メール配信サービス・システム【まとめ】おすすめ機能を紹介
メール配信サービスを利用すれば、
・小規模配信の社内メール
・数百万規模の大規模メール配信
・one to oneのメール配信
・システムによる配信の自動化(効率化)
・ビジュアル性の高いHTMLメール
など、高度なメールマーケティングができます。
今回はただのサービス紹介ではなく、
配信サービスを使って「どんな便利な機能・メリットがあるのか?」
最新のトレンドも交えて説明します。
「メール配信サービス」は一斉配信メールに留まらず、成果を上げるための機能が充実しています。
配信サービスを利用するにあたって、
まず知っておきたいのが、「用途ごとの利用機能」や「運用ポイント」です。
メール配信は「業種・所属団体」や「職種」、「取り扱う製品・サービス」によって、使える機能や、どんな風に運用をしていけばいいのかは異なります。
長文のため、時間のない方は【目次(用途別)】 から用途を選んでください。
用途別におすすめ機能やメール配信サービスの活用ポイント、選び方の注意点などを解説していきます。
・まず始めに~メール配信サービスの「目的」と「メリット」~
[メール配信サービス・システムの用途]
メール配信サービスの活用方法は様々です。
サービス利用者ごとの活用シーン例として、
例えば
・B2Cビジネス、EC通販 : メルマガ会員に向けて販売促進のメールを配信、またはリピート購入を促すため購入者に対するフォローアップ
・大規模配信 (数十万~数百万近い配信)
・自治体や学校などの教育機関 : お知らせ、案内メール、緊急時の連絡
・病院:緊急参集
・B2Bビジネス : 見込み客の育成(リードナーチャリング)、セミナー案内や集客、新製品のリリース案内等
・安否確認 : 災害時の安否確認メール
・サービス業 : イベント情報の案内・集客やクーポン情報のお届け
[メール配信サービス・システムのメリット]
メール配信サービスのメリットは、メールの一斉送信だけではありません。
他にも
●顧客管理
・データベースによる顧客データ管理
・会員、メルマガ読者の収集(WEBフォーム、空メールなど)
●one to oneのメール配信
・差し込み機能(送信先の宛名、会社名等の差込)
・抽出配信(セグメントメール)
●効果測定、成果アップのための補助
・メールの効果測定(到達率、開封率、クリック率など)
・ABテスト(メール配信の精度を上げる、効果検証)
●ステップメール
・ステップメール(フォローアップメール)(事前に設定したシナリオメールを自動配信)
●HTMLメール
・HTMLメールエディターなど、HTMLの知識がなくても簡単にHTMLメールの作成・編集が可能
●メール到達率の向上
・ISPに応じて最適化してメールを送るノウハウ(メール到達率のアップ)
・デバイス(スマホ・PC・ガラケー)にメールを送り分ける
・配信エラーの原因判定し自動クリーニングをかけて配信(スパム対策)
●システム連携やメール配信の自動化
・顧客データベースの配信リストをメール配信サービスへ自動的に同期させる・APIを使って、外部システムからメールを自動的に配信させたり、効果データを取得したり、システム連携をシームレスにする
●強固なセキュリティを構築
・通信の暗号化・アクセス制限
・権限管理
・操作ログの記録
・なりすましメール対策
・不正ログイン、不正侵入、脆弱性対策
・バックアップ、冗長化
※メール配信サービスによっては、上記の中で搭載されていない機能もありますが、概ねこれらの要素が挙げられます。
[メール配信サービス・システムのここ数年のトレンド]
最近の傾向として、ECシステム内で獲得している購買データをメール配信と結び付けて、「おすすめ情報・商品」の配信をする
・レコメンドメール
・カゴ落ちメール
などが流行っています。
レコメンド・カゴ落ちメールとは?
仕組みとしては、システムが購買者一人ひとりの購買行動を分析し、その人個人の趣向にマッチした「one to oneメール」を自動配信できます。
分かり易い身近な例は、今EC通販における最先端にいる、Amazonも「レコメンドメール・パーソナライズ」や「カゴ落ちメール」といった、高度な「one to oneメール」をメール配信サービスやレコメンドエンジン等を活用することで実現しています。
他にも、ここ最近目にする機会が増えたのが、「動画メール」や「gifアニメーション」を挟み込んだ「躍動感のあるメールコンテンツ」です。
動画は、テキスト情報や静止画で訴求できない、商品やサービスの魅力を届けることができ、メールコンテンツとしての親和性も高いといえます。
それでは、いよいよ具体的な用途ごとのポイント(メール配信サービスのメリット+必要機能)をご紹介します。
下記の目次より、該当する項目を選択してください。
目次(用途別)
販売促進のメール配信 (BtoCビジネス・EC事業者向け)
大規模メール配信(数十万~数百万近い配信)
BtoB向けメール配信
自社システムとメール配信サービスを連携
セキュリティ要件が厳しい中でのメール配信
外国人に向けてメール配信
連絡網へのメール配信
安否確認メールの配信
販売促進のメール配信 (BtoCビジネス・EC事業者向け)
[メール配信のポイント]
BtoCビジネスは、決裁者が個人で、単価も安いため、いかに「早く」、「直感的に」商品を買いたいと思わせるかを意識する必要があります。
また、購入にスムーズに繋げる導線づくりも重要です。
これらのことから、必然的に「セールス色の強いメール」になるのに加え、現代のメルマガ読者はコンテンツの中身を吟味せず、必要か不要かの判断します。
そのため、「瞬時」に魅力が伝わるメールで、且つ「分かり易さ」が求められます。
おすすめ記事:メルマガコンテンツ【EC向け】実は読まれていなかった?購入に繋がるメールコンテンツとは
そこで重要なポイントとなるのが、「視覚的訴求力の高いHTMLメール」配信や、そこに入れ込むバナークリエイティブの作りこみです。
[販売促進でよく使われるメール配信サービスの機能]
・HTMLメールの配信、エディター機能
・抽出配信(セグメントメール)
・ABテスト
・ステップ(フォローアップ)メール
・予約配信
・配信結果分析
・自動CSVインポート
・会員フォーム機能
・レコメンドメール(レコメンド、DMP等とのシステム連携)
・カート放棄メール
・動画メール
[メール配信サービスの利用ポイント+考察]
・HTMLメールの配信が増えている
弊社が行った「メルマガ調査レポート【EC売上ランキング上位50】」において、実際の企業メルマガを調査した結果、HTMLメールで配信されている割合が「全体の約70%」の割合を占めていました。
このことから、HTMLメールがECメルマガにおいて重要視されていることが分かります。
コンテンツの外注、または配信代行サービスを利用していない事業者で、コーディング知識がなく、「HTMLメールを作れない方」や「HTMLメールは作れるが工数・時間がかかっている方」も多いかと思います。
コーディング知識がない方やHTML制作に時間がかかっている方向けに便利なのが「HTMLメールのエディター機能」です。
この機能を利用すれば、外注先に制作依頼する費用もおさえられ、自社内で簡単且つ無料でHTMLメールの作成ができます。
・配信効果を高める
効果を高めるため、マーケティング活動の中でPDCAは回すのは鉄則です。
メール配信のPDCAを回すポイントはいくつかあります。
例えば、「配信日時の調整」や「ABテスト機能の活用」です。
読者が受信ボックスを開くタイミングに、メール配信するのが「開封率に影響」します。多くのECショップメルマガでは配信日時に「傾向がある」ので、そこを分析します。
その際、利用したい便利な機能が、「予約配信機能」です。
また、配信するメールの「件名」や「本文」、
またはどんな「コンテンツ(商品・サービス)」を入れ込むかも「コンバージョンに直結」します。
ターゲットのメルマガ読者が好むコンテンツとはなんなのか?
そこを見極めるのに便利な仕組みが「ABテスト機能」です。
ABテスト機能とは?
2種類のメールを用意し、ABテストの機能を使ってメール配信をします。
その際、システム側の自動判別で反応の良いメールを自動配信できます。
これは、メールの効果検証の際にも役立てることができます。
参考ページ:メール配信サービスのABテスト機能
わざわざ予算を割いて、メール配信専用のサービスを利用するわけなので、
やはり成果を上げるためのPDCAを十分に回すことができるようにすることが理想です。
・フォローアップ施策
LTV(顧客生涯価値)を上げるには、商品の「リピート期間をいかに伸ばせるか」がポイントです。
短期で解約、退会をされてしまうのは、
顧客が商品を「そもそも使っていない」、または「適切に使えていない」などが大きな要因になっています。
ここで必要なのが顧客の「フォローアップ」です。
フォローアップは配信サービスの「ステップメール(フォローアップメール)」機能を利用します。
ステップメールは予め作成した複数メール文書を一定期間ごとにシナリオ立てて配信するメールです。
例えば、
初回お試しで商品購入をした顧客に対して
(例)
購入後にサンクスメールを配信
→その後、商品発送メール
→到着確認メール
→「効果的な使い方」の紹介
→商品の魅力やこだわり
→お得な情報、またはクロスセル(セールスメール)
上記シナリオはあくまで一例ですが、
このようなシナリオメールは顧客の心理状態の変化を想定して、予めシナリオ立てたメール文書を作っておき、
商品購入日や会員登録日を起点日にシステム側が自動で一定期間ごとにメール配信をします。
この、フォローアップの有無と、シナリオの見直しが「フォローアップ施策」において重要なポイントです。
おすすめ記事:ステップメールの書き方と事例(BtoC向け) | メール配信のコツ
・抽出配信(セグメントメール)
抽出配信(セグメントメール)とは、顧客の属性(地域や性別、職業等)に応じたメールコンテンツを送ることです。
小売りなど、商品点数やサービス品目が一定数ある業種や、
アパレルのように顧客の属性ごとに訴求する商品が異なる場合、セグメントをかけてメール配信することが効果的です。
※もちろん会員全体に向けたキャンペーン等、一斉配信が有効的な局面もあります。
適切なセグメントをかけ、且つユーザーが求めるコンテンツを配信できれば、
開封・クリック率にいい影響を及ぼすだけでなく、メルマガの退会・解除の対策にもなります。
セグメントは商品・サービスごとによっても異なるので、顧客属性だけでなく、RFM分析や過去メルマガの反応履歴等も含め、最適なセグメントをかけてメール配信できると良いです。
・高度なメール配信
Amazonを利用したことがあれば、イメージし易いと思いますが、
レコメンドエンジンなどを活用すれば、会員の購買、行動データに基づいた、顧客一人一人にマッチしたメール配信を行うことができます。
また、カゴ落ちメールといった、
商品をカゴ落ちしたまま購入していない顧客に対して、再度カゴ落ち商品をおすすめすることで本購入に繋げやすくするメール配信もできます。
会員全員に向けた一斉配信が良い局面も多々ありますが、
顧客一人一人の趣味趣向に合わせたOne to oneのメール配信が現代のマーケティングトレンドになってきています。
これもECのメルマガ配信のコンバージョンを上げるために有効的な施策になります。
・動画メールの配信
まだまだ活用事例は少ないですが、動画メールも効果的です。
販促以外に、HowToの紹介やブランディング等でも活用できます。
目を引くのはもちろん、テキストメールでは伝えきれない動画メールならではの表現力があります。
例えば、
・製品開発者の想い
・お客様の利用風景
・印象に残るプロモーションビデオ
など、動画では「テキストメールの限られた表現の枠を超えた訴求」ができます。
記憶に残る映像や、利用した後の素晴らしいイメージを沸かせられれば、
後々ニーズが健在化したときに思い起こしてもらえる可能性があります。
また、内容が魅力的であれば、
潜在顧客から→見込み顧客へと顧客ランクが上がる可能性も十分期待できます。
大規模メール配信(数十万~数百万近い配信)
数十万~数百万単位の大量メール配信となると、主に「配信の速度要件」や「メールサイズ」、「セキュリティ面」に考慮しなければいけません。
[メール配信サービス導入時に考慮する点]
・配信速度の要件
・メールサイズ
・メール配信の送り分け・最適化
・オンプレミス(ライセンス)型サービスの提供の可否
・専用のIPアドレスを利用できるか?
・配信時間・速度制御
・エラーアドレスの管理
・セキュリティ対策
・権限設定
・緊急時の対応
[メール配信サービスの利用ポイント+考察]
・配信速度の要件
一度に配信するメール通数が数十万~数百万規模になると、メール配信サービスによっては大幅な遅延が生じます。
要件に合わないサービス利用は様々な問題を生じさせます。
例えば、速報・タイムセールのようなタイムリーなメール配信が求められるのに、
その日に配信しなければいけないメールが翌日に配信されてしまったりします。
大量のメールを高速かつ確実に届けるには、相応の配信性能や実績・ノウハウを有するメール配信サービスを導入する必要があります。
そのためサービスを選ぶ際は、「高速配信をするうえでの」メール配信サービスの「性能」や「到達率」についても着目できると良いです。
※基本的に一回あたりの配信通数や配信速度・メールコンテンツのサイズ(容量)などの要件に応じて料金・プランも変動するので、大量のメール配信をする企業の場合、この部分にも注視しておくとよいです。
おすすめ記事:メールの配信で遅れが生じる原因と解決方法
・メールの不達率を削減する
こちらもメール配信サービスの性能に大きく依存します。
大規模配信の場合、数%の不達率でも機会損失の数字は大きくなります。
不達率を下げるためには、
メール配信の「最適化(ISPごとの送り分け)」や、「送信元スコアのアップ」、「エラーアドレスのクリーニング」等が求められます。
メールの受信サーバー(プロバイダー)は、メール送信元に対して送信元スコアをつけています。
この評価点が低いと受信を拒否されてしまいます。
また、メールの送り方にはルールがあります。
どんなISPでも、日々メールの配信方法が変化しています。
この変化を随時分析し、それに合わせて配信をしていかなければいけません。
これは自力で対処するのは極めて困難なので、メール配信サービス側で対処をする他ありません。
他にもスパム判定を受けないように、配信リストは常にクリーンな状態を維持しておかなければいけません。
クリーンアップされたアドレスとは、メールを配信しても「配信エラーになってしまうアドレスを除外」したアドレスのことです。
エラーアドレスは様々な理由から日に日に増えてしまうものです。
アドレスの総数が数万件を超えたあたりから、これも手動で管理するのは現実的ではありません。
メール配信のツールを選ぶ際、これら「不達率を削減」する施策についても確認してみると良いかと思います。
・オンプレミス(ライセンス)型サービス
「大量のメールを高速配信したい」場合や、要件が複雑な配信で「カスタマイズの柔軟性が求められる」際に適すのが、「オンプレミス(ライセンス)型」のサービスです。更に、クラウド(ASP)型サービスと大きく異なり、オンプレミス型では「自社が利用する設備(データセンターなど)内で、独自のセキュリティポリシー管理下でシステムや情報を管理」することができます。
個人情報をはじめとする重要な情報、機密情報など取り扱っていて「外部を介さず自社だけで情報・システムを管理したい」というときにはオンプレミス型がおすすめです。
ただし、オンプレミス型のデメリットとして、比較的少額で導入できる定額制プランのクラウド型サービスと比較して料金が高くなってしまいます。
おすすめ記事:メール配信システム オンプレミス・クラウドの違いは何??
・専用のIPアドレスを利用できるか
大量の宛先に対して、メール配信をしたい場合は、IPアドレスに対する配慮も必要です。なぜなら、メールの到達率に大きく影響を与えるからです。
IPレピュテーションとは、その名の通り"IPアドレスにおける評判"(reputation)を評価し、インターネットにおける通信を制限したりする仕組みのことです。
※IPレピュテーションを詳しく知りたい方は
「メールの到達率に重要なIPレピュテーションを理解しよう」
のページをご覧ください。
もし、メールを送信するIPアドレスが自社専用ではなく、他企業と共有されたIPアドレスが使われている場合、他企業のメールが引き金となって、意図せず評判が下がってしまい、到達率が下がってしまうといったケースもゼロではありません。
そのようなケースを防止したい際は、専用のIPアドレスを利用できるサービスを選択しておくと安心して利用できます。
・メール配信サービスのセキュリティ要件
昨今、個人情報の流出は非常にナーバスな問題で、慎重にならないといけません。
保有する会員数が多くなればなるほど、漏洩時の社会的影響や企業イメージ低下・毀損等、会社に大きなダメージを与えてしまいます。
メール配信サービスのセキュリティ施策を見る際には、下記の項目をチェックしてみるとよいです。
・プライバシーマークや、ISMSの認証などの有無
・SSLによる暗号化通信
・システム管理画面へのアクセス制限、権限管理
・操作ログの記録
・なりすましメール対策(DKIM、SPF、S/MIME、安心マーク)
・システムの不正ログイン対策
・不正侵入、アプリの脆弱性対策(IPS、ファイアフォール等)
・バックアップ・冗長化対策
・緊急・災害時の対策・サポート体制
など多くのポイントがあります。
残念ながら、完璧なセキュリティというものは存在しないわけなのですが、
昨今セキュリティ施策の脆さから、思いもよらない事故を引き起こしている事例が後を絶ちません。
まずは社内のポリシーや状況をきちんと見直して配信システムを選定することをお勧めします。
BtoB向けメール配信
[メール配信のポイント]
toBとtoCとでは、メール配信の利用機能や施策が異なります。
toCに比べ、
・受注までの期間が長い
・toCに比べ単価が高い
・決済に至るまでに複数の人が関わるため、工数がかかる
これらの特徴から、顧客に「すぐに買ってもらう」というより、「顧客育成」という要素が強くなります。
ニーズが顕在化していて「今すぐに欲しい」という状態の顧客より、
圧倒的にそうでない、「潜在顧客」がほとんどのはずです。
アウトバウンドの営業職が法人向けビジネスに多いのも、そういった理由があります。
具体的なメール配信の違いとして、
・抽出配信(セグメントメール)の違い
・視覚的な訴求が強く求められる、BtoCのECメルマガほど、メールに入れ込むクリエイティブ(バナーなど)に凝る必要はない
等のポイントがあります。
[BtoBメール配信でよく使われる機能]>
・ABテスト
・フォーム・会員登録
・抽出・差し込み配信
・予約配信
・配信結果分析
[メール配信サービスの利用ポイント+考察]
・テキストメールでも十分
BtoBビジネスの場合、HTMLメールではなく、テキスメールでの配信で十分なケースが多いです。
具体的にいうと、BtoCだと読者を直感的に購買に繋げるようにするメールが効果的なので、バナークリエイティブの作りこみが重要な要素になります。
一方、BtoBのメールの場合、ターゲットの性質と購買プロセスがtoCとは異なるので、バナーの作り込みに時間をかけすぎるよりも、配信業務以外の実務との兼ね合いも考慮して「配信効率を優先」したほうがよいかもしれません。
クリエイティブを作りこんだHTMLメールだと、作成するのには一定の時間を消費するため、
EC通販のような、視覚的訴求が特別求められるようなシーンでなければ、テキストメールでも十分です。
・メール配信のPDCAを回す~ABテスト~
toBとtoCともに有用性の高い機能が「ABテスト」です。
この機能はメール配信の「PDCAを回す」のにとても役立ちます。
具体的に何ができるのかというと、
(1)件名やプリヘッダーテキストのABテスト:開封率を高める
(2)メール本文やコンテンツのABテスト:クリック率を改善
等のことができます。
この機能の仕組みとしては、
AB2通のメールを作成しておく。
↓
ABテストの機能を使ってメール配信すると、システム側の自動判別で効果の高いメールを分析。
↓
効果の高い方を自動配信することができます。
PDCAを回さなければ、成果はアップしませんので、こういった機能も積極的に利用していくことが望ましいです。
・フォーム、会員収集の機能
セミナーの参加受付フォームや、問い合わせフォームなど、
メール配信サービスのフォーム機能を活用することで、会員収集用のフォーム作成が可能です。ここで作成したフォームは配信システム上のデータベースと紐づいており、ユーザーがフォーム経由で会員登録をする度にシステムにデータが蓄積されていきます。加えてこの機能は、会員収集だけでなく、会員の退会・メルマガ解除の仕組みも備わっています。
もちろん、入力フォームの項目は自由に編集ができます。
・空メール登録・退会
toBの場合、セグメントをかけないでメール配信をするケースも多いです。
このような、顧客の「属性情報を獲得する必要がない」ケースでは、
登録フォームを使わず、「空メール」で簡単に顧客情報を収集することもできます。
デメリットは、メールアドレスの獲得しかできないことですが、
フォーム入力の手間や個人情報の入力が省ける分、顧客の登録する上でのハードルが小さくなるメリットがあります。
・抽出配信(セグメントメール)、差し込み機能を活用する場合
BtoBの場合、セグメントのかけ方がtoCと異なりますが、
一般的によく使われるのが、
(例)
1.業種ごと(金融、不動産、人材など)
...業種が近いほうが共感を持たれやすい。
2.エリア(商圏)別
...例えば、[東京開催]のセミナーを[九州]方面の顧客に送ってしまうと、無駄な情報を届けてしまうことになります。
3.商材・サービスごと
...サービスが複数種類ある場合、顧客ニーズごとに分けてセグメントをかけてメール配信をします。
4.職種(情報システム部、マーケティング部、管理部等)
...例えば、情報システム部とマーケティング部では視点が異なるので、訴求点を変えないと響かない。
5.経路別(web問い合わせ、比較サイト、展示会、セミナー、ホワイトペーパのダウンロード等)
...流入経路ごとに顧客の温度感が違う。そのため、温度感の高さに合わせて、配信するメールの内容を調整する。
等です。
因みに、顧客属性の獲得は必要最低限にしましょう。
なぜなら、フォーム上で入力項目を増やしすぎると登録してもらえない場合や、セグメントのかけすぎでメール配信の母数が大幅に減ってしまうリスクがあるからです。
おすすめ記事:BtoB向けメルマガのクリック率をアップさせるポイント
自社システムとメール配信サービスを連携
メール配信サービスとよく連携するシステムの例として、
・MA(マーケティングオートメーション)
・CRM(顧客管理システム)
・自前のシステム(ECシステムなど)
などがあります。
別々のサービスをシステム連携したい場合、
API連携と自動CSVインポート等の連携方法があります。
・自動csvインポート
顧客のデータベース(メールアドレスや顧客属性等)のみの連携をする場合に使用します。
メリットは
顧客データの管理が効率化
担当者の管理による負担軽減
入力ミスや不意のデータ削除
などのメリットがあります。
・APIによるシステム連携
APIは、例えば既存のシステムでもメール配信をするが、特定のメール配信においてはシステム連携をしてメール配信サービスで配信する場合などに利用されます。例えばシナリオメールはMA、大量の一斉配信はメール配信サービスを使うなどといった使い方があります。
参考ページ:メール配信サービスのシステム連携に必要なAPIについて
セキュリティ要件が厳しい中でのメール配信
上場している中堅以上や大企業などだと社会的責任も大きく、必然的に新規で導入するシステムのセキュリティ要件が厳しくなります。
他にも、金融機関のような個人に紐づく金融情報などを取り扱う企業も同様です。一回限りの使い捨てのパスワードであるワンタイムパスワード等を採用しているのもこの業界です。
上記のような企業に該当する場合、高セキュリティのメール配信サービスの導入が大前提になります。
上記で紹介したような企業は「自社内のセキュリティ管理化で運用したい」というケースが多いのも特徴です。また、メール配信の通数に関わらず、「オンプレミス(ライセンス)型」のサービスを導入するケースも多いです。
クラウド(ASP)サービスとは異なり、
オンプレミス型のサービスでは、外部を介さず「自社の管理下でシステム・情報を管理」できます。
他にも注視すべきが、
・プライバシーマーク、ISMS認証などの有無
・SSLによる暗号化通信
・管理画面へのアクセス制限、権限管理
・操作ログを記録
・なりすましメール対策(DKIM、SPF、S/MIME、安心マーク)
・不正ログイン対策
・不正侵入、アプリの脆弱性対策(IPS、ファイアフォール等)
・バックアップ・冗長化対策
・緊急・災害時の対策・サポート体制
等です。
昨今、外部の何者かによって大変巧妙な手口で個人情報を流出させられる事故が増えていますので、気を付けなければいけません。
システムを選ぶ際は自社のセキュリティ要件を事前に明確にしたうえでの、システム選びが望ましいと考えます。
この際に、要件シートなどを作っておくと便利です。
外国人に向けたメール配信
[自動翻訳]
外国人向けのメール配信は、「言語の問題」があります。
よく質問を受けるのが、「自動翻訳機能の有無」などですが、これは現在の技術では困難です。
[GDPR]
注意しなければいけないのが、「GDPR」です。
「GDPR(EU 一般データ保護規則)」とは?
欧州連合(EU)法の施工により、現在個人情報の収集・管理に対して、厳しい義務が課されています。
ここでは詳しくは触れませんが、不意に違反してしまった際の罰金も厳しい内容なので、メールマーケッターは正確に理解をしておかなければいけません。
[メールの文字化け対策]
配信システム側の問題としては、「外国語テキストの文字化」けです。
メール文書を作成する際は、「文字コード」というものがあり、その国の言語にあった文字コードに対応していないと、正しく表示されません。
そのため、注意すべきは「多言語配信に文字化けなく対応できるかどうか」ということです。
これはメール配信サービスの対応文字コードが、外国語の文字コードに対応しているかをチェックしなければいけません。
因みに世界で最もスタンダードな文字コードが「UnicodeのUTF-8」です。
サービス選定の際はここの部分を確認しておくと良いかと思います。
※言語によっては対応していないケースもあります。
また、外国にメール配信をする場合、
日本国内とはまた違った法令があるため、そこも問題がないか確認したうえで、メール配信をしましょう。
連絡網へのメール配信
よくある例として、・教育機関(学校、保育・幼稚園)
・病院
・企業の社内メール
などで利用する場合、そもそもの用途がシンプルなので、必要とされる機能はあまり多くないかもしれません。
ただ、最近の傾向として、
災害が多い、または不審者が現れた際など、「緊急のメール」を送らなければいけないケースが増えてきています。
予想されるトラブルとして、
・災害時だと、システムが動作しない
・緊急時なのにうまく配信できない
等のケースがあります。
こういった事態が発生することも考慮して、
「緊急時のサポート」や、「災害時の対策」などもできているかどうかも確認しておくとよいです。
加えて、教育機関などだと「複数人の人がシステムを操作する」ケースがあります。
その際は、「操作感」が重要なポイントです。
面倒ですが資料請求だけで済ませず、操作感を確かめるために、簡単にお試しができる「トライアル環境」を使えるか確認してみましょう。
トライアルは無料で試せるので、システム導入後にイメージと違うというトラブルも起きにくいと考えられます。
おすすめ記事:メール配信システムの活用例:保育園、幼稚園、学校、教育関連【連絡網編】
社内メールの場合だと、
企業規模が大きい場合、必然的に「セキュリティ要件」が厳しくなります。
セキュリティ要件が厳しいケースでのサービスの選び方は、まず「セキュリティ要件を満たしているか」が選定の第一ハードルです。
そのため、セキュリティ要件も満たせるか否かもきちんと確認しましょう。
安否確認メールの配信
企業の場合、大きな災害・トラブルの発生で一時的な収益悪化をまねきます。事業復旧が遅れれば最悪の場合、事業縮小や倒産のリスクがあります。
事業復旧のために「BCP(事業継続計画)」というものがありますが、
これをきちんと見直し、企業が「倒産・解散」といった「最悪の事態に陥らないための計画」も立てていかなくてはいけません。
因みにBCPの初期フェーズとして「発動」と「業務再開」というフェーズがあります。
ここでは「迅速に現状把握」を行い、「事業回復」に向けた動きをスムーズに展開しなければいけません。
「安否確認」もこのフェーズに該当します。この初期段階においてもメールの有用性は高いと言えます。
おすすめ記事:安否確認サービス・システムのメリットを徹底解説
[注視したいメール機能]
○メールを確実に届ける
メールは受信者の受信環境やデバイス、送信元の配信の仕方によって、メールが届かないという問題が発生します。
重要な緊急メールがいざというときに届かないというのでは問題です。
メールを確実に届けるには、メール配信サービスの性能に依存する部分が大きいです。
そのため、下記の項目に対応しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
▼メール到達率の改善施策
・デバイス、キャリアごとの配信の自動最適化
※携帯キャリアの場合、送信の仕方がキャリアごとに異なっており、このルールに沿ったメール配信の最適化がされていないと、正常に受信されないという問題が発生します。
・エラー解析、配信アドレスの自動クリーンアップ ※エラーアドレスを逐一クリーニングしないとスパムメールの送信元と受信サーバーから認識され、受信を拒否されるリスクがあります。
・なりすましメール対策、SPF。
また、いざというときに、すぐに緊急対応ができるように、「配信先メールアドレスの収集・確認」や「防災訓練」は「事前準備」としてきちんとしておくことをお勧めします。
※参考記事:受信ボックスにメールが届かない原因と解決策をご紹介!
・教育機関や自治体の場合
教育機関の連絡網として活用する際は、下記をご覧ください。
おすすめ記事:メール配信システムの活用例:保育園、幼稚園、学校、教育関連【連絡網編】
キューノート エフシー
メール配信システムCuenote FC(キューノートFC)は、会員管理やメール配信後の効果測定をグラフィカルに表示。システム連携用APIなども提供しており、一斉配信からメールマーケティングまで行えます。独自開発のMTA(配信エンジン)とノウハウで、月間のメール配信数42億通・時間1,000万通以上(※)の高速配信を実現し、スマートフォンや携帯にもストレスなく高速・確実にメールを届けます。
※クラウド型サービス(ASP・SaaS)の実績値