ステップメールとは?メルマガとの違いや効果的な作り方について
ステップメールとはメールマーケティングの手法の一つで、ユーザーの行動を起点とし、あらかじめ準備していたメールをシナリオ通りに配信する仕組みです。
相手の状況に応じて配信を行うため、メルマガよりもタイムリーに適切な内容を送ることができます。BtoBでは商談率を上げるために、BtoCでは主にECサイトで再購入を促すために効果的な手法です。
本記事では、ステップメールの設計に必要なノウハウや、配信に必要なツールについて説明します。
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ステップメールとは?
ステップメールとは、資料請求・購入などの行動を行った顧客に対し、定期的なフォローを行うメール配信する手法です。
例えばECサイトの商品購入では、購入した時点から商品を使用されるまでに、発送など時間を要します。その間に他商品の紹介や、届くタイミングに合わせた効果的な活用方法のメールを配信するなど、クロスセルや顧客満足度を上げる効果が期待できます。
メールの内容や配信回数、頻度などの配信スケジュールは、あらかじめ設定する必要がありますが、自由に決めることができます。 配信スケジュールは、指定する条件が発生したのちの顧客の状況に応じて決めることが一般的です。
ステップメールと、メルマガとの違いは?
メルマガとは、顧客に対して定期的に一斉配信するメールのマーケティング手法です。フォローメールとの違いは、主に継続性とターゲットの違いです。
継続性の違い
フォローメールは商品購入後から5回など、あらかじめ決めたスケジュールに沿って配信されます。そのため、一定の期間で配信が終了します。一方でメルマガは、購読・配信停止にならない限りは、継続的に送ります。
ターゲットの違い
フォローメールは、ある条件に合致した人がターゲットとなるため、内容次第では1to1のようなメールになります。メルマガの場合は、一定のセグメント分けをする場合もありますが、「メルマガ会員」など大きな括りのメールとなるため、ターゲット範囲が広い特徴があります。
内容の違い
メルマガもステップメールも原則内容は自由ですが、配信用途から大きく傾向はかわります。メルマガは長期にわたって定期的に配信するため、季節や時事情報に合わせた内容を送ることもあります。
また、商品紹介の内容から役立つ情報提供など送る内容も変わってきます。一方、ステップメールは送信起点となる行動に基づく内容に絞られます。例えば資料請求であれば、その商品関連について商談したくなるような内容のみを送ります。
ステップメールの主な活用方法
BtoBビジネスでは、顧客育成を行う
BtoBでは資料請求・お問合せなど、顧客情報を取得できた段階からスタートする方法があります。
BtoBの多くは、問合せ後に商談につなげることが目標の1つにあります。問合せ後に、よりサービスを理解してもらうためのフォローメールや、セミナー・ホワイトペーパーの紹介などを行うことで商談に繋げます。
問合せ後の営業側の行動や、顧客の状況を分析して、適切なメールを送ることが大切です。
BtoCビジネスでは、クロスセル・顧客満足度アップにつなげる
BtoCの場合、購入した商品に合う商品紹介、再度の購入催促や、より効果的に商品を扱ってもらう方法の提案を行います。
例えばクリスマスケーキであれば、購入前には合わせて飲みたい紅茶など商品紹介をします。届くタイミングでは、より美味しく召し上がる方法の紹介。食べ終わった後のタイミングでは、次のタイミングでの購入をうながすためのクーポン配布などを送ることが考えられます。ワクワクなど顧客の感情に合わせたメールを配信できれば、効果アップも期待できます。
ステップメールを送るメリット
適切なタイミングでアプローチができる
ステップメールは、顧客が購買に至るまで・至った後の行動パターンに基づいた配信スケジュールを組むことで、顧客の関心度合いに合わせた訴求をすることができます。
具体的には、セールやイベントの告知などの即時性の高い情報は通常のメルマガで配信し、ステップメールでは購入後の状況を確認したり、購入した商品に応じたおすすめ商品の紹介をしたりというイメージです。 通常のメルマガとステップメールを使い分けることで、ステップメールでは顧客起点の情報発信ができます。
見込み顧客を育成できる
例えば、店舗やECサイトでの購入を起点に数日後、数週間後、数か月後...と購入後のフォローや新着商品に関する情報を送ることで、ユーザーに「有益な情報を送ってもらえる」という印象を持ってもらうことができ、顧客育成にも繋がります。 また、定期的にステップメールを送ることでユーザーとの接触回数を増やすことができ、商品やサービスへの認知度向上・次第に愛着を持ってもらうことにも繋がるでしょう。
営業の工数削減につながる
そもそもステップメールを使わずに、問合せ後のお礼メールなど手動で営業が送っていることも多いのではないでしょうか。毎回毎回送っていると工数がかかってしまいます。ステップメールは自動で送るため工数削減効果があります。営業は浮いた時間で、商談準備・商談に時間をかけることができます。
ブランドや商品の価値をアピールできる
ステップメールを用いて定期的に情報発信を行うことで、ブランドや商品の価値を理解してもらうことができます。 例えば、ブランドストーリーや商品の開発秘話など、企業の想いを伝えることにステップメールは適しています。企業の想いが顧客に浸透し、共感してもらうことでファンになるという好循環も生まれます。 商品やブランドの認知度が向上することで、他社との価格競争にも巻き込まれにくくなるというメリットもあります。
購買意欲を向上できる
ブランドや商品への認知度を高め、関心を持ってもらうことで顧客の購買意欲も高めることができます。 ニーズに沿った情報を送ることを意識し、「あのブランドから商品を購入したい」と想起されるようになれば、顧客と良好な関係を築きやすくなるでしょう。
分析や改善がしやすい
ステップメールは配信したステップごとに効果測定が可能です。あらかじめシナリオを組んでいるため、全体のうちどのステップで改善が必要なのかを分析しやすいのもメリットです。例えば「2通目以降のステップメールでは、開封率が低い」などの結果が明らかになれば、2通目以降のステップメールの件名に課題があるのでは?という仮説が立てられます。 ステップ単位で分析と改善を重ねられるので、より効果的なステップメールの型を作ることもできます。
ステップメールにはデメリットもある?
では、ステップメールにもデメリットはあるのでしょうか?次の章で解説します。
顧客状況を無視した配信では、逆効果になることも
ステップメールは、一定の期間自動で送られてしまいます。商品購入から到着までの時間にバラツキがある場合、まだ届いていないにもかかわらず、届いた後を想定したメールを送ってしまうことなど、相手の状況とマッチしていない場合には、関係のないメールが連続して届いてしまうため、逆効果になる可能性があります。
メールアドレスを取得しなければならない
ステップメールを送信するためには、顧客リストを作成する必要があります。メールアドレスの取得はもちろんのこと、リストには会員属性などのデータが入っていると更に使いやすいリストになります。 メールアドレスの取得方法としては、メルマガ会員への誘導やアプリダウンロードなどがあります。
メールを作成するのに時間や手間がかかる
ステップメールの作成には、通常のメルマガよりも時間や手間がかかります。ターゲットの設定やシナリオ設計、ステップごとに合わせたメール文面の作成などが必要です。特にシナリオは丁寧に、時間をかけて設計するようにしましょう。 ターゲットのニーズに合わない配信を続けてしまうと、メルマガ購読の解除や離反にも繋がる可能性があります。
ステップメールを作成する方法
ステップメールを作成する方法について、実際の手段に沿って紹介します。
1.施策目的を明確にする
はじめに、どのような目的でステップメールを送るのかを明確にします。 ステップメール活用の目的として代表的なものには、顧客育成、顧客との関係性強化、LTVの向上などが挙げられます。
2.ターゲットを選定する
次に、施策目的をふまえてステップメールを配信するターゲットを選定します。 前章でも説明した通り、ステップメールでは緻密なシナリオ設計が可能です。その点を前提としてターゲティング/セグメンテーションを行うのがポイントです。
3.ターゲットとなる顧客のニーズを分析する
ターゲットを選定したら、選定したターゲットが抱える課題に基づいてユーザーニーズを分析します。「ターゲットとなる顧客はどのような情報を必要としているのか」ということを第一に考え、発信する情報を精査しましょう。 これを事前に定めておくことで、次のステップでシナリオを組む際にもスムーズに進められるようになります。
4.シナリオ・メール文案を作成する
目標、ターゲット、ユーザーのニーズが明確になったら、ステップメールのシナリオを組み始めます。シナリオ設計では、流れ(ストーリー)と配信タイミングを具体的に検討します。 例えば、「○○という商品を購入した方に××という商品を知ってもらい、購入してもらう」という目的がある場合は、××と言う商品を紹介する時期や内容を具体的に検討できるようになります。
また、ステップメールの配信回数に明確なルールはなく、シナリオの方向性に応じて決定します。 配信するタイミングは「●年●月●日」という実際の日付ではなく、顧客の行動を起点とし、「購入初日にお礼メールを送る、1か月後に××という商品をお知らせする」というように、相対的な配信時期の目安を決めます。 メール文面は配信先となるターゲットの属性やニーズを考慮して作成しましょう。ニーズは、購買データなどを用いて調査することをおすすめします。
5.配信設定をする
シナリオとメール文案が完成すれば、ステップメール施策の準備は完了です。 早速、作成したシナリオに沿って、メール配信システムの上で配信設定を行いましょう。
具体的な設定方法はメール配信システムによって異なることがありますが、全体的な配信設定の流れはおおむね以下のようになります。
配信先リストの登録
ステップメールの配信先を登録します。ここでは、前述の2で選定したターゲットのリストを設定しましょう。
メール文面の登録
配信するメール文面を登録します。ここでは、前述の4で作成したメール文面を登録します。
配信タイミングの設定
シナリオ作成時に決定した相対的な配信タイミングの計画に基づいて、ステップごとにメールの配信タイミングを設定します。 設定を終えてシナリオを有効化すると、あとは設定に沿ってツールが自動的にステップメールを配信します。
6.配信結果を分析し、改善に繋げる
ステップメールを送って終わりにするというのは、とても勿体ないです。 効果測定と分析を必ず行いましょう。 効果測定に使用する基本的な指標はメルマガと同じで、開封率、クリック率、コンバージョンといったものを使用します。 どの指標を用いて効果検証を行うか、というのはステップメール配信前に定めておくのも良いでしょう。
また、ステップメールは複数回配信を行うため、改善できるポイントも多岐に渡ります。 前の章でも触れましたが、配信回数を重ねるごとに開封率やクリック率が低下しているのであれば「配信タイミングと内容がニーズに合っていないのではないか?」などの仮説が立てられますし、配信数全体の開封率やクリック率が低ければ、「メール自体の内容を見直す必要があるのではないか?」ということが分かってきます。 いずれにしても、ステップメールは中長期的な顧客育成に役立つと捉え、ブランドや商品、サービスのファンを作るイメージでPDCAサイクルを回していきましょう。
ステップメールの適切な回数・頻度とは?
一般的なステップメールの配信回数は、3~7回程度と言われています。少なすぎると通常のメルマガとあまり変わりがないため変化が出にくく、多すぎると迷惑がられてしまい、配信解除に繋がる可能性があります。 配信頻度は、顧客との信頼関係を築く(ブランドやサービスを認知してもらう)までは3~5日に1回程度が目安です。
それ以降は1週間以上など、少しずつ間隔をあけていくのが一般的です。 また、配信回数や頻度は、配信元となる企業の業種・業態やターゲットの状況によって大きく異なる場合があります。「自社にとっての最適な回数と頻度」を見つけられるよう、ステップメールの配信と効果検証を繰り返しましょう。
ステップメールの事例
当社のステップメールでの事例
当社では、資料請求頂いた方に対してフォローメールを送っています。主に1日目、2日目、3日目、7日後などで送っています。特に最初の3回においては、メール配信システムの選定ポイントについてや、メールマーケティングの理解を深められる内容など、よいご選定を頂くための情報提供を行っています。
どのステップメールに対して反応があったのかわかることで、顧客のニーズを分析することができます。また土日など営業日外の問合せの時も自動でアプローチができるため、先に接点を結ぶことができています。
株式会社新学社様の事例
数ヶ月前から、新規顧客獲得施策としてステップメールの利用を始めたのですが、メルマガ経由での登録が従来の約2倍、月によっては4倍程度になるなど、大きな効果を実感しています。申し込みから7日後、10日後、14日後とステップメールを行うことで機会損失を防ぎ、獲得すべきお客様をフォローできるようになりました。新規会員獲得は売上に直結するため、非常に満足しています。
また、これまで新規獲得に力を入れざるを得なかった状況がありましたが、ステップメールの導入によって効率化されたことで、既存会員様への情報提供といったサービスの拡充ができると思っています。
引用元:株式会社新学社様事例
ステップメールの作成や配信で成功するためのポイント!
これまで、配信までの具体的な流れについては理解していただけたかと思います。 次からステップメールの作成や配信で成功するためのポイントを紹介します。
メルマガとステップメールを使い分ける
通常のメルマガは、すべての顧客に対し旬の最新情報を届けるのに適しています。セールやイベントなどのお得情報があるタイミングで配信するのがおすすめです。 一方ステップメールは、顧客の行動を起点にして段階的にメール配信を行うため、ステップごとに届けたい内容が異なります。 このような違いを意識した上で、通常のメルマガとステップメールを使い分けることを心掛けましょう。
顧客の行動シナリオを作成して、戦略的に設定を行う
ステップメールで重要なことは「タイミング」と「内容」です。しかし、受取る人によって状況が変わることと、受取る人の心理状態を細かくチェックすることはできないため、ある程度の調査を元にシナリオを作成する必要があります。
資料請求した顧客の1日後は、他サイトも比較しているかもしれない。7日後では既にどこかと商談しており、比較ポイントも明確になっているかもしれない。などシナリオを作成して、それに合うステップメールを考えていくことが大切です。
セールスライティングの知識を身につける
ステップメールは顧客に対して「複数回」配信するメールであるため、配信するメールの件名、文面にも特に配慮が必要になります。読みたいと思ってもらえるメールを作成するためには、 ・件名にトレンドのキーワードや顧客が抱える悩みを含める ・新しい情報や著名人・専門家の名前などを含める などがあります。競合となる企業のメルマガを受信し、調査してみるのも有効でしょう。
ステップメールの配信に役立つツール
マーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーション(MA)とは、簡単に言うとマーケティング活動を自動化するツールです。その機能の一つとしてメール配信機能もあり、ステップメールを配信することができます。 また、見込み客一人ひとりのオンライン行動を検知し、それに応じて次のアクションを分岐させることも可能であることが特徴です。
メール配信システム
メール配信システムとは、ステップメールを送信することができる代表的なツールです。多くのメール配信システムには、クラウド型とパッケージ型があります。月額5,000円~のサービスもあり、比較的安価に利用できるため導入しやすいのも特徴です。 また、送信したメールの開封率やメール文面に添付したURLのクリック率などを測定することもでき、メールマーケティングに特化したシステムです。
「Cuenote FC」でステップメールを配信してみよう!
ステップメールを配信するときは、数あるメール配信システムの中でも業界トップクラスの到達率や配信スピードを誇る「CunoteFC」がおすすめです。毎時1,000万通の配信実績や2,200以上の契約数がある配信システムで、質の高いサービスや使いやすさなどから大企業や官公庁にも選ばれています。 「CunoteFC」では、ステップメールの自動配信が可能です。ステップメールの施策単位ごとに効果を測定し、PDCAを回すことができます。また分からない点は電話やメールで丁寧かつ迅速なサポートを受けられるのもおすすめポイントです。