くなるメリットがあります。

一方、構築には専門知識のある人材が必要であることや、メンテナンス対応など維持コストもかかります。また、メールの到達率を上げるうえで欠かせないIPウォームアップなども自社で行う必要があります。

メールリレーサービスの場合

システム構築やメンテナンスの負荷が大きく抑えられ、低価格ですぐに利用できます。一方、カスタマイズ性は落ち、サービス提供側による影響を受ける可能性があります。またセキュリティにおいても、自社内で完結するオンプレミスよりは高くなる傾向にあります。

しかし、これらは一般的に言われるオンプレミスとクラウドの違いです。実際には、メールリレーサービスを提供している多くの企業は、より高い専門性を持っていることや、セキュリティ対策や実績も向上しています。オンプレミスで利用することが必須ではない限り、メールリレーサービスの活用をオススメします。

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